ドラゴンが仲間になっちゃった
体調を崩していて投稿が遅れてしまいました。ごめんなさい。
最新話デス、
兄さんが放った魔法は赤黒い閃光を放ち黒龍に直撃し、とてつもない衝撃波を放った。
魔法はドラゴンの体を貫通したように見えたが、実際は黒龍特有の魔法耐性の龍鱗によりすべてはじかれてしまった。それによりドラゴンは死なず、莫大な衝撃を食らった反応で気絶したのだ。
「あっぶねえ、やっぱ1000年以上生きてるやつ相手には中々通らないよな。」
「いや、よく気絶させられるよね。こっちはブレス受け止めんのに魔力半分ぐらい使い切りそうになったんだけど。」
やっぱり天性の才能だろう。俺も頑張って母さんたちに追い付かないとな。
「それで、人間は?」
「ああ、それなんだけど……」
あの偉そうに「ドラゴンの死体を持ち帰るまでは動けん!」
みたいなこと言ってた人は泡吹いて気絶してるし、ほかの兵士はと言うと姫様はおきっぱにして逃げて行ってしまったようだ。ただ、頑張って姫様を守ろうとしてる兵士が二人まだ意識を保っている。
おそらくはドラゴンから放出される魔力にあてられて結構限界が来てたのだろう。
にしてもこの兵士たちやるな。「姫様だけは死んでも守り通す‼」みたいな迫力がすごい。
俺が何か口を開く前に、兄さんが人間たちに質問をした。
「で、そこの人間たちは何しに来たの?ドラゴンの素材でも集めに来たのか?」
そう問うと、片方の兵士が声を震わせながら答えた。
「違う」と。どういうことだ?さっきのおっさんは「ドラゴンの死体を持ち帰るまでは動かん!」
的な発言をしたと思ったら、こっちの真面目そうな兵士は「違う。」だってよ。おそらく、この真面目そうな兵士が正しそうだな。
「怖がらなくていい。別に俺や兄さんは人を食う種族じゃない。血は飲むかもしれないが。
嘘はつくなよ?本当はここに何をしに来たんだ?」
今度は俺が少しやんわりと質問をした。そうすると、少し緊張が解けたのか少しスムーズに話してくれるようになった。
「私たちは何もしていない。ただ通りすがっただけなんだ。そしたら、我らを見たあのドラゴンがいきなり襲い掛かってきて、それをあのバカ指揮官はチャンスと思ったのか、「ドラゴンを殺し王に献上するのだ!」とか言い始めたんだ。でも、普通の人間にそんなことができるわけなく、壊滅状態に追い込まれたってことなんだ。本当に、素材なんて取ろうともしていないんだ!」
かなり焦っているというか、発作を起こしているというか、落ち着いてはいないな。
「わかった。その言葉は信じる。それで、なんでここを通った?ここはドラゴンのテリトリー。通ったら危険だってことはわかるだろう。」
「我々の目的はビーストランドへの外交だったのだ。だが、予定よりかなり遅れてしまい急ぐために近道を使った。我々がここを通ろうとしたときに、煙のようなものが見えたんだ。キャンプの煙だった。だから、ここは人が通れる安全な場所だと判断した。」
なるほど。何もまちがっちゃいなそうだな。
こいつらはバカ指揮官とドラゴンの素材を取ろうとした冒険者たちに巻き込まれたってわけか。
じゃあ、しょうがないか。外交が目的となれば、お姫様を連れて行くのもまだ納得できるな
「んで、それは間違いないんだな?お嬢さん。」
そう問うと、姫さんはコクコクと首を縦に振る。顔をずっとこわばらせているが、そんなに緊張しなくてもいいのに。とか考えていたその時だった。後ろから何か物音が聞こえ、あくびのような声がした。
「ふぁぁ……よく寝た。まったく、痛いじゃないか。いきなり虚空級を撃ち込んでくるなんて……それに私のブレスをあの小さな体で受け止める小僧もいるとは……気に入ったぞ、小僧たち」
その声が聞こえたほうを見ると、さっきまで倒れていたはずの黒龍の体がきれいさっぱりその場から消えている。代わりに、目の前には黒い花柄の着物をはだけた様に着飾り、流麗な黒髪のおしとやかなイメージとは裏腹にかなり殺意高めの釣り目と額に白黒の角持ったとんでも美人が立っているのだ。
「小僧、私が仲間になってやる!」
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