表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お釜大戦  作者: @FRON
第二章 ようこそイデア学園へ!
35/340

∥002-06 吸引力の変わらないただ一つの呪文

#前回のあらすじ:ぼくがモテないのは5分前に創造主がそう造りたもうたからだよ!(半ギレ)




くるりと一回転、褐色肌の少女(ヘレン)はどこからともなく取り出した伊達眼鏡を掛けると、お澄まし顔で再び口を開く。



「まあともかくですね、私ヘレンちゃん自ら頑張って色んな機能を搭載したので、お兄さんにも役立てて欲しい訳です!例えばほら、こんな事も―――」


「じ、【魂晶】(ジェム)が・・・!?」



ヘレンが手をかざすと、ぼくの前に漂う結晶群はその輝きを増したかと思えば、見る見るうちに【戴冠珠】(リア・ファル)へと吸い込まれてゆく。

驚愕に口をぱくぱくさせているうちに、あっと言う間に結晶群はきれいさっぱり姿を消し、残るは物言わず漂う石の珠のみとなった。



「ご自分でやりたい時は『収納!』とか『ダイ○ン!』とか、それっぽい言葉(スペル)を叫ぶといい感じですねー。ちゃんとイメージさえできてればそれも不要ですよ?」


「な、なるほど・・・?」


「あ!あたしそれやってみたい!!ダイ○ン!ダイ○ーーン!!」



ぼくが半信半疑のていで首をひねる一方、隣のあーちゃんは石珠(リア・ファル)のパワーに興味を示したのか、目を輝かせながら若干危ないワードを連呼しつつぴょんぴょんと飛び跳ねていた。

動きに合わせ後ろで一つに纏められた長い黒髪が尻尾のごとく揺れる。


スカートも揺れる。

だが胸は揺れない。


登下校中の幼児を見守る爺婆の如き心でそんな様子を眺めていると、それに呼応したのか彼女の前に浮かぶ結晶群が輝き、珠へと吸い寄せられ始めた。

それは良いのだが―――



「・・・多くね?」



先程と比較し10倍以上(当社比)はありそうな量の【魂晶】(ジェム)が、いっそう輝きを増し音も無く吸い込まれる様を、なかば愕然としつつ見送るぼくであった―――



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ