死にたくはなかったんですけどね!
序章です。よろしくお願いします
何か特別なことが起きるわけでもない、普通の人生。朝起きて、ご飯を食べて学校で授業を受ける。
終わったら部活。別に、つまらないとか生きる意味が見いだせないとかじゃない。
まだ自分は高校三年生だから、そんな馬鹿な事言ったってしょうがない。
ただ、これから先で、なんということもない普通の人生を送っていくために今を頑張っている。
「お待たせ、凜!」
「ほんとに参ったよ。1時間も遅刻されるとはね。」
こいつは竹内 華。俺の幼馴染で、顔が整っているのだが、すっごい馬鹿。見た目は清楚系、クールな美女?なんだけどな。
「華遅すぎね?凜もよく待つよ。僕だったら現地集合にしてたところだ。」
この現地集合って言ってるやつは坂田 亮。こいつも、華と同じ幼馴染。俺ら3人は、いつもこうしてよく一緒に出掛けることがある。ま、3人そろってはかなり久しぶりだな。
「にしても3人一緒に遊ぶのって何か月ぶり?」
「だいだい3、4ヶ月くらいじゃないかな?」
「たぶんそんぐらいだな。」
ゆっくり歩きながら、そんなことを話していた。今日は久々に楽しくなりそうだな。そんなことを思っていた、その時だった。
「どけ‼」という怒号と、爆音のクラクションがきこえた。
デカいトラックが突っ込んできたのだ。
「華!亮!危ない!!」
俺はドン!っと二人を突き飛ばした。それと同時に、俺の体にとてつもない衝撃が走った。
「いってぇ……」
意識が朦朧とする。少しづつ、目の前が暗くなっていく。
「凛!華!大丈夫か?!」
華?華は、助けたはずだろ…ダメだ。体が動かない。寒い。何も……できない……
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≪やあ。≫
誰だ?俺は、死んだのか?
≪そうだね。君は死んだ。≫
お前は誰だ?俺は死んだのなら、なぜ思考できるんだ?
≪まぁ、落ち着け。僕は輪廻を司る神だよ。今から君に質問をする。いいね?一問一答で行くから、
テンポよくね≫
神っていたんだ…。まあいいか。
「わかった。」
≪ok。じゃあ、一つ目。君は、今までの人生は楽しかったかい?≫
「少なくとも、つまらなくはなかった。あの二人のおかげでね。」
≪ok。第2問。君は転生したい?≫
…転生…か……。
「……したい。」
俺がそういうと、神がにやりとした表情を浮かべているように感じた。見えてはいないが。
≪了解。じゃあ、最後。君は、また彼らに会いたいかい?≫
「当たり前だろ。生まれた時からの知り合いだ。また、会えるならね。」
あいつらと俺だけ長い年月過ごしたと思ってるんだ。会えるなら会いたいに決まってる。
18年、一緒にいたんだから。そうだ、華は⁉
≪ああ、彼女か。残念ながら、死んでいるね。≫
嘘だろ……華が……
≪だけど、転生する予定だね。だから、死んじゃいないと同意だ。≫
……よくはないけど、よかった。でも、会えるわけではないのか。
≪それじゃ、今から君を転生させる。君は前世で短い期間だったけど、かなり徳を積んでいたみたいだ。
次の人生は、長生きしてくれよ?≫
「待ってくれ、俺は次の人生、どうなるんだ?」
≪記憶を持ったまま、引継ぎみたいな感じにできる。どこのどんな家庭に生まれるかは君の前世で積んだ徳によって左右されるから、僕が操作できるわけじゃない。あと、華って子について。君と同じ世界に転生する予定だ。君の頑張りしだいでは、会えないこともない。≫
「本当か⁉」
でも、亮は……
≪その子は、転移した。君たちはすごいねぇ、どんだけの確率を引いたんだか。転生先も一緒であれば、転移先も同じ。君たちは僕たち神もに切れない強固なつながりがあるようだ。それじゃあ、
行ってらっしゃい≫
「え、ちょっと待ってくれ!転移ってことは、亮もこっちにいるってことなのか?教えてくれ!
もっと詳しく!おーい!」
そう叫んでいたが、神はなにも答えてはくれなかった。そして、何かとても強いものに押されるかのような感覚で、俺は生まれたのだ。この、最強の吸血鬼と獣人の夫婦の家に。
そのことを、15歳の誕生日に鮮明に思い出した。
現代の西暦で2024年、12月25日の午後2時30分。俺は死に、転生したんだ。
これからどんどん出していこうと思いますので、応援お願いします。




