新人訓練
俺と亮が学園に戻り報告を済ませてから約2時間。俺の目の前には、篠川君と先ほど名乗っていたラルクという少年がいた。なぜだかわからないが、篠川君はすでに刀に手をかけている。ちょっと早とちりしてないか……?
「それで、ラルク君は俺たちの剣技に見惚れたとか言っていたけど、剣の流派とかはあるのかい?」
「はい!剣はレウッド流剣術を使用しています!父がローズレイン西区防衛軍 レウッド隊長と縁があり、その方の家で継がれている剣術を教えていただいた次第です!」
レウッド?どこかで聞いた気がするんだが、なんだったか……。あ、思い出した。あの元令嬢の女性兵士だ。確かフルネームは、アイドレット・クラナ・レウッドだったっけか。長い名前だな。華にもミドルネームみたいなのあるし、こっちじゃ普通なのかな。
「レウッド流剣術は、お二人が使われていた剣術とは違い、型の一つ一つが分かれています。流れで着くというより、状況を見極め最適な一撃を出す。これがレウッド流剣術と言われています」
ずいぶん生き生きと語るが、やはりそれほどの自信があるのだろうか。だがまぁ、なめてかかって足元救われるのだけはごめんだからな。ここはひとつ、失礼の内容に相手しなければな。
「レウッド流剣術についてはよくわかった。それじゃあ、君の実力をしっかり見せてもらおうか。篠川君、審判お願いね」
「わかりました」
乱桜流剣士として恥の無いよう、精一杯やるとするか。
「じゃあラルク君。定位置について。それじゃあ、対決を始めさせてもらう」
「かしこまりました。全力で行かせていただきます!」
「では、両者位置について。では、はじめ!!」
「レウッド流剣術 一式 閃斬!!」
篠川君の合図が訓練場に響くとともに、初手からガン詰めしてきた。下から上に剣を斬り上げ、直ぐに顔めがけて突き技が放たれる。さすがに今のはぎりぎりだった。さて、、俺もギアを上げよう。新入生に現実を見せてやらないとな。
「手加減なしで行くからね!」
そして俺とラルク君の戦いは始まった。




