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ダンジョン攻略完了

 

 俺はそのままダンジョンを散策していた。リーパーを倒した今、周りになんの魔物もいないのだ。

にしても、魔物が出てこないダンジョンって何なんだ?普通、リーパーみたいなのが現れたらスタンピードでも起きることが多い。それなのに、今は何にもいない。それどころか、リーパーを倒したあたりから、魔力の濃度が下がって行っている。どういうことだ?


「んー……なぁ、なんかわかるか?二人は」


(そうだな……小僧の魔力強奪が発動しているわけではないだろう?となると、このダンジョンの本質である可能性が高い。リーパー、あれは基本BからAランクのダンジョンに出る事が多いとされる魔物だ。だから、保有魔力量も相当な量になる。魔力濃度が比較的低いこのダンジョンでは、まず生成される確率自体が非常に低いはずだ。小僧、ダンジョンに入ってから20層までの魔物たちの強さはどれくらいだった?)


「全く強くなかった。アルスやグレンが小指で倒せるくらいだったよ。華が物理で行っても倒せるんじゃないかって思ったくらいだ。30層のボスも、亮が一人で倒せていたし。ただ、破壊の三岩が落ちてたのは覚えてるでしょ?あれだけは引っかかるんだよね」


あの岩。本当にドロップ品か?ただのスケルトンキングからあんな効果力の岩がドロップするか?しかも、破片だぞ?ちょっと待て、あの岩時間差で発動するんだよな?そのラグによっては、結構話が変わってくるぞ。


「なぁ、破壊の三岩について知ってることを全て教えてくれ。それによっちゃぁ、これはただのダンジョン攻略じゃなくなる」


(何かに気づいたようだな。まぁ、まずは岩について話すとしよう。破壊の三岩は、名前の通り三種存在する。聖女などだけが発動できる、神聖力で発動する物、人間の魔力で発動する物、そして邪力で発動する物。この三種がある。それぞれ時間差で発動するが、どれもこれもその力の大きさが関係してくる。

例えば、小僧のような莫大な魔力の持ち主が全力で力を込めたとなれば、瞬時に崩壊レベルまで持っていけるだろう)


なるほど……たった今、疑問だったのが確信に変わった。このダンジョンに漂う魔力は、濃度が高いだけで会って邪力じゃない。神聖力は華が持っているが、あの石に触ってはいない。そして何より、あの石を触ったのはグレンだ。俺が魔力を込めてやっと爆破にまで持っていけるような石を、魔力がそこまで多くないグレンがあの秒数の間で爆破できるわけがない、。


つまり、あれは俺たち以外の誰かが、故意に仕掛けた最低最悪のトラップだったってわけだ。


(なるほどな……お前、意外と頭切れるんだな。俺ァ驚いたぜ)


ルキードがバカにするように笑う。なんか腹が立つが、今はそんなこと気にしている場合じゃない。すぐに戻ってこのことを知らせないと。30層の転移陣に戻ってからの方が速いか?


(小僧、お前このまま最下層まで突っ走ってしまえ。そうすれば、学内ギルドとやらの条件も突破できる。最も、あの教師がどう考えるかだが)


確かにそうだな。さっきから何回か下に降りているが、全く魔物に遭遇しないし。そうしよう。


俺は40層まで一気に走り、ボス部屋の前まで来た。勢いでボス部屋の扉を開ける。そこには何にもいなかった。いや、いたというのが正しいのだろう。ここに少しだけリーパーの瘴気が残っている。


「あのリーパー、ラスボスだったのか」


(なるほどな、ダンジョンの性質である下に行くにつれて魔物が強化されていく、というのがリーパーに詰め込まれたのか。やれやれ、実に厄介だ。ほら小僧、さっさとその手に陣で現世に戻れ。皆を待たせているぞ)


「ああ。急ぐよ」


俺は転移陣に手をかざし、魔力を流して地上に転移した。速く先生に、このことを伝えに行こう。


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