親は強し。(物理)
第一章 7話です!
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「さぁ、準備は良いか?全くこの森について説明はしてなかったけど、ここは6つの国の中心にある大森林、通称、悪魔の大森林って呼ばれてる。並の冒険者じゃ入ることすら禁止されてる森だ。手加減はしない。最速で森を抜けるから、付いてきなさい。これに付いてこられたら、試験合格ってことで。」
Оh My God。なんてこったい。元最強の冒険者についてこいだって?いくらレベルが上がったといえど、母さんについていくのはいくらなんでも厳しい。
「忘れ物はない?アル、装備はつけた?白狼の指輪と吸血鬼の刀」
「持ったよ。刀は腰につけてるし、指輪はつけてる。一応聞いておきたいんだけど、この指輪と刀はどんな力があるの?」
「……そのうちわかる。というしかないね。その二つの力は強大だから、魔力でおおって隠しておきなさい。もしかすると、魔物がそれを狙って襲ってくるかもしれない。昔、私が指輪を装備してた時もたまにあったし。」
なんつー強大なものを誕プレに選んでんだこの人は。母さんが強かったからいいものの、もし普通の人間が持ってたら大変なことになってたな。魔物のレベルによっては、俺だけじゃなかなか倒せないやつも出てくるだろうし。
「わかったよ。で、この刀の方は?」
「それは俺が昔使ってた刀でな。俺の血と混ぜて作った刀だ。キールが使ってる短剣も、俺の血が混ざってる。ヴァンパイアの血というのはとても強力でな。武器に合成することで武器の威力も変えられるし、
ブラッドスキルを持っていれば、自分の好きな形にできるからな。」
なるほど。正気とは思えない刀の作り方だな。マジでよくわからんが、強いということはわかった。
「さあ、そろそろ行くぞ。町へは俺もついていく。」
「わかったわ。戸締りお願いね。」
父さんもついてくるのか。……最強パーティー爆誕してねぇかこれ……まあいいか。
「じゃあ、頑張ってついて来いよ!位置について、よーいドン!」
「ちょっ、いきなりじゃん!」
母さんが掛け声を発し、家族全員がスタートした。ドン!といった時には、母さんと父さんは目の前にいなかった。奥を見るともう豆粒のようだった。
「アル。俺らもいくぞ。スキル使わないとおいてかれる。ブラッドスキルの応用だ。体内の血に魔力を混ぜろ。じゃ、先行くぞ。」
とんでもない衝撃波を放ち兄貴がスタートした。俺も行くしかない。体に魔力を巡らせ、足に集中させる。俺のできる限りの速さで、母さんたちに追い付く!
「待ってろ3人!」
俺は思いっきり地面をけり、かなりの速さでスタートした。多分だけど、昔乗った新幹線の窓から見る景色よりも何十倍も速いと思う。魔力を巡らせてるおかげで、目をよーく凝らすと何百キロ先も見えるようになった。少し目を凝らしてみると、兄貴が母さんたちに追い付きそうなのが見えた。
「俺も負けてらんねえな。」
俺は自分の足から爪を出し、地面をしっかり踏み込んで走った。兄貴にはあと数百メートルで追いつく。そう思った時、前にいた母さんたちが止まって、兄貴も止まった。敵が来たのかと思ったが、どうやら違ったらしい。
「やぁっと追いついた。」
少ししてから追いつくと、目の前には大きな城壁が作られていた。
「やっと来たか。着いたぞ。ようこそ、我が母国ビーストランド王国へ。」
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