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19. 馬車でも買うか


少女を抱き抱えながら夕暮れ間近の町を宿屋まで戻ってきた


「ただいまやでー」


「お帰りなさいハレオ様」

「おかえり」


兄妹が元気よく返事を返しながら聞いてくる


「ハレオ様。その子どうしたのですか、出かける時に身の回りのお世話が出来る人を雇いに行くと言ってらしたと思いますが」


マルロ君。おっちゃん勘の良い子供は苦手だよ。参ったなどう説明するか。なんか可哀想やから買って来た。じゃあ今まで積み上げた俺のカッコ良くて何でも知ってて頼りになるお兄さん像が崩れてしまうかもしれん。

だってよ可哀想なのは分かりますがこの先どうするのですかとか聞かれると困る。治すアテはあるにはあるが成功するかどうかわからんしなぁ


「あー。そう言えば三人部屋じゃベット足りんがながな。ちょい宿屋のオヤジに聞いてくるわ」


抱き抱えてた少女をそっとベットに下ろし寝かせ慌てて部屋から逃亡を図る。部屋から出て行ったハレオの姿を眺めつつ妹が兄にしゃべりかける


「ねぇお兄。この子大変そうだね」


「そうだなマルカ。欠損した部分は治る希望が無いって聞いてるからどうするのか分からないけど多分……あの人は可哀想だとかの理由で連れて来たとおもうよ。

本人は気付かれ無い様にしてるみたいだけど人族の中でも凄く優しい人だしね」


「ハレオ様優しいもんね」


「そうだな。行く宛もない獣人の面倒を、使い潰しもせずに見てくれる人族は多分居ないだろうしね」


「優しいね」


「そう思うなら抱っこ位させてあげれば良いのに」


「ヤダ。恥ずかしいんだもん」


「そうか。まぁハレオ様なら何か考えがあるんだろう。この子が寂しい思いをしない様に側に着いて居てあげないとね」


「だね」


そんな会話が兄妹でされてる頃ハレオは宿屋のオヤジに話しかけていた


「うーす。オヤジ四人部屋ってあるかな」


「帰ってたのか。おうあるぞ。どうした人増えたのか」


「増えたと言うか増えると言うか難しい所だな」


「なんだ相変わらず良くわからん奴だな。ほれこれ四人部屋の鍵だぞ。階段登って突き当たりの部屋だ。あんまり汚すんじゃねーぞ」


「おっけー。あんがと話し早くて助かるわ」


そんな会話しながら部屋に戻り四人部屋に引っ越ししますと宣言し兄妹と少女を連れて移動する


「んじゃロウガん所行こか。馬房の方かの」


「はい。いつもの寝床に居られるとおもいます」


兄妹の返事聞きつつロウガのいる場所へ


「ロウガ」


「うむ。なんだ帰ったのか」


「つかぬ事聞くがロウガは回復魔法使えるのか」


「使えるぞ」


「それってよ欠損。なんて言えば良いか腕とか無くなっても生やせる位の回復魔法なのかな」


「ふむ。我は王であり魔法全般使えるが回復魔法は精々が傷治すくらいだな。我は特に傷付く事も無いし自己治癒力が他の種族に比べれば、圧倒的に高くあるから困らぬしな」


「やでな。何と無く攻撃力に全振りしましたみたいな感じやし無いかなと思ったけど、やっぱあかんか」


「んじゃまぁしゃーないか。皆の者聞けい。俺は数日後から約一月留守にする事になる」


「何処かへ出かけるのですか」


「マルロよ出かける訳ではないんやけど」


「小さき者兄マルロよ。此奴は誰ぞ召喚しようとしているのであろうよ」


「召喚ですか」


「マルロとマルカには見せた事無かったけど俺実は凄腕召喚士なんよ。ほんでやな凄腕なんやけどこの召喚使うと一月位身動き出来ん状態になるみたいなんよ」


「ではその身動き出来ない間のお世話をすれば良いのですか」


「いや身動き出来ない状態と言ったが俺自身には何も手がかからんのよ、詳しく説明すると召喚すると相手が出てくる、召喚相手が出てくると同時に俺が鎖に絡まれて見えなくなりその場から動かなくなる、そして召喚相手も俺の周囲から離れなくなる。その状態が一月って事やな」


「わかりまし……た」


「まぁちょっと意味分からんわな。で、やなマルロには多めの生活費わたしとくから、兄妹とロウガとあの少女それと召喚した相手のお世話をお願いしたいんや」


「それならわかりました。任せてください」


「それでやな召喚した相手は誰が来るかは分からんねんけど、俺の周りから離れられなくなるからその相手に合わせた食事を運んであげて欲しいんや」


「分かりました」


「まぁ大体こんな感じやな。んじゃ飯行く前にあの少女になんか食べさせてあげてからギルドにでも食いにいこか。ロウガもうちょい待っててな」


「うむ。我酒が無いなら暫し眠る」


いや、さっきまで寝てたんちゃうかーい。どこまでもフリーダム王やでぇ


宿屋のオヤジに


「オヤジお粥とかあるかな」


「お粥ってなんだ」


「米めちゃ茹でたやつよ」


あ、そう言やこの世界でまだ米食うてへんわ。米とかないんかな。


「あぁ分からんか。んじゃパンをスープで煮たヤツとか無いかな」


「パン粥なら作れるぞ」


「それお願いしますぅ」


注文して暫くするとオヤジが持って来たのでそのまま部屋に戻り少女に食べさせる


「少女よどないや。飯食えそうかな」


「うぅぅ」


火災に巻き込まれてるから喋るのもしんどいか


「あぁそんな状態やし喋られへんか。無理せんでええよ。お腹減ってるかどうか分からんけどパン粥もって来たから少しでも食べよ」


少女の頭を持ち上げるように抱えてスプーンを口に運ぶ


「どうぞ。ほれゆっくり食べよ」


一口二口と食べさせてると嗚咽が漏れる


「ええんよええんよ、そんな悲しまんでも。実はな、おっちゃん凄腕やねん。少女の明日からの未来が少しでも楽しくなるように頑張るからな心配せんでもええんやで。ほれ、お水も飲み」


お皿の半分ちょっとを食べた所で疲れたのか船を漕ぎながら眠ってしまう。少女をベットに寝かし部屋を後にする


「マルロよ。もし召喚があかんかったら当分の間あんな感じでご飯と多分トイレ関係もダメそうやからお願いできるかな」


「はい大丈夫です。頑張ります何の心配もありませんよ」


「そかぁ。無理せん程度で頼んどくわ」


「ハレオ様、私もがんばります」


「わぁ。マルカはしっかりさんやなぁ。これは抱っこしてヨシヨシしたらなあかんな」


「ヤー」


ありゃま。逃げられたが可愛いので悔いは無い


「ロウガ飯行くで」


「うむ」


ロウガに乗り三人ギルドへ向かう


「うーす。俺がきたでぇ。あ、ミーアやん。えっなんか昨日よりさらに可愛くなってないか。俺に会えるからってそんな頑張らんでもええのに。どんなミーアでも俺は愛してるんやで」


「うぜぇ」


おいおい最近ニャーがねーぞミーアよ


「ハレオよ酒はまだか」


クッ。あの呑兵衛狼め。今は俺とミーアのラブディスカッション中やってわからんのかい


「わかったわかった。今行くわ」


「あ、ミーア」


「何ニャ」


「愛してんよ」


「キモ」


ニャーがねーぞミーア


食事カウンターの方に移動してマスターに


「マスター。いつものやつ」


なんかバーに行ったら言ってみたい風の注文してみた


「いつものやつって酒か飯かどっちだ」


はぁ。ヤレヤレだぜ。こう言う時は無言でスッ。やろ。スッ。わかってねーなマスターよ


「いや何ちょっとイキってみただけやで」


「相変わらず楽しそうで何よりだよ」


「んじゃいつも通りワインと肉ねよろしくぅ」


「あいよ。ちょっと待ってろ」


三人と一匹で何時も通りわいわい食事をしながらふと思いつく。召喚する時に少女を草原まで連れていくわけやん、地べたに寝かすのもなんやし馬車買って片方だけ側面くり抜いた感じのを召喚後に置いとけばそこに寝かして治療も出来るし、召喚されて来る人か他の種族かなんかわからんけどその人も屋根のある馬車っぽいのが有れば、雨除けついでにそこで眠れるしええんちゃうか。我ながら頭の冴えに全能感漂っちゃうよね。ふふふ。これはもう勝ったな


「ふふふ。俺良い事思い付いたからちょっと出て来るわ。そのまま飯進めといてや」


「あ、着いていきます」


「マルロよすぐ戻って来るからそのままガロのお世話しつつ兄妹共にお腹いっぱい食べると良いぞ」


「では行って来る」


颯爽とギルドを出てジル様の店に向かう。こんな時はジル様の店で聞けば大体何とかなるだろ


ギルドを出て通りを歩きジルの店に入る


「ちわちわ。ジルさん居ますかぁ」


顔馴染みの店員が居たので尋ねる


「今日は会長仕入れに出てますよ」


なにアテが外れて困るんだが


「店員さんでも良いや。あんよ馬車って何処で売ってんの」


「馬車ならこの先少し歩いた右手側に店ありますよ」


「お、ありがとう。ちょい行ってみまふ」


「はーい。またお越しください」


軽く店員とディスカッションし教えられた場所まで歩いていると言われた通り見えて来た。

馬車屋か……元の世界で言う車屋かな、車屋なんかな。なんか違う様な気もするが気にしたら負けか


「こんちゃー。馬車ください」


「いらっしゃいませ。どんな馬車が良いですか」


「えと、どんなんありますかね」


「ここから見えてるのならどれでも良いですよ」


なるほど。やっぱ車屋と言うよりか大きめの中古車販売店みたいな感じやな。大きめの中古車販売店でいろんな車みてると中々楽しいもんやし馬車も楽しいな……いや馬車見ても大した違いないから楽しく無かったわ。もうこれで良いや。どうせ片側の側面くり抜いて椅子外してフラットにする訳やしそこそこ大きけりゃ大丈夫やろ


「すんません。これくーださい」


「この馬車なら金貨五十枚になりますね」


金貨五十枚かそこそこするな。いや安いんかな。なんか中古の軽四でボロボロでもこれ車検二年付いてて五十万なんすよー。って言われれば、うーん。まぁ安いわなまっすぐ走るんかなとか不安はあっても、金額的には安いなやけど。馬車の中古で金貨五十枚か。まぁ考えるだけ無駄か。だって馬車の良し悪しなんぼ考えてもわからんしな


「これって馬は付いてないの」


「そうですね。ウチでは馬車のみで馬は馬屋で買う感じですね」


なるほど。エンジン外した車が売ってる中古車販売店って事やな。全然イメージ湧かなくてウケる


「まぁ良いかこれ金貨五十枚です」


「確かに。ありがとうございます」


「これって加工出来ますか」


「職人が隣りに居るので出来ますがどんな風に致しましょうか」


「今こっちから見て屋根、ドアとか付いてる側面ですよね。この屋根残しで片方の側面くり抜いて中の椅子も取ってください」


「え。あのお客様。スカスカになってしまいますがよろしいのですか。まっすぐ走らなくなる可能性も御座いますが」


まぁ剛性の問題もあるやろうから、まともに走らん可能性あるわな。馬車も剛性とか計算されて作られとるんかな、わからん。謎やわ


「ええよ。んじゃすぐ出来ますかね」


「ええ。片方の側面くり抜いて椅子取るならすぐできますけど金貨十枚でよろしいですよ」


「んじゃこれ追加の金貨十枚で。明日までここに置いといてもらって良いですかね」


「確かに頂きました。良いですよ。では今日中に作業終わらせておきますので、明日引き取りに来てください」


「はーい。よろしくぅ」


うむうむ良い買い物したわ。これで明日はこれに少女乗せて草原までロウガに引っ張って貰って召喚で完璧やな。さてとギルドで軽く飲んで帰ろっと


夕暮れの町をギルドに向かって歩いて行く


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