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入学式で……

久々投稿です!お待たせしました!

 「これより、第120回入学式を始めます。

       初めに、在学生代表挨拶。アルバート・ブルーノ」


 そう呼ばれ舞台袖から出てきたのは、今の俺と同じくらいの背丈の少年だった。身長は178ほど。

ぱっと見は普通の高校生。だが、違う。魔力の保有量が人族のレベルじゃないのだ。おそらく、華や亮でもわかる。


俺の魔力量は大気中や相手から漏れ出す魔力を吸収することで実質無限の魔力を生み出している。それ以前に保有量が父親の遺伝でかなり多い。魔力量の多さでは父さん、兄さん、母さん、俺の順で家族内では一番下ではあった。それでもほかの人と比べると圧倒的な量だった。だが、彼の魔力量は俺や母さんに匹敵するほどだった。魔力を隠していないのか、煽りのためにわざとあふれさせているのか。その判断すらつかないほどに量が多かったのだ。


「新入生の皆さん、入学おめでとうございます。2年生のアルバートと申します。この学校に来たということは、皆さんはそれぞれ卓越した力を持っているものだと思われます。同じクラスで学び合い、互いに高め合ってくれることを期待しています。また、私は学内NO.1のギルド、白狼の牙(ホワイト・ファングス)のマスターでもあります。多くの新入生が加入してくれることを楽しみにしています。以上で挨拶とさせていただきます」


……この学校のトップってことか。そりゃあれだけの魔力量にもなるわな。それよりも、学内のギルドって何なんだろう。部活みたいなもんかな。


 「なんか、すごかったねの人。魔力隠す気なかったよね」


「そうだな。あれだけの魔力を持っていたら、隠そうと思うのは普通なはずなんだけどな。まぁでも、隠す方が珍しいっていう可能性もある。気にしないで行こう。」


「そうしよー!めんどくさいのは気にしないのが一番だと思う!あの魔力量隠す方が大変そうだし」


「それもそうだな。よし、そうするか。それ、次でってなんだっけ?」


「たしかクラス分けと魔力測定だった気がする」


「OK。じゃあ速くいこう」


この時俺らはまだ知らなかった。ただの魔力測定のはずなのに、あんな事件が起きるなんて。





 「魔力測定ってどうやるんだろうね。私の方は小さな水晶に手を当てて色で区別してたけど」


「僕もそうだったよ」


「俺はそもそも測ったことがないな。だいたいどの位とかは見て判断してたし」


「なんかほんと、すごいよね凜って。住めば都でどこにでも住めそう」


「何を言ってんだよ。適応能力が高いってほめてくれてるのか?」


「まぁ、どう捉えるかはまかせるよ」


「なんだそれ……おっ、ここか」


外へ出てから数分。着いたのは想像する異世界らしくない、現代の科学実験室のような感じだった。

部屋はかなり広く、さっきの体育館と同じほど。生徒がすべて集められ、ここから一人ずつ測定するらしい。この魔力量でクラスも分けられることが多いらしい。


「すごいね。現代にいるみたいだよ」


「こっちでも科学ってあるのかな」


「あったとしても、まだまだ前の世界には追い付かないみたいね」


それもそうか。と思いつつ、珍しいものを見渡していた。


「まだこんなものを珍しいと思っているのか?これだから田舎者は。速くどいてくれないか、田舎臭いぞ」


頭の中で「なんだこいつブチ〇してやろうかな」という思考がよぎるが、一瞬で消え去った。

なぜかって?あまりにも「かませ犬」感が否めないからだ。俺はそいつを見ながら、

「お前も大変なんだな」というまなざしを送っていた。


「な、なんだ貴様!この私をバカにしてるのか?!いいだろう、私と貴様、どちらが魔力量が多いかで勝負だ!」


「え、やだ」


「なるほど、私に怖気づいて逃げるのか!そうかそうか!これだから田舎者は!ハハハハハ!」


「誰が田舎者だって?」


「貴様ら3人さ!田舎臭がプンプン漂って仕方がない!さっさと消え去ってもらいたいが、実力の差を見せつけさせてもらおう!」


「そっすか……めんどくせーな」


「次、バーナー・ガイナ」


「私の番だ!よく見ておくがいい!貴様など私の足元にも及ばないということを実感しろ!」


と、叫びながら前へ向かった。


「では、この水晶に触れてください。色の段階は9段階ほどあります。

スタートは水色から。

水色→青→緑→黄緑→黄色→ピンク→オレンジ→赤→紫となっています。また、色の段階だけでなく炎の大きさにも左右されます。炎の色が変わり、紫まで行くと最高レベルとなっています。

炎の色は魔力の密度を、大きさは魔力の量を表していると思って下さい。では、魔力を流し込んでください」


「見ていろ田舎者!これが貴族様の魔力だ!ウォオオオオオオ!」


そう雄たけびを上げながら魔力を流しこむ。色は少しづつ変わっていき、最後にはピンク色のところで動かなくなった。


「はあっ、はあっ。見たか!これが貴族である俺の力だ!」


何もわからん。正直この機会を見るのすら初めてなんだ。何とも言えないのは許してほしいところだ。


「では次、アルフレッド・クランフィルド。……えっと、あなたは推薦の方?」


「はい、一応」


「そう、本来ならここもスキップするはずなのだけれど、学院長の計らいかしら。では、水晶に触れてください。自分のタイミングで流し込んでもらって構いませんよ」


「わかりました。本気でいいんですよね?」


「はい、大丈夫です」


「じゃあ、行きます」


俺は全身に漂う魔力を手に集中するように意識し、攻撃魔法を撃つのと同じようにした。

今回は吸収は使わず、自分の魔力量のみで勝負しようと思う。ゆっくり、ゆっくりでいい。


俺は魔力を放出し、水晶にぶつけた。炎はどんどん燃え上がり、色はあっという間に紫になった。だが、炎は止まらなかった。色の変化は続き、炎は白に変わり、水晶にはひびが入った。本当に本気でやっていなかったから、俺はまだ大丈夫だと思い、さらにギアを上げた。その時だった。炎の色は黒になり、水晶は粉々に砕け散った。


「そ、測定、不能……」


俺はもしかしたらとんでもなく高いもものを壊してしまったんではないだろうか。と、弁償の文字が頭をよぎったのは言うまでもない。



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