24. エピローグ
パーティー申請用紙を出してパーティー名もフールに決まり、飯に戻りそのあと子供達がまた訓練して宿に戻った。
そんな感じの生活を一月程過ごし、ルフともレイラとも仲が深まり順風満帆に過ごしていたある日、一行で町の通りを歩いて居ると、奴隷商のグリと久しぶりに出会った。相変わらず胡散臭い雰囲気やのぉ
「これはこれはハレオ様。お久しぶりで御座います。ロウガ様も兄妹もお久しぶりで御座います。後のお二人は……お強そうなお人と、これはまた可愛いらしいお嬢様だ事。どちら様も初めましてで御座います」
「お、おう。奴隷商よ暫くぶりやな」
「お強そうな方と可憐な少女もとハレオ様のパーティーは大変有望そうでいらっしゃいますね。ではハレオ様も皆様方もまたお会い出来たら幸いで御座います。ハレオ様。また是非に是非に当店にお越し下さいませ。ではでは」
「お、おう。また寄らせてもらうわ」
そう言い去って行く奴隷商人
ヤバい……ごっつい念押しして行ったぞ。
良く考えたら少女が全回復したって分かる人がウチのメンバーとあの奴隷商位やん。あぁ後宿屋のオヤジか。宿屋のオヤジはベラベラ喋りそうにも無いからバレようがバレまいがまぁええとしても、奴隷商は今確実にねっとりした目で少女見定めてたからこりゃあの時の少女が回復したってバレたっぽいな。
奴隷商の所に居った時の少女は、現在の姿とは似ても似つかん容貌やったけど、俺と一緒に居る上に髪色と目の色で大方予想できるもんなぁ。
分かったからってあの胡散臭い雰囲気やけど商売の機微に敏感そうなやり手やから、大きい狼と強そうな人種とは思えん男が居るの見て、無理矢理回復方法教えてーなとは言うてこんとは思うが。
問題は俺や。上手い事言われて店行って見かけた牢屋の中に悲惨な状態の子居ったら、あぁこの子ですか。私どもではもう手の施しよう無いのでどうしようかと思ってます。チラッチラなんてされてみ、あの商人俺の事完全に汲み易しと判断しとるから断れんしなぁ。勿論助けれるだけ助けるのもええんやけど、この世界やとキリないんよな。
よし。この町も約一年近くおったし少女を回復させれる何かあるとか探り入れられるも業腹やし、この国の王都とやらも見たいし、王都見るついでで海のある国まで冒険の旅としゃれこもう。
そう言えばこっち来てから米食うて無いしってか米あっても現代日本みたいな品種改良されまくってきた米なんか無いやろうから期待薄やけど米食いたいなぁ。何処ぞにないんかのぉ。
あと無性に魚食いたい。川魚やなく海の魚食いたい。この町では海で獲れたっぽい魚見かける事無いんよな、川魚は有るみたいやけど川魚あんまり好きちゃうんよな。刺身食いたいとまでは言わんけど焼き魚位食いたいわい。刺身は俺自身が調理実績無いから捌けるか分からんが多分最強防御ちゃんチュッチュがあるから生でも食えんこと無いやろうけど、元の世界で聞いた事も無い魚に居る虫とか居たら嫌やし、焼き魚位なら焼いとるから死滅するはずと思って何とか食えそうなんよな。
あぁ鯖食いたい。あの海外産のどんだけ脂乗っとんねんと思う安もんの鯖が食いたい。
そもそもが俺は異世界転移系最強格の主人公なわけやのに……最強格やでな?ねぇねぇ自称やないでな。
最初に訪れた町から一年近く出ないってありえなくね。
俺が深夜アニメで見た主人公は転移して速攻で強くなってすぐに旅して、女助けて光の速さでハーレムパーティー作ってたのに、一年も最初の町から動かんてよくよく考えたらありえへんな。いや……よそはよそウチはウチか。
まぁそれはそれとして旅に出掛けるか
「はい。皆んな集合」
「どうしましたかハレオ様」
「お集まりの皆さんにお話があります。我がパーティーは旅に出る事が今決定致しました。はい拍手パチパチ」
「旅ですか。何処に行くのですか」
「皆んなは見た事あるか分からんけど、海のある所まで行こうと思っとるねん」
「海ですか。僕は見た事無いですね」
「海ってなーに」
「マルカよ海ってのはでっかい水溜りみたいなもんや」
「我は見た事あるな」
「俺も放浪してた時に見たぜ」
「私は見た事無いですわね」
「子供らは見た事無いみたいやな。ってな訳で海のある所目指して冒険旅行に出発や。とその前に地理が一個も分からんから、ギルマス……いやめんどくさそうやし、ジルさんの所に聞き込みと買い出し行くでぇ」
反対意見も無く、ふーんそうですか位の反応で話しはまとまり何時ものジル店に着くと
「こんちゃ。ジルさん居てますか」
「あぁ何時ものお客様。少々お待ち下さい」
「はーい」
と少しの時間待ってるとジルがやって来た
「これはハレオさんいらっしゃい。今日はどうしたのですか」
「実はそろそろ冒険の旅にでも出かけようと思いまして。それでですねこの国の王都も見た事無いし王都見がてら海がある所まで行こうと思うんですが、よくよく考えてみると地理に疎いと思いまして、ジルさんにご教授頂こうとかと思った次第でありまーす」
「おや。旅に出るのですね。それは寂しくなりますね」
「お世話になったジルさんの元を離れるのは寂しい思いもありますが、一応冒険者なので世界を見て回ろうと思いまして。勿論また戻って来ますけどね」
「なるほどそうでしたか。確かに何にも縛られ無い冒険者なら世界を回るのも頷けますからね。地理ですか、確か冒険者ギルドに行けば簡易な地図売ってるはずですよ」
「そうだったんですか。そこそこ通っていたのに気付きませんでした。では地図をギルドで買うとして、旅に必要な物とかをジルさんのお店で買いたいと思うんですがお勧めとかありますか」
そんな会話をジルとして旅に必要な物ならコレとかコレとかこれも必要ですねとジルさんにマルロがはいはい言いながら購入してマジックバックの中に詰め込んで
「んじゃジルさんお世話になりましたありがとう。また来ますね」
「ええ。いつでもお気軽にお越しください。待ってますよ」
そんなしんみりした会話で後ろ髪引かれる思いをしながらその場を後にしギルドの方へ向かって行く
「うーす。ミーアただいま。今日は先に飯にするわ」
「毎度言ってるがおっさんの彼女でも奥さんでも無いニャ、回れ右して帰れニャ」
「ミーアってばもう嫌やわぁ、ちょっとした冗談ですやんやん。んで今日はこのギルドには地図が売ってるって噂を聞きつけ買いにきたんやけども、売ってるのかな」
「コレだニャ」
「ホンマに簡素な地図やの」
ざっと見た感じそうやな。此処がローゼンの国で大体この辺がリパの町で王都は此処でリパから王都までの間にも何個か町有るよ。みたいになんて言うたらええんか、海賊映画に出てくる地図見たいな感じやな。ん……この説明じゃ分かり難いか。スマホで見てたマップの市町村が書いてなくて境界線も雑で県名と大きな町の位置だけ書いてて見たいな感じやな。あかんは説明ムズッ。
「ミーアよ。この地図えらい雑やけどリパから王都までは徒歩で、いや馬車ならどれくらいの日数かかるんよ」
「雑って地図なんかこんなもんニャ。そうだニャ、馬車なら二月って所だニャ」
「馬車で二月って結構な距離離れてるんやな。まぁええわ。分かったありがとチュッチュ」
なるほどな。なんで海の魚見かけんのかと思ったら王都までの距離も離れとんのに、その先向こうの国を超えてやっと海ですじゃ見かけんはずやわな。
時間停止のマジックバックとかも有るみたいやのになんで運ばんのかとも思ったけど、距離離れてすぎとるな。王都まで二月その先最短二月でも行って帰ってで約一年か、千匹仕入れたとして仕入れに約一年かかる食い物を一匹なんぼで売ったら元取れるねんって事やわな。もしかしたら上流階級の人とかは金に糸目も付けず仕入れる事も可能かもしれんけど、一般ピーポーが利用する市場とかじゃお目にかかれんやろうな
「キモ。それで王都の話し聞くって事はこの町から離れるのかニャ」
「そうなんよ。ミーアには寂しい思いさせるかもやけど。俺……でっかい男になって帰ってくんよ」
「おっさんはどうでも良いニャ。ロウガ様が行ってしまわれるのかニャ。残念だニャ」
やっぱ俺の序列が低いみたいやな。悲しいぜ
ミーアといつものように戯れあい仲間の元に戻ると皆んな先に食事を始めていた
「ハレオ様どうでしたか」
「せやなぁ海ある所までリパからなら約半年って所かな。いや待てよ、これ馬車での話しやから、今俺らの移動がロウガに乗る三人とルフに抱えられて移動する俺やから大分早いかもやな、ずっとやないけど空も飛べるわけやしな」
「それなら早そうですね」
「まぁええか。急ぐ旅でも無し適当に行ってりゃそのうち着くやろうしな」
なんて適当に考えながら酒飲んでると珍しくギルマスが来てちょっと来いと呼ばれる
「なんすかギルマス」
「いや何、さっきミーアからハレオ達が王都に行くって聞いたんでな」
「そうなんすよ、王都ってかその先の海のある国まで行って魚食おうと思いましてね」
「魚かそれも良いな。それで王都には寄るんだろ」
「寄って行こうかと思うてますよ」
「それでだ。お前この町から離れた事無いだろうから大丈夫かと思ってな」
「なんかあるんすか」
「お前この町の獣人みてどう思う」
「そうやなぁ奴隷の獣人も居るけど受付のミーアやベルほんで冒険者の獣人も何人か見た事あるし、見ても何にも思った事無いけど」
「やはりそんな認識だわな」
ここからギルマスの話し聞くと、基本的に獣人の国、マルロやマルカが元住んでた国だわな、と人族の国このローゼンもそうだし獣人国の付近の人族の国とも基本小競り合い含めて争ってるらしく、人族の国では獣人奴隷が居るし、獣人国では人族の奴隷が居るみたいで、勿論自国の人族の奴隷も居るし、最初にみたバインバインの姉ちゃんも人族だったし、獣人国の国内でも勿論獣人奴隷も居るのだけど、どっちの国も基本所属してる種族の至上主義が有るらしく他種族に対しての差別があるみたいやな。
ほんでさっき見た地図にも載ってたけど此処リパの町はかなり王都から離れた辺境にあるみたいで、此処の領主が差別はあるが酷い差別して労働力が無くなるのも困るからって事で、至上主義者をあまり寄せ付けずその結果色んな種族の坩堝になってるらしい。
ほんでその人族至上主義者は国の中心、ここの話しでは王都やな、そこに近づくにつれ多くなるみたいや。
だからさっき聞かれた意味は、お前獣人奴隷連れて王都に行くと人族至上主義の奴に絡まれるから気を付けろよ。って言うありがたいアドバイスを頂いたわけやな
「なーほーね。酷い話もあるもんですなぁ」
「いやお前酷い話しって、こんなの何処の国でもそうだぞ。お前が獣人の国に行けば必ず絡まれ理不尽な目に遭うぞ」
「えぇ。世知辛い世の中でんなぁ。話し合いとかで……まぁ無理かそんな俺の価値観じゃ道理が通らんわなぁ。
アドバイスあざーす、気を付けて行きますわ」
「おう。気を付けて行って来いよ」
そんなありがたい話しをギルマスに頂き、なんとかなるっしょと思いながら食事に戻り、せや旅の間の食事バックに入れれるんかなとマスターに作ってもらった飯を皿ごと十人前をバックに入れてから出してみたら潰れる事もなく出せた。
このマジックバックはアイテムイベントリ方式なんかな?あのマス目があってそこに食事一食事ニみたいな感じで分けられていれられてるんか謎のご都合主義バックやったみたいやわ。後は大人組皆んな大好きお酒、主にワインも木ジョッキごと売ってもらい飯百人前と酒を兎に角いっぱい作って貰いバックに入れお会計を済ました。
これで旅に出てもなんとか四、五日は持つやろ、なくなりゃその都度寄った町のギルド行けばこれ位のクオリティーの飯位でるやろから適時補給して行きゃ大丈夫やな。きっと大丈夫と信じてる。
その後飲み続けてると手が空いた犬族受付嬢のベルちゃんがきて、ロウガ様だけでもこの町に残ってくださいよぉ、なんて言いながらロウガの体に顔を埋めそんな事言うてるから、犬族の受付嬢よ俺の体に顔を埋めるのを許可しよう。
と言った所無視される一幕とかありつつ遅くまで飲んで宿に帰り宿屋のオヤジに明日旅に出るわと告げ、へぇそうか。と冷たい態度で返事が返ってきたから、なんじゃいなんじゃいもうちょっと涙ながらに引き留めんかいと思いながら寝床に着いてすぐに寝た。
そして次の日起きたのが昼前だった。
前日に俺は明日は旅立ちの日や今までの俺と違って、朝早く起きて晴れやかな気持ちでこの始まりの町を出て行くんだ。と決意したものの寝過ごした。
人間そんなにすぐには変われないって言う典型ですな。
「んじゃ行こうか皆んな」
「うむ」
「おう」
「分かりました」
「はーい」
「分かりましたわ」
そんな返事を聞きながら最初に入って来た門とは違う門から出ながら考える。
この町に初めて入った時はジルさんと疾風の風が居たとは言えひとりぼっちやったけど、今この門から旅立つ時には仲間が五人増えた。
この世界に飛ばされて草原でふて寝して見上げた時に見た月二つ。今も快晴の空に昼の月が二つ見える。
そこそこ上手くやれてるんかなぁ異世界生活。
そんな事考えながら歩きだす
このお話しを読んでくれた皆様に
格別の感謝と心からの御礼を。
閃光のヒジ




