亮
最新話です!
「じーーっ。」
「な、なんだよ亮。そんなに見つめるな。なんか悪い事したか?」
「いーや?別に?」
今、俺はなぜか亮に詰め寄られている。なぜかはわからん。心当たりがないからだ。
さっき華に告白されてokを出した。一度合流し、華は父親の部屋に向かい色々報告しに行った。
問題はそこからなのだ。華がもうちょっと時間かかるから待っててと俺らを残し自室に戻った。
その時からずっと、かれこれ15分ほどは見つめられている。
「凜くんさぁ。さっき華ちゃんと何を話してたのかなぁ?随分と遅かったけれど?」
「それは、なんといいますか。まぁ別にいいじゃないですか旦那」
「よくない。断じて良くないからね!」
亮は少し涙目になりながら俺に向かって怒鳴った。
「凜、僕のことをからかってるんだ!もてあそんでるんだ!」
「ちょ、亮どうしたんだよ。何をやったかわかんないけど、ごめんって」
「ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ……」
「怖い怖い」
亮は目が虚ろになっていた。もてあそんでいるといわれても何も言いようがないのだ。
だって何もしてないんだもん。え、ほんとになんもしてないよな?俺。
「どーせ凜は華みたいな女の子が好きなんでしょ。男っぽい奴になんてきょーみないんだ」
「急に何を言い出すんだよ。確かに華は好きだよ?それがなんか問題なの?」
「ッ!もーいい!この鈍感!鈍男!頭でっかち!」
「酷いって。なぁ、教えてくれよ。なんでそんなに怒ってるのか」
「僕の気持ちも知らないで、よくそんなこと言えるね!僕知ってるよ!華と付き合ったんでしょ!」
「ふぁ?!」
驚いて変な声出ちゃった。え、なんで知ってるんだ?言ってないよな?聞かれてたのか?
でもさっき近くに亮はいなかった……はず。
「女の子が男の子を呼び出すなんて中々ないんだから!僕を除け者にして、二人でどっか離れた場所で
暮らすつもりなんでしょ!いいもん!僕付いてくもん!二人の恋路なんてしらない!」
「落ち着け落ち着け。そんなヒートアップするなよ」
「するよ!僕だって、僕だって!凜に、その、えっと、こ、こく、はく、したかったのに……」
「え?なんていったの?」
「告白したかったの!……あっ。いや、ちが、その」
「……ふぁ?」
亮をぼーっと眺めているんだけど、見る見るうちに赤くなっていく。おもしろいなぁ。
って、それどころじゃない。えぇ?どゆことよ。告白はばれてるし。それより、告白したかったって
何よ。えぇ、それじゃまるで亮が俺の事好きみたいじゃん。
「えぇっとね、ぼ、僕、凜のことがその、好き、なんだ。」
「なに……いってんの?」
「あ、あ、そんなに見ないでぇ……」
ボンッと音がしそうなほど顔が赤くなっている。もはや頭から煙とか出るんじゃなかろうか。
ちょっと待て。亮、今俺の事好きって言った?え、でも亮って男じゃん。いや、顔立ちも性格も体系も
全部女性ですけども。男って言ってたやん。ちっちゃな時からずっと言ってたやん。修学旅行の時
風呂場にいなかったけど、男って言ってたやん。怪しいとは思ってたけど、言ってたやん。男って。
「亮。一旦、一旦落ち着こうか。俺も頭が追い付いてないんだ。ゆっくり、深呼吸して」
「スー、ハー。はい、したよ」
「うん、で、その、どういうことでしょうか」
「なにが」
「俺の事が好きっていうのは」
「そういうことです」
「そういうことですか」
「はい」
「なるほどね」
「うん」
「俺はどうすればいい?」
「okすればいいとおもう」
「なるほど」
「うん」
「じゃ、okってわけにはいかんのよ」
「あだっ」
俺はふざけながら亮にの頭に軽くチョップをした。頬を膨らせ涙目でこっちを見上げながら頭を押さえている。なんだこの可愛い生物。こんなのキュン死するに決まってんじゃん。いや、待て。
俺はさっき華の告白をokしてしまった。それに亮は男だ。さすがに男と付き合うのは俺にはできない……
はずだ。
「亮。ごめんだけど、ちょっと考えさせてくれないか?それに、男と付き合うのはちょっとな」
「僕女だよ。」
「そうなんだよ。お前女だからさ…………はぇ???」
え、今こいつなんて言ったんだ?男だよな?俺の聞き間違いじゃないよな?ちゃんと男って言ったよな?
大丈夫だよな?
「い、今なんて言った?」
「僕は女の子だよって言った。」
あ、だめだこりゃ。俺耳壊れちまってわ。前世に帰って耳鼻科行かないとな。
はぁ、まぁじかぁ……
「凜なら気づいてると思ってたんだけど、違った?」
「いや、違ったっていうかその、あまりにも隠し通すからなんか触れずらかったといいますか」
「なるほどね。前世は色々あったから隠すしかなかったんだ、ごめんね?」
ごめんねじゃないわ。え、待って俺どうするべきなの。
これだけは想像してなかったよ。ほんとに。マジのマジでさ、同じ日に片方は純粋に女の子の幼馴染から
告白、もう片方は男だと思ってた幼馴染が女だったっていう神展開。しかも当り前のように二人とも美人だし。頭パンクするわ……いっそのこと二人とも巻き込むか?
「で、お返事は?」
「え、あっ、その、えーっと」
「おーい、二人ともー!何の話してるぉ?」
「……」
「……」
「ふむふむ、これは何かあった匂い。甘酸っぱい気持ちと混乱の匂いがする。
つまり、亮。ついに打ち明けたな!告白したな!」
「ちょ、華!」
「きゅ~……」
頭から煙が上がり顔が再び真っ赤になった。俺の両サイド女性なの初めてなんですけど、どうしたらいいと思います?
「二人とも迎え入れればよいではないか、吸血鬼よ。」
「え、領主様?!」
「話は大体クラリアから聞いておる。どうやら、君に出会った時から恋をしているそこの勇者様と
君に助けられて恋に落ちたクラリアに詰め寄られ、クラリアの告白の後に勇者様からの告白を受けたらしいではないか。モテモテでうらやましいわ。さっさと二人を受け入れてしまいなさい。誰かにとられる前に。」
「でも、法律的にその、アウトな感じがするんですけど……」
「何を言って居る。それは前世の話であろう。今君らはこの世界に生けるものたちなわけだ。
そしてこの国は一夫多妻をよしとしている。つまり、そういうことだ。」
もう、何でもありだなこっちの世界。
最高だぜ。ありがとう神様。華と亮をこっちに連れてきてくれて。
アドバイスいただけると嬉しいです!




