面倒な事。
「……あれ、ここは?私どれくらい寝てた?」
「よかった、気が付いた?言っても数分よ。私たちのレベルの話したときに3人とも泡吹いて倒れちゃったんだから。もー、ほんとに焦ったんだからね」
「お、目覚ましたか。お茶ここ置いとくから、落ち着いたらどうぞ」
アデリーナ、グレン、アルスの三人が倒れてから数分、俺たちの部屋に運び、一旦落ち着かせた。結局、
ギルドの拠点についてはまだまとまっていない。悪魔の森に立てることも考えたが、危険すぎるんだよな。
俺の家は、父さんの防護結界が常時発動しているからある程度安全なだけで他は全くそうではない。となると、やっぱり学園内に作るに限る。先生に空き部屋を確認してみようかな。
「とりあえず、皆はここで休んでて。一旦先生に相談してくるから」
「りょーかい、レベルの話とかはまた後ででいい?」
「うん、一応」
俺はそのまま外へ出て、職員室へと向かった。気になることがかなり多いから、一度頭を整理したかったのもある。まずレベル。今までまったく気にしていなかったが、どうやら結構重要だったらしい。
(ちょっと待った小僧。お前ほんとになんもしておらんのか?レベル上がるたび、何かしら能力が絵に入ったり、少なくとも確認位するだろう?)
(いや、マジでめんどくさすぎてなんも確認すらしてないんだよね。魔力吸収を強奪にした時だって全く気にしてなかったし、存在すら忘れかけてたよ)
(お前……本当に馬鹿か?というか化け物か?ステータスに一切ポイントを割り振らずにあの強さを持っているのか?)
始祖様二人まで驚いてるよ。そんな重要なもんならもっと説明してくれたっていいとは思うが……。まぁ気にしたってしょうがないか。一旦今は別の事だ。
「失礼しまーす、レン先生いらっしゃいますか?」
「はい、どうかしましたか?アルフレッド君」
いつになく元気なレン先生が少し小走りでこっちにやってきた。
「先生、どうしたんですか?何かいいことでもあったんですか?」
「わかりますか?なんとですね、以前のダンジョンでの生態についてアルフレッド君の報告をもとに詳しく研究したんです。それを論文として提出した結果、かなり評価されまして。今度多くの学者の方と話すことになったんです」
「なるほど、それでウキウキだったんですね」
Ⅽ級ダンジョンに出たリーパーの話や雑魚の湧き方が異常だったことについて書いたんだろうが、やっぱりダンジョンは謎が多すぎるな。
「で、用件は一体?」
「あ、そうでした。僕たち、ギルドの設立条件を満たしたはいいんですけど拠点がなくて。どうしようか迷ってたんですが、どこかに借りられる空き教室とかないですか?」
「それなら、もう手配してあります。如何せん論文が忙しくて、お伝えするのを忘れてました。正門からすぐ右奥に行くと旧校舎があるので、そこを使ってください」
旧校舎……かなりの大きさだけど、6人だけで使うには少しデカすぎる気もするな。
「旧校舎のどのあたりを使えばいいんですか?さすがに全域を使うわけにはいかないでしょうし」
「いえ、全域です。もうすでに清掃は終了してますし、設備も新しく取り換えてありますよ。校内にうわさが広がってるの、知らないですか?1年Sクラスの生徒たちが死神を殺したって広まってますよ?もちろんその人達がギルドを作るというのも広まってますので、応募数が尋常じゃないことになると思います。まぁそこのところは私も口出しできませんので、頑張ってください」
「え、ちょ、先生?マジで言ってんですか?」
まさか学園内にうわさが広まるとは。冒険者ギルド程度で収まるかと思ってたのに。これはめんどくさい事になって来たぞ……。




