レベル1000オーバー
翌日、朝になるとすぐに教室に6人で集まり、ギルドの事について話し合った。話した内容は、ギルドの拠点をどうするかだった。
「えー、お気づきかもしれませんが、拠点がございません。どうしよう」
「まぁそりゃ条件だけ見て突っ走っちゃったからねぇ」
「しょうがないっちゃしょうがない。学園内になんか活動場所ないかな~、学園長に聞いてみるとか?」
まぁできなくはないんだよな。俺たち招待されてここ来てるわけだし、聞いてみるだけでもいいんだけど……なんかやだよなぁ。すんごい権力乱用してるみたいな感じするし……。
「なんか困ってるのか?アル」
「うわぁ!!って、兄さんか。そーなんだよね、ギルドができる条件はそろったんだけどさ。拠点がなくて」
「なるほどな。なら、作ればいいじゃないか。郊外に」
町の外に作るのか。できれば学園内に作りたいっていうのはあるんだけど、サイアクそれもありだよな。
「町の外に作るのはいいんじゃないかなほかのギルドとの対立を避けれるし、レベリングもしやすそう」
「レベリングって、なんの話?」
「え?アルフレッド君、レベリング知らないの?」
「ちょっと待ってくれ、冗談だろ?」
「凜、ほらあれだよ。ステータス」
あ、思い出した。なんかそんなのあったようななかったような……。結局家で確認して以来まったく見てなかったもんな。
「あー、そういえばそんなのあったよね。気にしてなかったけど」
「気にしてないって、普通あれを見てどのくらい強くなったとか確認するでしょ?!それに、レべれを上げたらポイントだってもらえるんだよ?!」
「ポイント?なんに使うのそのシステム。華とか亮は知ってた?」
「いや?ただ何となくレベル上がってるなーってだけで、自分の体に変わった感じはしなかったけど」
「私も。聖女として色々やってるうちにレベルはいっぱい上がってたみたいだけど、何したらいいかよくわからなくてずーっと放置してたわ。誘拐される前に見た時は1000ぐらいだった気がするわ」
「僕も確かそのくらいだったかな……勇者として色々やってた時にダンジョン回らされたからね」
「……えっと、1000?」
「うん。凜はもっとあるでしょ?」
「うーん、亮たちに会うために家を出た時が3000くらいだった気がするなー……。まぁぶっちゃけそのあとから数字が大きくなりすぎてめんどくさくなっちゃって、ステータス開いてすらいないんだけどね」
しばらく開いてないな……。と言うか、家出てからた結構日にちがたってるんだな。もうそろ1年くらいたつんじゃなかな。
じゃあそろそろ一旦家帰らなきゃなのか……遠いな。ビースト・ランドからローズレインまで、馬車で3日。そこからここイーリア王国までは4日だから、計7日か……走って帰ろうかな。
「おーい凜、何考えてんの?それより、アデリーナとアルスが泡吹いて倒ちゃったわよ?」
「え?ってうわ、マジじゃん。一旦亮に運ぼう。亮、アデリーナを運んでくれる?俺はこの男二人持ってくから。それと兄さん、近々予定を開けておいてほしいんだ。家に顔出さないと」
「あぁ、そうだな。じゃあとりあえず、クロハをこっちに呼んでくるな。移動ならアイツ使った方が楽だし」
「いいけど……また変な気を起こさせないでよ?」
「わかってるよ」
兄さんはそういうと空を飛び、去っていった。もう吸血鬼としての才能が開花し、かなり便利な能力を手にしているようだ。
「ちょ、凜‼アデリーナがやばい!」
「わかった!寮まで急げ!」
焦った俺たちは、速攻寮へと戻っていった。




