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お酒に弱い亮兄さん。

最新話です!


 魔導皇国との戦いが終わって丸一日が経った。あの日は疲れてすっごい眠かったから、官邸の一室を

借りて睡眠を取った。俺が寝てる間に、官邸は舞踏会でもするのかよって思うぐらいにキラキラした飾り付けがされていた。

 

 他にも、勝利したルーシア軍の兵士たちが打ち上げを行っているようで、その場に亮と楽しげに話してい る女性が1人いた。

「今入るのは気まずいかな……。」

と思い、その場を離れようとすると、亮に後ろから声をかけられた。


「どーこーいーくーの〜?」


こいつ……酒飲んでやがる…。そのノリで話しかけてきていいのはお胸の大きなお姉さん系だけって決まってんだよ!!……やっべなんか変な妄想してた。


「ん〜?逃げないでよぉ〜。ほ〜ら、一緒に飲もうよ〜。」


「いや、俺まだ未成年…」


「ほら、ど〜ぞ。」


「んグッ…?美味しい…。これぶどうジュースじゃね?」


 アルコールの苦味とかを一切感じない。普通のぶどうジュースみたいな味なんだけど、なんでこいつこんなに酔ってるんだ?


「な、なぁそこのあんた。亮に何飲ませたんだ?」


「いや、私もよくわかんないです…。さっきまで全然酔ってなかったのに、あなたが来た瞬間に酔っちゃった見たいで。これも、お酒の度数はかなり低いんですけどね。」


 こいつ演技でもしてんのか?いや、亮の酒の弱さはとてつもない。お正月に飲むあのお酒でも顔が真っ赤になって寝ちゃってたし。ん〜……考えるのめんどくさいし、とりあえず一緒にいるか。


「ほ〜ら、亮。起きて。横にいる女性も困っちゃってるよ。どんだけ飲んだんだよ全く。」


「ん〜ムニャムニャ…リン、大好きだよぉ……。」


「急にどうしたんだよ。俺も大好きだ。ほら、起きるよ〜。」


相変わらず顔が真っ赤だな。まったく、自分の酒の弱さをしっかり把握してほしいな。


「りん〜!大好き!」


「ちょっ、お前、うわあぁ!」

ガッシャーンと音を立てながら、後ろの木箱の山に突っ込んだ。


「痛ってぇ……大丈夫か、亮。………亮?」


「凛、僕のこと適当にあしらってるでしょ!!」


……何を言い出すんだこいつは。


「あしらってるって、酒入ってんだから危ないだろうが。」


「そーゆーことじゃないの!僕が好きって言ってるのに、なんでそんなテキトーに返してくるのさ!昔はもっとしっかり返答してくれたのに!」


 酒が入ってるのに良く舌が回るな。返答って何のこっちゃ………まさか、前世のやつじゃないだろうな…。前世の話になるんだが一時期、俺、亮、華、あと前世の友達何人かで王様ゲームをやったことがある。その時に決めたルールで愛を叫ぶか、バックハグ、告白をするの3つオンリーでやらされてた。

 

 俺は見事に告白する側になり、亮がされる側になってしまった。その時の話は言うまでもなく死ぬほどしんどい思いをしたわけだが、まずそれのことを言ってるわけじゃないだろうな……。


「ほらあの、王様ゲームの」「わーわーわー!ダメダメ!俺のメンタルが持たないから!!」


やっぱその話だったか。あっぶねぇ。


「でも、その時はしっかり愛してるよって言ってたじゃん!!」


「もうやめろって!!わかった!俺が悪かったから!」


「やぁだぁ、言ってくれるまでここを動かない!」


「いや、動いてくれないと俺立ち上がれないんだけど…」


「どかないよ〜?……眠い……」


「いや、ちょ、亮?!」


亮が俺の上にまたがったまま倒れてきた。俺はそれをしっかり受け止め、ゆっくりと横に倒した。


「そうとう疲れてたんだろうな。おやすみ、亮。」


「んにゃ、おやすみ……」


 お前ほんとに男だよな…、?とか、思いながら亮の寝顔を拝む。やっぱ可愛いよな。俺に理性がなかったら今襲ってた。


「なんだなんだ、勇者様!どうされました!!」


「今寝てるんです、静かにしてやってください。」


「そ、そうですか。昨日一昨日とずーっと睡眠を取られていなかったので、心配していたんです。お眠りになられたのならよかったです。」


亮がどれほど慕われてるのかがわかった気がした。こんな見えづらいところで酒を飲んでいても、

心配されるんだな。なんかちょっとうらやましい。


「そういえば、貴方は勇者様とどんな関係なんですか?なんか、そ、そういう関係なんですか?」

と、横にいた赤毛の女性が聞いてきた。


「そういう関係って、そんなんじゃないです。俺と亮はずーーーっと昔からの親友です。」


「え、でも勇者様は1ヶ月前からしかいらっしゃらないはずですが……」

あっ、そうだった。でも、亮と親しげなこの人なら話してもいいのかもな


「他言しないって誓ってくれます?」


「は、はい……?」


「まぁ、言いますね。俺、亮がこっち来る前の世界で亮と幼馴染だったんです。それで、こっちに来て再会して、今でもこんな感じってことです。」


「あぁ〜、なるほど。じゃああなたも召喚者なんですか。」


「えぇ、前世では最上 凛って名前で、今でも亮にそう呼ばれてます。」


「最上凛、亮、ちょ、ちょっと待ってください。


勇者様の名前、詳しく教えていただいても?」


「?。坂田 亮ですけど。」


「……ちょっと詳しく話したいことがあります。後で、この場所に勇者様と来てください。」


……なんだ急に、どうしたんだこの人。まぁ、


行くだけ行ってみるか。とりあえず亮を起こさないとな。


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