訓練
まず、気術の習得以前にやるべきことがある。白狼状態で扱える魔力を増やし、吸血鬼状態での肉体的な動きをもっと活発にできるようにする。
これができるようになれば吸血鬼化したときに行動を制限されることもない。どちらかと言えば苦手な方の吸血鬼状態を、白狼状態と道央に動けるようになれば、かなり勝率は上がるだろう。まぁそれでも、せいぜい数パーセント上がるくらいだろう。
ほぼ負けるとわかっている。ベルが五分五分っていうってことは、本来の俺の勝率はゼロに等しい。以前、リーパーとの戦いで見せたベルの動き。全てに無駄なく、最小限の力で最大限の力を引き出していた。楽しんで戦っていたが、ベルにとっては赤子の手をひねるよりも簡単な相手だったのだろう。
初手から訳が分からなかったな。いつの間にか手に鎌を持っていたし、透過で裏に回り込まれたのに、
0,1秒もせずリーパーをしとめていた。訳が分からん。
いや、考えても無駄だ。ベルの動きを模倣しようとしたって、俺にはできない。体が追い付かないだろうしな。
なら、自分なりにどう敵を倒すかイメージするだけ。想像しろ、自分の勝つ姿を。
まずはリーパーだ。ベルは何でとどめを刺していた?魔力を大量に込めた魔血の斬撃で、真っ二つにしていた。つまり、リーパーは魔力に弱い。特に聖職者の魔力なんかは弱点になりうる。
シンプルなアンデッドってわけか。なら、通常攻撃でも倒せたはず。でもあのリーパーはな無かった。ベルの動きを思い出せ。まねできなくてもヒント位はある。
ベルの動き、あれは本当に魔力を鎌に込めていたのか?どちらかと言えば分散がひどかった。ってことは、魔力で相手を覆い、そこを一撃で追撃ってことか。わかった。
魔力を分散させ、どこに行ってもベルの魔力が付着するできていたんだ。だから一瞬の裏どりにも対応できたってわけか。一瞬でもそこを通れば魔力の揺れによってベルにばれて終わるからな。
「よし、俺もやってみるか」
トライアンドエラーだ。やってみなきゃわからない。だから俺は、全力であの過去の怪物を殺す。一人でもだ。
よし、できることからやってみよう。まずは指輪。この指輪でどこまで魔力量を増やせるかが問題だ。以前やったときはかなり増えたが、今はどうだろうか。
白狼状態で魔法を放つ場合かなり魔力操作に抵抗がある。それを直すためには俺の魔力操作の精度をもっとあげるか、操作の精度を無視して魔力量によるゴリ押しをするかの二択だ。だが、正直精度を上げるのが最優先だろう。白狼状態で高精度の魔力操作ができたら吸血鬼化時でもさらに力を発揮できるかもしれない。
……そういえば、ステータスがどうこうとか言っていたな。少し見てみるか。
俺はその場でステータスを開き、スキルレベルを見た。
「魔力操作 Lv10……?」
これってどこまで行けばマックスなんだ?
流石にLv10がマックスなことはないだろう。となるとまだまだ余地はありそうだな。
そういえば、今の俺のレベルってどのくらいなんだろう。前見たのはかなり前だし、千くらいは行ってるかな。
アルフレッド・クランフィルド
Lv 1500
ステータス
全てにおいて表示不能
スキル
魔力操作 10
魔力強奪 28
刀剣術 20
体術 20
血術 60
白狼化 10
吸血鬼化 0
保持スキルポイント 180000
レベル自体はいいとして、吸血鬼化が0?俺、全く使いこなせてないってこと……?




