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【悪逆の翼】  作者: 渦目のらりく
第四十章 人類のエデン
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第456話 夢を笑った全てのクズ共へ


   *


 進撃する悪魔の群れは、散っていった余りにも多くの仲間達の想いを宿して咆哮する。


「――――ッッ!!」


 彼等は未来の為に、決して共存の叶わない人類()を滅ぼさなければならない。でなければ、今それぞれの心中に重く伸し掛かるこの悲しみは、終わることの無い螺旋地獄へと突入する。


「――――、――――!!!」


 彼等は討たねばならない。勝ち取らなければならない。永く食用の家畜として飼い慣らされてきたその宿命に終止符を打てるのは今だけだ。

 奈落に堕ちた魔王が蘇った、今この時だけ――!


「――――!! ――ッ」


 永劫(えいごう)と虐げられし一族の解放。彼等が平穏に暮らせる世界は、人類という屍の上にしかあり得ない。

 地獄の怨嗟の合唱、永く苦しめられた魔族の恨み


 ――――復讐!!


 無数の赤目を灯らせて、鴉紋は前へと進軍する。永き因縁に終わりをもたらせ、魔族達の平和な世界を築く為に!


 やがて鴉紋は高き修道院の足元へと到った……


「なぁ見えているか……」


 遂に辿り着いた敵の本丸。不可能を可能にせんとした余りにも険しき旅路。凝り固まった常識に風穴を開ける修羅の道。まるで業火の中を彷徨い歩くか様であった数多の苦心は、全てここへと到る為にあった。


「今どんな気持ちなんだ……?」


 無謀だ、不可能だ、出来るわけが無い……

 あの日あの時、鴉紋を嘲笑ったあらゆる全て……

 その顔が、侮蔑めいたあの声が、無数となって鴉紋の脳内を過ぎ去っていきながら……


 怒りにまみれた叫びに切り裂かれる――!!










「俺の夢を笑った、全てのクズ共へッ!!」









 

 ――人類を照らす一筋の光明、それを情け容赦も無く捻り潰すだけの、底の見えない憤怒の咆哮が――!!


「ウォオオァァァアァアアアァァアアアア゛アァアアアアアァアアアアアァアアアアアァアアアアアァアアアアアァアアアア――ッッッ!!!」


 悪意赫灼(かくしゃく)し、空に十二の暗黒が炸裂する!

 積年の想い全てを吐き出し、いざ世界の首を刈り取らんと!

 右の灼眼(しゃくがん)を滾らせて――!

 固く閉じられた修道院の大門が破壊された!


「行くぞお前ら……」

「うん」

「はい鴉紋さん」

「仲間達の悲願を俺達で成し遂げるっす!」


 合流を果たした仲間達に1500もの“魔”が続く。

 彼等とて胸に秘めた想いは同じ、ただ一方的に殺戮し尽くされた魔物は復讐を、ロチアート達は永く苦しめられた世界に報復を――

 彼等は全て、世界を奪い返しに来たのだ。


 ――他を寄せ付けない圧倒的暴力、終夜鴉紋に続いて!!


「全部捻り潰してやるよ、ミハイル……」


 天上に空いた光の天輪の中で、巨大な羅針盤が針を進める。

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↑の☆☆☆☆☆を★★★★★にして頂けると意欲が湧きます。 続々とスピンオフ、続編展開中。 シリーズ化していますのでチェック宜しくお願い致します。 ブクマ、評価、レビュー、感想等お気軽に
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