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料理と予定


 (いや、ちょっと待ってよ兄さん。そんなわけないでしょ?)


そんなまさか、噂が学園の外にまで広がっているわけないだろう。広まってもせいぜいダンジョン付近だろう?そこまで広いわけがない。


(さすがに嘘だよね?そんな広範囲に広がってるわけないじゃん)


(嘘も何も、広まってんだからどうしようもないぞ。懸念すべきは学内ギルドだけじゃない、他の勢力がお前たちに目をつけるかどうかだな)


(他の勢力って何?)


(知らないのか。最近話題になってる「トルスノフ教団」とかいう謎勢力。俺もよくは知らんが、最近信者を増やしているらしい。気になってちょっと調べてみたら、どうやら土地神を崇めているようでな。その信仰心を逆手にとって信者にとんでもない事をさせているようだ)


とんでもない事?麻薬とかオクスリ系なのか、もっと大掛かりな殺人とかの犯罪か。まぁどちらにせよ、あまりかかわりたくない存在ではあるな。華と亮の安全のためにも。


(わかった、教えてくれてありがとう。最後にもっかい聞くけど、噂が広まってるのは学園周辺だけだよね?)


(だから、レオグリニアを囲む町には大体広がってるって。往生際が悪いなお前も。あきらめてギルド活動頑張れよ)


嘘だと言ってほしかった……。さすがにそこまでの想定はしてないよ……。


(嬉しい悲鳴だな。じゃあ俺は一旦そっち戻るから。あ、それと俺もアルのギルド入ってもいいか?)


(いいけど、これまた急になんで?)


(いや、ちょっと面倒なことに巻き込まれそうな予感がしてな。鼠やら鳥やらで情報網はいっぱい張ってあるが、やはりアルの所が今一番話題になっててな。もしかしたらだが、父さんや母さんレベルの化け物じみたやつらが襲ってくるかもしれないし)


父さんや母さんレベルの化け物が襲ってくる?……よくわからないが、まずいってことはわかったな。兄さんと俺が全力で戦っても、母さん一人に勝てるかどうか怪しい。と言うか今の段階じゃ無理だ。ベルに変わったら可能性はあるけど、それでも俺の肉体強度じゃ体が先に壊れるだろうな。


(わかった、警戒はしておく。兄さんはいつ頃こっちに来るの?)


(明日にでも向かう。それじゃ、またあとでな)


にしても、母さんや父さんレベルの化け物なんてそうそう目にするもんじゃないと思うんだが……。

クロハみたいに黒龍が襲ってくるとなと話は別だけど。


「りーん!今日はみんな旧校舎で寝泊まりするって―!久々にさ、凜が料理作ってよー!」


「はいはい、ちょっとまってな!オムライスでいいか?」


「大歓迎!久しぶりの凜の料理だ!」


「え?アルフレッド君料理できるの?」


「まぁそれなりだよ。じゃ、一旦ランチルームに行こう」


全員で移動し、俺は厨房へ向かった。ここの料理人も雇うことを考えないとな。さすがに俺たちだけで回すってのはしんどすぎるだろう。6人分の料理だって正直やりたくない。とか言いながらもうチキンライス作り始めてるんだけどね・


「誰かいい料理人居ないかなー」


「料理人ねぇ……ローズ家の料理人呼び込んでみようか?」


「別に三ツ星レベルが欲しいわけじゃなくて。超短時間で大量に用意できる人が欲しいんだよね。長期休暇入ったらほとんどの人がここに通うか寝泊まりする人だっているはずだ。その時に面倒がないようにしたくてさ」


「まぁ、明日にならないとわからないよ。明日ギルドオープンなんでしょ?今日のうちに部屋割り決めておかないとね。僕は凜と同じ部屋で寝るから、華は一人で部屋使っていいよ」


「なんですって?!私が凜と寝るの!亮こそ一人で寝なさいよ!」


「嫌だね!僕が先だったもん!」


なんで二人はこうなるんだか……。てかなんでどっちかが俺と寝ることになってんだよ。一人で寝かせてくれよ。


「悪いけど、俺は一人でn」


「「凜は黙ってて」」


「……はい」


喋る隙も与えないってか。俺の権利は何処へ……。まぁいいとして、明日のことについてだ。


「さて、オムライスもできたし食べながら明日の内容について話そう」


「やったー!ご飯だ!」


「初めてアルフレッド君の料理食べる気がするよ」


「まぁそりゃふるまった事無いからな」


「にしてもうまそうだな。もう食っていいか?」


グレンはどんだけ腹空かせてんだよ。待てができない犬みたいになってる。


「はい、じゃあ手を合わせてください。いただきます!」


「「「「「いただきます!‼」」」」」


まぁまぁ時間がかかっちゃったな。さすがに6人分作るとなるとしんどいな。


さて、明日やること決めないとな。荷物やらいろいろは寮に置いとくとして、設備の点検も部屋確認の流れで済ませてある。となると残るはギルドの広告と制服だな。制服はさっき華がデザインを完成させてたし、あとは服の種類だ。


「みんなはギルドの制服で着るならどういうのがいい?パーカーっぽいのか、普通のTシャツか」


「パーカーを制服になんてできるのかしら?まったく見たことないけれど」


「まぁ最低条件が左胸にギルドマークと、背中に着る人の名前とエンブレムの拡大したやつをつけろってことだからな。それをクリアしてたらいいんじゃないか?」


そんな条件あったのか。普通にそれっぽければいいもんだと思ってたな……。左胸にマーク、背中にエンブレムと名前ね。どうせなら創設者6人の特別ユニフォーム作りたいな。それにランクごとに分けれるようにするってのもいい。


「あーだめだ、やりたいこと急に増えてきたから今日は一旦寝て、明日まとめた内容を話そうと思う。てことで、明日の朝9時に会議室に集まって。がっこうの授業が終わる16時までに全部終わらせようと思ってるから、今日はしっかり休んで明日に備える事。じゃ俺は食べ終わったし寝るわ。俺一番端の部屋使うからあとは好きに決めてくれ」


「はーい、あとで部屋行くねー」


「僕も―」


「私も行こうかしら」


「俺もいかせてもらおうかな」


「僕もお邪魔しようかな〜」


「来なくていいわ!全員黙って寝ろ!」


俺はそのまま部屋に戻り、ベッドに倒れ込んだ。シャワーは済ませてあったし、疲れが以上に溜まってたからそのせいだろう。今日はすぐに寝ることができた。

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