毒
投稿感覚が乱れてしまってごめんなさい。
少しの間休ませて頂いてました!これからもよろしくお願いします!
華を助けた俺と亮は、そのまま直行でルーシアに帰っていた。帰ろうと思えば一瞬で帰れるが、
如何せん華と亮を抱えて飛ぶのは危なすぎる。だから、交代で華を運びながら陸を走って帰宅中だ。
「にしても、よく爆睡できるよなこいつ。結構風当たると思うんだけど。」
「寝てるっていうより、気絶してるの方が正しいかも。それに、その首輪なんかいやな感じがする。」
「嫌な感じねぇ……。ちょっと待て。なんだこの音。まるで時限爆弾みたいな音だ。」
ピッピッピッピと秒刻みで音が大きく、速くなっているのに気付いた。何の音かすら全くわかっていないが、危険なのは確かだ。
「いったん止まろうか。音の原因は……!!凜の足と華の首‼」
「なっ、なんだこれ」
俺の足には、華と同じ宝石のついたリングが足にくっついていた。
「クソッ!なんで気づかなかった!」
「魔法で浮いてるせいだ。浮いてるせいで、接触してる感覚がなかったんだ!」
まずいな。いや、まずこれ何なんだ?多分、これを付けたのは俺が心臓を刺したあいつだろう。
あいつが言ってた言葉、なんかなかったか?華の首輪の宝石と同じ色、形。リングの装飾も同じだなんて、ますます怪しい。………!!まずい!
「亮、これ毒だ!」
「毒?!でもなんで。」
「華が俺に雷の槍刺した時あったろ?そのちょっと前、あのゴミが言ってた言葉!
『速くしないと毒で殺すぞ』って言ってたんだ。毒を持ってる素振りすらなかった。おかしいと思ったんだよ。これは、毒魔法を付与した時限式魔法石だ。しかも、外したらリングに流れる魔力の流れが逆流して魔法が発動する仕組みになってやがる。」
「まずいじゃん!毒魔法は闇魔法の部類。解除するには聖魔法がないと!」
しっかり殺しに来てんな、さすがに一国の力を甘く見すぎてた。これじゃあ、華を失って終わりだ。
せっかく奪還したのに、華が死んだら振り出しどころかもう戻れないとこまで落ちてしまう。
「なんかできることはないか……。‼なぁ、亮。俺って吸血鬼だよな?」
「そう、なの?少なくとも、見た目はそう見えるよ。」
「だよな、おけ。俺このリングとるわ。」
「えっ、ちょっ、何してんの‼‼」
亮の静止よりもわずかに早く俺の手がリングに届き、俺の足についていたリングを外した。
一か八かの賭け。ミスったら死ぬ。だけど、何もしないよりはましだ!
「グハッ……!思ったより強いな……」
「何してんだよ凜!死ぬ気じゃないよね?!」
「ったりまえだ。これで、抗体が作れる‼」
俺は聖級魔法は使えるけど、聖魔法は使えない。だから、血で抗体を作る。よし、もう慣れてきた。
これを華の魔力と調和して体に順応するようにする。
「副作用は、吸血鬼になるくらいだろ。華、我慢しろよ。」
俺は華の腕に輸血をするように魔力血液を流しこんだ。正直、時限式ってのが不幸中の幸いだった。俺のリングの表示は2:30だった。2分ちょいしかなかったから、やるしかなかったけど。調和された魔力血は順調に華の体に浸透し、魔力に対する抵抗力を付けていった。
リングの表示はあと1分だ。
「華、耐えろよ!」
俺は華のリングに魔力を流しながら破壊した。その瞬間、華の体には……何も起こらなかった。
正確には、俺の抗体が強すぎて何も起きなかった。それにプラス、魔力を込めてリングを破壊したおかげで魔力の逆流が弱まり魔法の威力が低下したんだと思う。
「脈は正常。うん、大丈夫そうだよ。それにしても……りーんー?」
「は、はい……。」
「命がけすぎるし、もうちょっと僕に説明してくれてもいいとおもうけど~?」
「ご、ごめんなさい……次は気を付けます。」
「うん、次がないようにしなきゃね。」
「そうだな、よし、もっかい走ろうか。」
そういってひと段落してから、俺と亮は華を担いで走り出した。
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