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13. お世話係を探しに行く


「ふぁぁぁ。よく寝たわ」


昨日よほど疲れてたのか、それとも久しぶりに入った風呂が良かったのか、朝スッキリ目が覚めた


「そうや。ロウガの様子見にいかなあかんわ。腹減ったとかうるさい事言うてるやろうしな」


そうぼやきながら部屋を出て階段を降りて行くと、俺の顔を見た宿屋のオヤジが


「起きてきたか。馬房の方で狼がグルグルいってたぞ」


「やっぱりか。ちょい見てくるわ」


そう言い馬房の方へ回ると


「おはようさん。ロウガおきてたんやな」


「起きてるぞ。腹がへったぞ」


「やな。飯にしよか、こっちや」


ロウガを連れホールに入って邪魔にならない様隅っこの方に陣取る


「なぁロウガ。朝からでもいっぱい食えるんかの」


「我はいつでもたくさん食えるぞ」


わんぱく小僧みたいな事を言うのを聞き流し


「さいでっか。オヤジ飯十人前頼むわ。これ銀貨五枚ね」


「十人前ってお前…… 一気には無理だぞ。出来た分から持ってくるわ」


「それでええよ。よろしく」 


そう言うとオヤジは奥の厨房に入って行った。無理言うてすまんのオヤジ様よ


「さて今日は、ロウガのお世話係と魔物捌ける人を探しにいこうかとおもーとんねん」


今日の予定をロウガに告げると


「ハレオは捌かないのか」


「面倒やから無理やな」


「ならそのまま食えば良いでは無いか」


なんかサバイバルで極限状態になってる人みたいな事言うてくる


「あのな何の味も付いて無い肉食える訳無いやろ。焼いて味付けしてた方がロウガもええやろ」


「そのままよりそっちの方がうまいな。良いだろう」


「出来たぞ。肉と野菜炒めだ。取り敢えず五人前な」


そんなやり取りしてる間にオヤジの飯が出来たみたいや


「あざーす。ほらロウガ先に食わしたるから。あーん」


「うむ昨日の肉と違ってこれも美味いな」


「昨日も思ってんけど野菜入っとるけど大丈夫なん」


「まぁ気にならないな」


「ふーん。そんなもんか」


野菜は要らぬ。とか言うと思ったのに大丈夫らしい。雑食かよ


「ほれ残りの分だ」


ロウガと味の品評会をしてたら残りが出てきた


「あんがと。オヤジすまんのぉ。苦労を掛けて」


「気持ち悪いな変な物でも食ったのか」


食ったのはオヤジの飯だけだわ


そんなやり取りをしながらワイワイ食べて


「ごちそーさん。ほなそろそろ行くわ。ロウガのせてーな」


「仕方ないな」


そう言いながら宿を出て


「うひょー楽ちん楽ちん。まずジルさん所やからあっちの方や。ゆっくりやぞ。町中で飛ばしたら何言われるかわからんからな」


「ふん」


ゆっくり町を練り歩き少しするとジルの店が見えてきた


「こんちゃ。ジルさん居てますか」


軽く挨拶しながらロウガと入ると昨日の店員が居た


「あぁ昨日の…… 会長ですね。お待ちください」


二度目の来訪なので店員も驚かない。今日は驚かへんやん。とか思いながら待ってると


「昨日ぶりですなハレオ殿。本日はどうしましたか」


「不肖ながらこのハレオ交わした約束は守るタイプの男なのです。コレどうぞお納め下さい、ありがとうございました」


「おや。渡した分より多いですね……十枚ありますよ」


「いいんです利子ですよ。こんな何処の馬の骨か分からない男に貸してくれたジルさんにはお世話になったので、手持ちがあるうちに渡しとこーかと。実は昨日儲けたんです。おっきな蛇が狩れまして」


「噂になってましたね。ブラッディースネーク。ハレオ殿でしたか。そんなに急いで返して貰わなくても良いのですが…… 分かりました。受け取りましょう」


「ええ。是非お納めください。それとですね今日はロウガのお世話係と魔物捌ける人を探しているのですが心当たりありませんか」


「冒険者ギルドで募集って言う方法もありますが。そう言う事では無いんですよね」


「毎回募集かけて更新してと言うのは面倒なので他の方法ないですかね」

 

一拍間を置いてジルさんが


「でしたら奴隷が宜しいかと」


奴隷なぁ。元の世界の倫理観が邪魔して可哀想やなとしか思えんねんけど……


「そうですか奴隷ですか。わかりました。一回見に行って見ます。今回は、と言うか最初に助けて頂いてから今までお世話になりました。これからもジルさんの商店をガンガン利用するので期待しといてください」


そう言って店を出ようとするとジルさんが声をかけてくる


「ではでは期待させていただきますね。ハレオ殿ちょっとおまちを。これ私の紹介状です。これを見せれば少しは良くしてくれるはずです。店は此処とは反対の通りにありますので、良きお世話係が見つかる様に祈ってますよ」


「ありがとうです。では行ってみますね、また来ます。ほれロウガ行くぞ」


「狩りか」


「それはもうちょい後だ」


「ふん。早くしろよ」


「はいはい。えーと、この通りやからあれかな」


店を出て通りを進んで居ると入り口の前に体格の良い長い棒を持った二人の男が立って居る店が見えた


「こんちゃーす。此処が奴隷商店で、おーてますかー」


入り口前に立つ体格の良い男が


「そうだ」


「おっ。じゃあ此処やな」


「むむ……この広さの両開きのドアなら入れるか。ロウガ着いてくるかそれともここで待ってるか」


「此処で待つ」


何故か侍みたいな文言で門を塞ぐ様に伏せして待ち始める。隣に狼が伏せたのを見た門番が吃りながら聞いてくる


「お、おい。このなんだ。狼は大丈夫なのか」


「多分大丈夫ですよ。その持ってる棒で突いたりしない限り多分やけど大丈夫。なあロウガ、この人らに噛みついたりせーへんでな」


「ふん」


と言って鼻を鳴らすガロ


「暴れたりすんなよ。そんな訳で急いで居るのでそれじゃ」


「お、おい。ふんしか言って無いぞ」


なんか言ってる門番を突破して店の中に進む。まあ大丈夫やろ…… 多分


「すいませーん。身の回りのお世話係できる様な人探しに来たんやけど」


すると奥の方から胡散臭そうな太った男が声をかけて来た。


「これはこれは、いらっしゃいませ。この奴隷店の店主グリと申します。どんな奴隷をお求めですか」


こ、こいつ。ザ悪徳商人ですみたいな風貌でメチャ怪しいやんけ。これもーアレやろ。不法に人とか襲って奴隷にしたりする悪い奴隷商やろ。俺アニメでみたもん。

こっちに危害加えようとしたら、まず鎖出して動き止めてロウガ呼んでインフェルノ撃たそう。すまん。門番の男達よ。大丈夫と言ったがアレは嘘だ


「そうやなぁ」


何枚金貨あったかな。えーとジルさんに返した分と飲み食いした分であと三十五枚と銀貨か


「金貨三十枚で魔物解体できる奴か、身の回りのお手伝い出来るの探してます。あ、これジルさんの紹介状です」


「お預かりしますね。なるほどジル商会の会長直筆ですか、わかりました。では三十枚でお譲り出来る奴隷を紹介致しますのでご覧になってください」


店内にある階段を降りて進むと、檻の中に人間とか獣人が入れられて居るのが見える。檻に人を閉じ込めるとか、こいつ……やっぱり違法奴隷商なんちゃうか。

こんな光景見た事無いから分からんけども俺の勘がビシバシ訴えて来るよね。コイツは悪い奴隷商だってね。今か今なんか。いや待てまだ待て。


「お客様は、奴隷の種類に付いてはご存知ですか」


奴隷商人が通路を歩きながら聞いてくる。種類ね。あーアレね分かる分かる


「知らん」


「では、ご説明を。奴隷には罪を犯した犯罪奴隷。債務不履行や口減しによる普通奴隷。そして違法に捉えられた違法奴隷。おおまかに分けるとこう言う感じです」


口減しと違法って泣きそうや。元の世界みたいに穀物とかも機械式の作業や無いやろうから、え。機械みたいなの無いよね。

大量生産と大量保存出来んのなら、いや待てよ大量生産は無理でも保存の方はマジックバックとか言う不思議アイテムあるんやからイケるんちゃうかと思ったが、そうや高額なんやわな。まぁ無理かな。だから収穫量によっては食われへん様になるんやろな。はぁ…… 口減しがあるとか命の値段が安いんやろな。

薄々分かってたけど元の世界の倫理観残ってるから悲しいわ。はぁ……まぁしゃーないか。気を取り直そう。


「ではこちらに着いてきてください」


そう言うと奴隷商人が扉をあけ進んで行く。その後を着いて行くと左右が牢屋のようになってる通路を歩く。牢の中を見ながら歩いてると多種多様な男と女が並んでいた


「あの凄いスタイルのおねーさんは、なんぼなん」


「金貨百枚からですね」 


蛇二匹と考えたら安いんか


「へえー」


「女奴隷をご所望ですかな」


そんな事を聞いて来る悪い奴隷商


「うーん。ぶっちゃけどっちでも良い」


これはホントに今はどっちでも良い。生活もままならないのに夜のお相手専用買っても暮らして行けん


「そうでございますか。では今三十枚でお譲りできるのがコチラになります。狼族の十二歳の男です」


奴隷商人が牢屋の中から連れ出してきたのは、まさかの子供で獣人族。黒に近い灰色の獣耳が生えていて八割人間っぽい獣人。ははーん。そろそろ確定しそうやのぉ


「えらいちんまいけど子供やん」


「大きな声では言えないのですが。少し前に獣人族の国で大きな内紛がありまして。獣人族の国とは此処の国から北に何個かの国を経て抜けた先にあるのですが、そこで被害にあった村の生き残りらしいのです。それが流れに流れてここにまで。子供なので力仕事には向きませんし。子供の男奴隷は中々買い手がみつからないのですよ」


ふーん。同族同士で争うとか戦国時代みたいなもんかの。何処の世界も争い事あるんやな。被害を被るのはこう言う力弱い人達なんやけどなんか悲しいわ


「狼族の子供よ。魔物の解体はできるか」


「出来る」


ええ。目のハイライト消えとるがな大丈夫かな


「奴隷商よ。元気なさそうだが病気とかなのか」


「病気ではないのですが」


病気と言うか元気無いだけかの。いや…… こんな場所に閉じ込められてるのに、僕奴隷です、やっほーっ。とか元気一杯でもそれはそれでなんかヤバいからこんなもんか


「ふーん。じゃあ良いか買うわ」


「ありがとうございます。では隷属魔法で契約するのでコチラへどうぞ」


隷属魔法使えるとか中々やるなお主。とか考えてると狼族の子供が


「人間の男。俺は人間には屈し無いぞ」


「ええ。こんなパターンあるの。マジで言うてるんか狼族の子供よ」


「狼族は人間には屈しない」


「はぁ。マジか。ほなこうしよう狼族の子供よ。自分の意見を言えるだけの知恵があると思うから聞くが、此処から自力で出る及び逃走できる当てはあるのか」


「今は無理だ……」


「やでな。それがわかる位の頭があるなら選択肢をやろう。俺が買うのをやめるか。もしくは狼族の子供よ君の値段は金貨三十枚だ。お前を買った場合お前の命。例えば魔物に突撃させるとかのお前の命が危険に晒される様な事は命令しないと誓おう。そして晴れて金貨三十枚分を勤めたら奴隷から解放してやろう。

その後は村を襲った奴に復讐するも良し。

獣人国に帰って王の椅子を簒奪するも良し。

はたまた奴隷にされたと人族を逆恨みし暴れまくるも良し。

どうだこの条件で。俺が譲れるのはこれ位までだ」


この少年めちゃ悩んどるけど方法無いと思うんやけどな。そりゃ思う所あるやろうけどなぁ


「一つ頼みがある。いやあります。妹も一緒に買ってくれませんか」


「え……妹もおるんか」


奴隷商人が口を開く


「はい、居りますよ。連れて来られた時二人で来ましたので。しかし女なので……何をとは言いますまいが幼い子供と言えども買手は付くのです。子供と言えど、金貨二百枚しますよ。白金貨二枚ですね」


高っ!二百万やん。ん……頭無し蛇が五十万やから四頭分。感覚的には高くないんかな?

うーん。ロウガのおかげで蛇すぐ倒せるから感覚おかしくなっとるんかのぉ。にしてもどこの世界でもヤバい奴おるんやな。そんな変態見っけたら鎖とインフェルノのコンボ喰らわして消し炭にしてやんよ


「はぁ。お前知ってて言わんかったな」


「いえいえ金額お伺いした所この奴隷しか買えないと思いましたので」


こ、この悪党商人め


「そっか。そうやでなそう言うわな。二百枚か…… 奴隷商よ。残念ながら今は手持ちが無い。

そこで相談なんだが一日この子らを売らないでくれないか」 


「良いですよ。ジル商会会長のお墨付きなので待ちますよ」


「助かる。ほな狼子供よしばし待ってろ」


はぁ。気重いわ。まぁ蛇かなんか狩るしかないわな。と考えながら店の外まで出るとロウガが声を掛けて来る


「遅いぞ。 む、何だやけに元気が無いな」


「人間の機微が分かるとは。やるな王よ。はぁ。この世界の命は値段が安いな。異世界やからこんなん考えてても仕方ないし取り敢えず稼ぎに行くかね」


そう安いんよ命の価値が


「狩りか」


「そう言う事、運動タイムや。森行って蛇でも倒そうか」


唸っても悩んでも現実変わらんのやから、やれる事やるしか無いわな。


「あいわかった」


狼に乗った男が森の方へ向かって行った

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