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お釜大戦  作者: @FRON
第八章 ゼロの決死圏!!
333/343

∥008-15 昭和基地が静止した日

#前回のあらすじ:めっちゃ怪しまれてるー!?



[我猛(ガモウ)視点]



「異世界からの侵略者【彼方より(シング フロム )のもの】(ザ ビヨンド)、神を目指す少年少女が集う【学園】、そして12月に訪れるという災いの日(Xデー)・・・。我猛、きみは()()()()?」


()()、って言われてもよぉ・・・」



ひととおり尋問を済ませた後。

俺とおやっさんは揃って、()()()()()羽目になってしまっていた。


事の始まりは、先刻。


氷床に設置した観測機器のチェックを終え、雪上車を走らせていた最中のことだ。

()()()()()に気づいた俺は、窓の外を流れる景色が急に、()()()()()()()()()()()()()()()()()に襲われた。


視界に映る光景が、すべてコマ送りになったような。

それでいて意識は研ぎ澄まされ、一つ一つの事物を鋭敏に感じ取れるような感覚があった。


自らの肉体に、突如として生じた()()


慌てて車を止めた俺は、その直後、空を割って現れた()()()U()F()O()()()によって襲われた。

その場に割って入ったのが、あの少年―――丸海人(マルカイト)達だ。


俺は正直、彼らに対し()()()()()()()()()()()()かを悩んでいる。


言っている内容はどれも、平時であれば()()()()()()()()()()ばかりだ。

しかし、困ったことに現在、()()()()()()()()()()が発生してしまっている。


世迷言を垂れ流す()()か、はたまた世界の真実の()()()()か―――?


判断に悩むところだが、何れにせよ。

俺の立場から、言えることは()()()()であった。



()()じゃねーの?判断するにゃ、時間も無ぇしよ」


「・・・同感だな」


()()()()。・・・個人的に言やぁ、マルの奴くらいは信じてやっても、いいんじゃねぇの?」



その、【彼方】だか何だかは置いといてよ。

そう断った上での発言に、おやっさんは()()、と小さく唸る。


今日、出会ったばかりの相手ではあるが、あの小柄な少年からは害意を感じなかった。

他の連中がどうかまでは図りかねるが、その()()()()くらいは信じてやっていいと思う。


そうやって一人ごちる青年は、ふと、視線を()()()()()へと向ける。


そこにあるのは、書棚の前で佇む人物の後ろ姿だった。

長い黒髪を後ろで一つにまとめ、飾り気のない白衣を身にまとった一人の女性。


一冊の本を手に取ろうと、その手は前方へと伸ばされ―――

しかし、女性は()()姿()()()()()()()()()()()()()()()


もうかれこれ()()()、彼らがこの部屋へ来てから経過している。

にも関わらず、彼女は今の姿勢から()()()()()()()()()()()()()()()()


パントマイムの達人ならいざ知らず。

特殊な訓練を受けた訳でもない人間としては、とても考えられない状態と言える。


―――彼女に限らず、現在基地内外には大量の、『()()()()』人間が存在していた。


歩きながら、食事しながら、仲間と談笑するその場面・表情を()()()()に。

彫像の如く、一切の動きを止めた人々。


対して、我猛をはじめこの状況下で動ける人間たちもまた、存在している。

彼らは共に『()()()』、或いは『()()()』という一点において共通していた。


生まれつき、或いは後天的に生物として()()し、()()()()()に目覚めた者たち。

青年もその例に漏れず、生まれ持った異能の力を買われ、この地へと配属された立場にあたる。


一方、久我島(くがしま)は過去に陸軍としての作戦行動中、生死の境に直面した折に偶然、第六感的な感覚に目覚めていた。


二人の他にもこの場には、()()()()()によって人知を超えた力を持つ者達が集められている。

異常な状況にも関わらず、比較的早く【彼方よりのもの】の襲撃に対処できたのには、()()()()()()があった。



「では、改めて()()()()()と交渉するとしようか。・・・何時までも、雛罌粟(ひなげし)女史を()()()()にしては置けんからな」


「そうこなくっちゃ!」



書棚の前で静止したままの女性へ()()()と視線を送ると、おやっさんはその場で立ち上がる。

青年もまた遅れて椅子から立つと、意気揚々と基地内の一角を目指し移動を開始した。


あの少年達は、あてがわれた部屋で()()()()()()()()()()()だろうか?

この状況を打開すべく、彼らには改めて協力して貰わねばならない。


その交渉をどうやって切り出すのか、頭を悩ませつつ我猛は歩みを進めるのだった―――


今週はここまで。

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