22. 町への帰還
仲間の居る方へ歩いて来た二人の男
「うーす。ロウガ久しぶりやなぁ元気してたかワシャワシャ」
「うむ。問題は無かったぞ」
「そかそか。マルロとマルカも大きくなったなぁ……いや流石にそんな変わりないか」
「ハレオ様おかえりなさいませ」
「おかえりー」
「あらまぁ。マルカちゃんてば挨拶出来てえらいなぁ。これは抱っこしてヨシヨシしたらなあかんな」
「やー」
「ふふふ。相変わらず可愛ええのぉ」
「レイラちゃんもさっきぶりやな。そう言えばレイラちゃんは何歳なん」
「十二歳ですわ。ハレオ様これからよろしくお願いしますわ」
「そうなんや。ほなマルロと同じ歳なんやな、わかった。よろしくお願いされました。ほんでこっちのルフなんやけど皆んなはもう話したんかな」
「ハレオ様皆でもう意思疎通はしていますよ」
「マルロはしっかりしとるなぁ。挨拶済んでるんならまぁええか。所でマルロよ俺の服とか無いかな」
「御座いますよ。一応着替えとして服屋に行き全員分の予備買っておきました」
「なによめちゃやり手やん。流石マルロやりおるわい。ほんでこの一月なんか問題無かったかの」
「はい。普段と変わらず問題もおきませんでしたよ」
「そかそか。それなら良かったわ。おっと今回もギルマス来とるやん。今回の召喚は一応人型やからあんまり人数かけて無いみたいやな」
マルロが
「問題は起きませんでしたが、ルフ様が召喚されてすぐにロウガ様が力試しをしてやろうとルフ様と争い始めまして……」
マルロの話を聞くと、ルフが召喚された後、うぬの力を試してやろうとロウガが襲い掛かり、見ての通りどちらもここら辺では見ない位強者なのでやたら大きい闘いの音がしたみたいで、町の冒険者ギルドに通報が行き慌てて飛んできたギルマスにマルロが事の経緯を説明し一応用心の為、日に何人か様子を見に来させてたみたいで、今日は偶々ギルマス自ら来てたみたいだ
「ええ。自分ら常に争わな生きて行かれへん性質でも持ってるんか。そない争わんでも言語でのコミュニケーションで十分でしょうがよ」
ルフが
「行動範囲が限定されてなかったら俺が勝ってたぜ」
「ふん。我に勝てる訳なかろうて」
「なにを。見て分かる行動範囲を限定されなくなった俺は空を飛べるしロウガの機動力を上回る訳だから負け無いぜ」
「ふふん。たかが空を飛べる位で、見てろ。ほれお主がどれだけの時間飛べるかは分からぬが我も長い時間は無理とは言え闘いの最中に頭上を取られることは無いわ。我一柱の王ぞ、隙なぞ無いわ」
「いやロウガ空飛べたんかい。今まで空を駆ける事なんかなかったがな」
「ハレオよお主は頭が悪いのか。毎度狩りをする相手と言えば地を這う蛇だ、空を駆ける必要なかろう。それに小さき者共を背に乗せて居るのに危険な事をする訳なかろうて」
「え。意外とハートフル系狼王やったんやなビックリだわ。まぁ取り敢えずそんな睨み合って無いで町に帰って酒でも飲もうや。それにやなお前らみたいな強いのが争い始めると子供らが怯えるでしょうが」
チラッとキッズ達をみると狼族の子供らはキラキラした目で二人を見ててレイラは若干引き気味にみてた
「ま、まぁ怯えないパターンもあるわな。んじゃまギルマスに挨拶してもう帰りますよ」
「ふん。酒の為なら仕方ないな」
「魔界と違ってこっちの食いもんはうめぇからな楽しみだぜ」
なんだかんだ仲良く町に引き返して行く途中でギルマスに話しかける
「ギルマスおつおつです。召喚してみたんだけど前回と違って人種が来ましたわ。皆さんに驚かれない感じで召喚出来てホッとしてますわぁ」
「いやお前人種って無理があるだろ。角が生えてて翼も生えてる人種は見た事ないぞ」
「あ。いやぁ聞いて欲しいんやけど、実は彼は見た目がちょっと、ほんのちょっとだけ人種と違うって事で迫害を受けて人里離れた山奥で一人暮らしていた見たいなんよ。だけど今回俺の召喚に呼ばれて人生を取り戻そうとしてるみたいなんよ。やっぱさちょっと、ほんのちょっとだけ見た目が違うからって人種じゃ無いとか言うのは俺良く無いと思うねん。ねっ」
「ね。ってお前ちょっと所か角も羽も生えてる人種は居ないとおもうんだが」
「どした。俺は魔族……」
「ルフちゃん!黙らっしゃい。ええか、君はこの世界に転移した時になんだかんだあってこの世界では人種って事に決定しました。以後人種を名乗ってくださいませ」
そんなもんワイ魔族でんねん。とか吹聴しまくってたらどんなトラブル呼び込むか分かったもんやないし、まぁ……見た感じ六割位は人種に見えなくも無いからこれで押し通すしかないわな。
魔族の事ギルマスに聞きたいけど藪蛇になったらかなわんからもうスルーしとこっと。
それにバレてるかどうかは分からんけど傷だらけやった少女が突然元通りですわーなんて事が知られたらルフに薬作れって言ってきてルフの話し聞く限り薬作りが好きやなさそうやのに無理矢理そんな事言われたらキレ散らかして暴れ回ってこの町崩壊の危機とかになりそうやし、基本そう言う話しは無視しとこうそうしよう
「お、おうそうか。まぁなんだって良いんだけどな、強けりゃ人でもなんでもいいんだぜ」
「ね。ギルマス人種っしょ。本人もこう言うてるのでそんな感じでよろしくです」
「いや……まぁ良いんだが。問題起こすなよ」
「うーす。分かってまんがな、このハレオ人の道に背くような事やりゃしませんねん。つー訳でソロソロ皆んなお腹減った言うてるんで町に戻りますわ」
まだ何か言いたそうなギルマスを無視し町に戻る一行その戻っている最中ルフに俺の事抱えて飛べるんかって聞いたら余裕余裕との事なので町の入り口まで運んでもらった
「おお。自力で空飛ぶとか初めての経験すぎて言葉出んわ。ルフこれってしんどく無いん」
「ハレオ一人位抱えるの毛ほども疲れ感じ無いぜ」
「ほな今度から移動する時は抱えてや。ロウガの方は子供ら三人乗っけてもらおっと」
そんな話しをしながら眼下のロウガを見るとすぐそばにまで空を駆けて来ていた。空を駆けながら背中に乗った狼族の兄弟がロウガ様凄いです凄いですと声をかけてるのが聞こえ、満更でも無さそうなロウガが、そうであろうなんて言ってるのが聞こえた。レイラは真っ当らしく引き攣った表情でニコニコしていた。
そんなこんなで町の前まで着き、門番を華麗にかわしギルドまでやって来た
「こんちゃー。あミーアやん。ミーアよ……今日でお前が寂しい思いするのも最後やで。俺が帰ってきたで」
「おっさんが居なくても寂しさを感じた事はないニャ。早く要件言うニャ」
「んもう。連れないなぁ。ほんでやなまたで悪いんやけどギルドのタグ無くしたねん、再発行よろしくぅ。出来ればSでよろしくぅ。この面子見ればわかるけど……もう最上級以外考えられないっしょ」
ミーアが無言で裏の方へ引っ込んで行く
「子供らよ。遂にご主人であるハレオはSランクに上がるみたいやな。これで子供らも、近所の子供に僕達はあのSランク冒険者ハレオ様の仲間なんだぞ。って自慢できるで、良かった良かった」
「あの……ハレオ様」
「どしたどしたマルロ。何でもおっちゃんに相談したらええんやでぇ」
そんな会話をしているとミーアが戻って来て
「ほれタグニャ。頼むから次からは他の受け付けに行くんだニャ」
「ミーアよ何言うてるんよ俺とお前の仲やんか。ん……Gやがな。まごう事なきGやん。おっかしいなぁそろそろ最上級になるおもーたんやけどなぁ」
「あのニャ、普通Eまではすぐ上がるニャ。例えば最初は殆どの例外無くGランクからのスタートだニャ。その時に町の側溝を掃除するとか何かのお手伝いするとかの町のお手伝い系のギルド発行依頼を日に三つもこなして十日もすればFに上がるニャ。そしてFからEには規定の討伐や採取をこなしてればこれもすぐ上がるニャ。EからDへの昇格には護衛依頼が入ってくるから子供じゃ中々上がらないニャ。今言った通りGからEまでは真面目にギルドの仕事してりゃ上がるニャ。おっさんは町のお手伝いした事あるかニャ」
「今記憶を遡って考えたが……無いな。けどよ高ランクの蛇いっぱい納品してるやん」
「それはだニャ、例えば山で生活してる人とか農家だとかが罠で偶々上手く狩れたちょっと高ランクの魔物でもギルド員かそれ以外かでも関係無く規定の金額で買い取りはするニャ。それでニャその偶々取れた高ランクの魔物を持ってきた農家さんが、俺ギルドに登録するからAにしてくれよって言われてじゃあこれ高ランクの魔物だからって農家さんはAランクです。なんて出来るとおもうかニャ」
「で、出来ませんね」
「そうだニャできないんだニャ。それをしろとおっさんは言って来てるニャ。それでおっさんの仲間であるマルロ君とマルカちゃんを見れば分かると思うがニャ、ここ一月真面目に依頼こなしてたからEになってるニャ。勿論ロウガ様が付き添ってくれてるから討伐依頼も何事も無く発行したニャ」
「なに!兄弟よ。Eランクなんか」
「はい。先程言おうとしたんですがEまで上がりました」
「Eだよー」
「そかマルロとマルカはEランクで俺はG……まっええか。兄弟よ良かったな。こんなに偉いマルカちゃんは抱っこしてギュッてしたらなあかんな」
「やー」
「あーいちいち可愛いのぉ」
「んでおっさんギルド発行のお手伝い依頼するかニャ」
「おいおいミーアよ。俺は世界を征服する男だぜ。俺の信条には最低限の努力で最大級の報酬をってのがあるから、ちまちま町のお手伝いなんかやらねぇぜ。どう、男らしすぎて惚れただろ」
「その最低な信条を胸に抱いたまま失せろニャ」
ワオ。辛辣ぅ
「わーん。ロウガ全然ランク上げて貰えなかったよぉワシャワシャ」
「当然であろう」
「ふーん。冷たいやん。まぁええか。さぁ酒でも飲んで嫌な事から目を逸らそうぜぇ」




