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とんでも実験


 無限に魔力を生み出す指輪、そして使うためには膨大な魔力を必要とする刀。この二つを合わせれば、この刀の力を限界まで引き出すことができるんじゃないか?


(ようやく気づいたか小僧。その指輪と刀の謎解き明かすまでにどれだけ時間かけんだよ。おかげでこっちは存在すら忘れてたぞ)


(あぁ、そういえばそんな物作ったな。というか、俺とルキはその刀と指輪を作ったから死んだようなものだよな?)


(あー、確かそうだったな。まぁどうせ転生できるしそろそろ寿命来そうだったしで、せっかくなら命全部賭けて作ろうぜってなったんだよな)


……なんとなく想像はついてたけど、まさか本当に作ったのがこの人たちだったとは。まぁでも、初代から継がれてる指輪って言ってたしな。刀の方はあんま知らないけどさ。


(じゃあ、二人とも使い方わかるの?)


(いや、俺は忘れた)


(……まぁそっちは期待してないからいいや。ベルの方は?)


(俺はどっちも覚えてるぞ。指輪の方は、赤色の魔石に吸血鬼の魔力が込められている。そこに吸血鬼化したお前の魔力を流せば、無限の魔力が放出される。そして、刀の方は考えている通り魔力を異常なほど消費する。一回でお前の魔力の半分は消えるくらいだ。だが、その力は確かだ。俺が保証する)


やっぱすごいなこの人。何千年も前だろうにこれ作ったの。正直二人とも覚えてないものだと思ってたよ。


(教えてくれてありがとうベル。二人に聞きたいんだけどさ、この二つを合わせた時の威力ってこの訓練室なら耐えられると思う?)


というか、耐えてくれないと困るんだけどな……。この訓練室は最高硬度と謳われるアダマンタイト鉱石でを使用しているため、これが耐えられないのであればもう後がないのだ。


(どうだろうな。最後試したのはオリュクシス魔鋼で作られた部屋で試して、全開でギリ耐えたからな。まぁ今の小僧程度の魔力なら、アダマンタイトでも大丈夫だろう)


……聞いたことない鉱石出てきたよ。もうなんなんだよこの人たち。オリュクシス魔鋼って。チート系かよ。


(オリュクシス魔鋼っていうのは、アダマンタイトとオリハルコンの混合物だ。史上最高の硬度を誇る鉱石だ。昔からだいぶ時間たって、今はもう見ないらしいな。見ないというよりかは練成できる鍛冶師や錬金術師がいないっていうのが正解か)


そりゃ知るわけないわ。誰も作成できなくなった鉱石なんてなぁ……。まぁ、一旦それは置いといて。


(俺くらいの力ならここは安全なんだな?)


(あぁ。小僧程度なら大丈夫だ。思い切りやってみろ)


よし言質とった。あとでなんかあったらこいつらのせいにしよう。


さて、やるか。吸血鬼化は完全じゃないが、ある程度はできるからそっちで行こう。まずは半覚醒。

この状態までもっていって、指輪に魔力を流す。そうすると、赤い魔石が反応し指輪の柄に沿って光を放ち始めた。そして突然、大量の魔力が体に流れ込んできた。


「くっ!」


いきなりあふれ出し、体が押される。一旦これを吸収しないと。


「魔力強奪」


あふれ出す魔力を奪い、丁度良さそうなところで魔石の効果を止めた。……よし、やるぞ。目標は前にある人形。あれをめがけて刀を振り、斬る。


行くぞ。乱桜流 八の型


残桜 真(ざんおう しん)


この型は乱桜流の技の中で最速の技。敵の間合いに最速で踏み込み、左下から斬り上げその勢いで体を捻り首を狙う。初撃が当たらずとも追撃で確実に仕留める技だ。


そしてその変化版、真は同様に速さがいる技だが、これは間合いに入る速さではなく初撃を当てる速さが必要になる。誰よりも早く鞘を抜き、音よりも早く首を落とす。それがこの技だ。


「はぁぁぁっ!」


俺が放った斬撃は、ただ中央に突っ立っている人形の体を真っ二つにしたかのように見えた。だが、ちがった。変化が起きたのはコンマ数秒後、一瞬ただの斬り技だと思った次の瞬間、人形が吹き飛び、尋常じゃない風音と共に血の斬撃が壁と人形を斬りつけた。


「……は、ははは……。何この威力」


自分が一番驚いている。なにせアダマンタイトの壁が簡単にへこんだんだもの。へこんだというか、斬撃で壊されたな。


これは、扱いに気を付けないととんでもないことになるぞ……。

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