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クラリア奪還作戦開始。

最新話です!


「おはよう、凜。」


「ああ、おはよう。さあ、行こう。」


 俺らが起きた時間帯は大体朝の5時ぐらいだ。太陽が昇りかけているぐらい。

ここから魔導皇国首都ルルームまで亮のスピードで行くと大体1時間ぐらいだろう。

すぐに出発して、相手の城が動き始めるぐらいに攻めるつもりなのでちょうどいい。


「さ、凜。作戦の確認だよ。まず、城を外側から崩し、侵入する。凜は上、僕は下を見にいく。

そこで華、クラリアお嬢様がいたらそのまま救出、外に出て城を完全に破壊する。それでいいね?」


「あぁ、それでいい。でもさ、俺らクラリアお嬢様の姿知らなくね?」


「領主に聞きに行こう。」


「ああ。」


 そうして、俺たちはメイドさんにお願いして領主の部屋にもう一度案内してもらった。


「領主様、何かクラリア様の写真などはありませんか?」


「ああ、これで良いか?クラリアが12歳の時に撮った写真だ。背丈は伸びたが、顔は変わらないままだ。」


「ありがとうございます。……まんまだ、華の。」


「見せて。……マジじゃん。変わったのは髪色ぐらいだ。よし、これならすぐわかるな。じゃあ、行くぞ

亮。」


「うん。領主様、ありがとうございます。今日のうちに、一つ朗報が飛んでくると思いますので。

では、失礼します。」


「あ、あぁ。何かはわからんが楽しみにしておくよ。」

そのまま領主の部屋を出た俺と亮は、そのまま壁の外に向かった。


「どうする、亮。移動方法。全力ダッシュで移動しても、町の壁を何回か飛び越えなきゃいけない。

それでもいいなら走るけど。」


「凜、今打てる魔法で一番反動強い奴って何?」


「お前まさか、その勢いで飛ぶとか言うんじゃないだろうな。」


「そのまさかさ。僕は凜にくっついてるから。」


なんつー危なくて雑な移動方法だよ。俺でもそう簡単にやろうとは思はないぞ?でもまぁ、華を助けるためなら仕方ないか。


「じゃあ、やるけど。風圧で負けんなよ?亮。」


「凜こそ、魔法の威力とかミスんないでよ?」


「任せとけ。」


ここならかなり開けてるし、魔力消費が激しくなりそうだから、一回真下に撃って高く飛ぶ。そこから継続して放ち続ける。その間、 魔力吸収で大気中の魔力に絞って吸収する。


「じゃあ、失礼して。」


「え、ちょ、うわぁ!」


俺は亮を片手で担ぎ上げ、右肩に乗せた細身で体重もまぁまぁだから、意外と持ち上がるんだよな。


「じゃあ、行くぞ亮。目ぇつぶっとけ!」


「了解!」


精霊級風魔法(スピリティア) 魔法威力上昇(マジックレイズ)三重掛(サード)|

狂爆強化クレイバースト


最大まで魔力を引き上げる。限界まで魔力をため込んで、練り上げる……!!


風精霊之憤怒(シルフ・レイジ)暴走火力(オーバードライブ)‼」


地面に向けて放った魔法大きなクレーターを残し、俺と亮を上空へと放り出した。


「うっはぁ、ナニコレ。もうどこかすらわかんないよ。うわお城ちっちゃ‼」


「ほら、騒ぐな亮。もっかい飛ばすぞ!」


上に上がった勢いのまま俺は魔導皇国の首都ルルームに向かって突っ込むようにして魔法を放った。

これなら、ほんとにすぐ着くな。


「凜、あとどのくらいで着く?」


「30秒ぐらいで着く。魔導皇国の城はもう見えてるからな。」


「よし、落下の勢いで壁壊そうか。」


「ああ、そうだな。じゃあ、飛ばすぞ!降りる準備しとけよ!」


もう城の真上まできている。このまま下に降りながら、城につっこむ。


「亮、もう降りれるか?」


「うん、このくらいならいけるよ。」


「よし、じゃあ離すぞ。」


「おけ、うわ、まだたっかいね。このまま城まで突っ切るよ!凜、壁破壊よろしく!」


「おう、任せとけ!シルフ・レイジ!」


俺は、飛ぶために放って魔法をそのまま真下に向け、城の壁のほとんどを破壊した。


「さあ、華救出作戦決行だ!一番やっちゃいけないことをしたやつに思い知らせてやる!」


「誰をさらったかわかってんだろうな魔導皇国‼そいつは俺の!」


「僕の!」     

     『『幼馴染なんだよ!‼』』   


 轟音が鳴り響き、壊れた壁から城の侵入に成功した。


「し、侵入者発見!侵入者発見!衛兵‼捕まえろ!」


 入ってぎりぎり瓦礫が当たらない範囲にいた全身鎧の兵士が叫び、近くにいた兵士が集まってきた。


「凜、計画通りにお願い!下だけ見たら、すぐ上に行くから。」


「おう、じゃ、またあとで!」と、二手に分かれようとしたその時だった。


聖級雷魔法(ホーリー)雷霆」

 震えた声で、詠唱を唱える少女の声が聞こえ、俺と亮の目の前をすれすれに通るように雷魔法が放たれた。


「あっぶない、誰だ?今打ってきたやつ。」


「おねがい、逃げて……私はもう、人を気づつけたくないの……」


目の前には、奴隷のような服装で首には赤い宝石のついた首枷をつけた少女が魔法を放とうとしていた。

その少女の髪色は、さっき見た華と同じ白。細い足と、しっかりとした顔立ち。


 そう、俺が見たのは10年以上一緒にいた幼馴染の、やせ細り奴隷のように扱われている華の姿だった。


「速くその侵入者を殺さんかこのド愚図が!」


後ろから出てきた謎の巨漢は、華の頭をつかみ、地面にたたきつけた。俺の中で、何かが切れた。俺の目と髪の色は赤く染まり、吸血鬼としての力が俺の中で目覚めた。


「お前、何をしたかわかってるんだな?」


「フン、何をほざいている。たかが髪の色が変わった程度でイキりだす小僧が。貴様は今から、こいつに殺されr……グハッ、カハッ……な、なんだこれは……ち、血か?」


俺は相手がしゃべり終える前に動き出し、相手の腹を貫通させた。


「お前は一番しちゃいけないことをした。その代償はでかいぞ。」


そうとだけ言い残し、俺は花の方へ向かった。


「きちゃダメ……もう、人を傷つけたくないの……お願いだから……」


「……」


俺は、なんて声を掛けたらいいかわからず少しづつ近づいた。


「やれ!やらないと毒で殺すぞ!」


「お願い!来ないで!」


そういいながら華は、雷の槍を手に、俺に突進。雷の槍は俺の腹を貫通した。


「凜‼」


「へ、なんで?避けれたはずでしょ、あなたなら……」


俺はそっと華を胸に引き寄せ、抱きしめた。


「ごめん、ごめん、華。つらかったよな。ずっと、一人で……。」


俺は花を抱きしめたまま、そうつぶやくように言った。


「でも、もう大丈夫だ。お前を泣かせる奴は、俺がぶっ飛ばしてやる。」


「そのセリフ、あなた、凜なの……?てことは、あっちにいるのは亮?」


「あぁ、あぁ、そうだよ。迎えに来たよ。華。」


「凜……りん!」


華の顔は笑顔になり、大粒の涙が頬を伝い地に落ちた。


「おまたせ、華。少し、下がっててくれるか?ここは危険だから。」


「うん、うん。気を付けてね、りん。」


「当り前だ。亮!華を頼む!あとは俺がやる、少し離れててくれ。」


「うん、わかった。無茶するなよ?」


俺は黙ってうなずき、亮に華を預けた。まだ敵は目の前にいる。


「全員まとめてかかってこい。華の痛み、ここで全部返してやるよ!」


「「「「「「「おぉぉぉ!」」」」」」」


城内にいた兵士が集まり、束になって襲い掛かってくる。


「ハァァァ‼」


俺はそれを、魔力を全開放する勢いで蹴散らし、まだ向かってくる兵士一人一人をなぎ倒した。


「き、きさまぁぁぁ!許さん、絶対に!」

死にそうな声を上げながら、地を這いながら俺に近づいてくるのは、さっき腹に風穴を開けたゴミだった。


「お前、まだ生きてたのか。悪いが、敵を助ける趣味はない。華がどれだけつらかったかを噛みしめながら苦痛を感じて死ね。」


そうと吐き捨て、俺はそいつの心臓を刺した。


「これで終わったか。よし、亮たちのとこに戻ろう。」


俺はその場にいた敵兵士全員を戦闘不能にし、一人を完全に殺した。


「すまん、亮。ちょいと遅れた。」


「あぁ、大丈夫だよ。」


「そうか、華は?」


「見ての通り、ぐっすりさ。多分、安心したんだろうね。凜から華を預かった時に、倒れ込むように

寝ちゃったから。」


「そうか。寝てるだけか。よかった……」


「うん、凜も無事で本当に良かった。さあ、ゆっくり帰ろう。ルーシアへ。」


「あぁ。今回は、なんか俺も疲れたよ。帰って休もう。」


そういいながら、俺たちはルーシア王国へと足を向けた。




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