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お釜大戦  作者: @FRON
第六章 震撼☆フレーズ!!
277/345

∥006-F ヘレンちゃんの用語・世界観解説(エピソード6時点まで)

#前回のあらすじ:素晴らしい!実験は成功だ!!



―――はい、()()()()でみんなのアイドル、ヘレンちゃんです。


最近はなんだか本編でもご無沙汰になっちゃってましたね、寂しかったですか?

そんな訳で、皆様の心をほっと温めつつ『お釜大戦』の世界を紹介して行こうと思います。


まずは用語から、いってみましょー!




  ・  ◆  ■  用 語 解 説  ■  ◇  ・




最初はお兄さんにとって馴染み深い、【学園】関連の用語からご紹介しちゃいます。



・神候補 (かみこうほ)


 未だ目覚めぬ神様のタマゴ、つまりお兄さんの事ですね。

死に瀕することで人は超常的な力に目覚め、生命体として進化するチャンスを得ます。

その時どんな力を得て、どんな方向へと変わるのかは本来ランダムですが、私が手を加えることである程度方向性を定めることが出来ちゃうんです。

そうして産まれるのが【神候補】、という訳ですねー。

時間と空間に対する優れた知覚力を持ち、【神使】(ファミリア)【神格兵装】(アーティファクト)という強力な武器がある為、戦闘でも力を発揮できます。

身に着ける力の系統によって、『使役型』『武器型』『特殊型』の3タイプに分かれます。(詳細は後述)



・使役型 (しえきがた)


 【神候補】の系統で、主に【神使】に命じて戦わせるタイプの人を指します。

ゆけ!とか、ピ〇チュウ、きみに決めた!とか。

そんな感じをイメージして頂ければとー。



・武器型 (ぶきがた)


 【神候補】の系統で、主に【神使】を武器に変えて自分で戦うタイプの人を指します。

刃こぼれなし、弾薬無限の超つよい武器が使えるので、ハマればものすごく強いです。

ただし、自分で身体を張って戦うせいか被弾も多いので、一長一短といった感じですねー。



・特殊型 (とくしゅがた)


 【神候補】の系統で、前述の二タイプに含まれない人を指します。

具体例を挙げると、わんちゃんクランの政治家の卵こと犬養さんがそれです。

無機物型【神使】の銀時計と、小槌の【神格兵装】を扱うので『武器型』っぽいですが、実際の戦いでは投票数に応じて召喚される『シム』という小人を使ったり、型破りなんですよね。



・神使 (ファミリア)


 【神候補】の分身であり、頼れる相棒です。

神に至る存在である【神候補】達には、それぞれ一つの僕がその側に付き従います。

それは動物だったり、掌に乗る虫や小鳥だったり、形のない土塊や水の塊だったりします。

彼等は形ある存在ですが、その本質はイデア、高次元の霊的世界から訪れた【神候補】自身のもう一つの姿なんです。

霊的な存在であるが故に、彼等は超常の力を生まれつき持っています。

天変地異をも起こしうる【神業】(スキル)、【神使】が変形し、唯一無二の武器と化す【神格兵装】(アーティファクト)

特に後者はそれを扱う人を『武器型』と呼んだりするんですよー。



・神業 (スキル)


 【神候補】が扱う強力な力のことです。ヒッサツワザ!

ゲームみたいに身に付ければすぐに使える訳ではなく、練習を重ねてきちんと扱えるようにする必要があります。

千里の道は一歩から、ですねー。



・神格兵装 (アーティファクト)


 【神使】が変形した武器のことです。

剣だったり弓だったり、使い手に合わせて千差万別ですが、例外なく強力な武器です。

ただし、扱うのに使用者の【神力】(プラーナ)が必要なので、無限に使えるという訳ではないのが悩みどころですねー。



・神力 (プラーナ)


 肉体的エネルギーである『精気』(オド)と、精神的エネルギーである『霊気』(マナ)を融合させた力のことです。

前者は『気』とか『オーラ』とか、後者は『超能力』とか『魔力』とか呼ばれたりします。

高次存在はこの両者を混ぜ合わせることで、爆発的なエネルギーを扱うことができるんですねー。



・イデア学園 (いであがくえん)


 【神候補】の本拠地です。

所在は現実世界ではなく、集合的無意識の領域である【夢世界】(ドリームランド)に位置します。

そのはるか上空、目もくらむような高さに浮かぶ巨大なお釜―――【ダグザの大窯】を外殻として、その中に【学園】の敷地は広がっています。

中央部には『果てのオケアノス』、数kmに及ぶ巨大な汽水湖が。

東部には『大ホール』をはじめとした、学園の中心となる建物の数々が。

北部には広大な農地と、東の外れには【揺籃寮】が。

南部には『学園講堂』、そして有力『クラン』が所有するクランハウスが。

西部には主に森林が広がっています。



・スカウト組 (すかうとぐみ)


 【神候補】の中で、私ヘレンちゃん直々に勧誘した人達がこう呼ばれています。

特徴としては、現実世界に肉体を持ち、夜、夢の中でだけ【神候補】として活動する点、そしてティーンエイジャーであることですね。

眠っている間しか参戦できないお陰で、地球の夜の側が入れ替わる度、【学園】内部の面子がガラッと入れ替わる形になるんです。



・召喚組 (しょうかんぐみ)


 【神候補】の中で、私ヘレンちゃんの呼びかけに応じ召喚された、過去の世界の人物がこう呼ばれています。

特徴としては、現実世界に肉体が無いこと、年齢が10代に限らないこと。

『スカウト組』と比べて時間的制約が無いので有利に見えますけど、食事や睡眠を忘れず取らないと活動できなくなるので、そうとばかりも言えないんですよね。



・魂晶 (ジェム)


 後述の【彼方より(シング フロム )のもの】(ザ ビヨンド)から産出する、力の結晶です。

【学園】内部で通貨として流通している宝石でもあります。

【神力】によって励起させることで膨大なエネルギーを放つので、色々な用途に使用されています。



・戴冠珠 (リア・ファル)


 【神候補】が必ず一つ身に着けている、小さな石を嵌め込んだアクセサリです。

【神使】と【神候補】の成長を助ける機能があって、その為に内部に【魂晶】を蓄える必要があります。

実際の生活での扱いは、通貨代わりの【魂晶】を入れるサイフ的な感じですねー。

隠し設定ですが、【神候補】としての適性が低いほど心臓に近い位置に直接付ける必要があるんです。



・覚醒者 (かくせいしゃ)/異能者いのうしゃ


 【神候補】とだいたい同じ意味ですが、【学園】に属しない人もこの呼び方をします。

現世で活動する場合、こちらの呼び方がメインになるでしょうね。

肉体が覚醒する事によって寿命が延びたり、バケモノに変じたり。

精神が覚醒する事によって超感覚に目覚めたりします。



・覚醒生物 (かくせいせいぶつ)


 全ての『覚醒した生き物』(人間を含む)をまとめてカテゴライズした呼び方ですね。

妖怪とか鬼とか、時代と場所によって呼び方がコロコロ変わるので注意です。

大抵の場合、人間以外の動物が『化けた』場合にこう呼ばれます。

ほとんどの例で寿命が延びるので、知恵を付けたり肉体を変異させたりして、永い年月を過ごしたものは『神』として祀られるようになります。

そこまで行くと要注意、不用意に出くわすと死にますから、気をつけてくださいねー。



・神話生物 (しんわせいぶつ)


 神代の世界にのみ伝わる、伝承上の存在。

大抵の場合、『覚醒生物』とイコールですけれど、たまにとんでもないのが混ざってるので要注意です。

特に、『外』から来たのは関わらないのが一番ですね。



・大いなるもの (おおいなるもの/グレートシング)


 『神』の座へ昇った後、更なる進化を遂げたものを指します。

本当の意味でのかみさま、今では廃れた古い古い呼び方です。

一説によると、ここまで至った存在は不滅になるんだとか。

・・・実は私がそうなんですが、不滅になれたかは秘密です。



・彼方よりのもの (かなたよりのもの/しんぐ・ふろむ・ざ・びよんど)


 侵略的な高次元存在、【学園】の存在理由そのものです。

その正体は私達が属する世界より『上』から、世界の壁を乗り越えて現れる捕食者です。

我々の世界に属さないせいか、後述の『影の世界』のような静止した時間の流れの中でも無関係に活動することができるようです。

実体としては霧状の粒子がそれで、この世界へは粒子の一部を送り込むことで現れます。

実体を持たぬが故に、被捕食者の精神を写し取って様々な姿を取ります。

UFO、宇宙人、都市伝説の怪物達、それらの姿で現れ、人を襲う存在が【彼方よりのもの】です。


  ・  ◆  ■  彼 方 に つ い て  ■  ◇  ・


・彼方 (かなた/びよんど)


 【彼方よりのもの】の故郷、私達が住む世界より上の次元に存在する、荒涼とした世界です。

極めて特殊な性質を持つ、ある種の粒子に満たされていて、そこに棲む生物もまた、その粒子で構成されています。

住人が狩りの為、外の世界へ通じる『穴』を作ることによって、私達の世界と一時的につながる事があります。

また、約1万年周期で私達の世界へ接近を繰り返していて、両者が最も接近する『Xデー』には【彼方】から直通のゲートが開通します。

この世の終わりの始まりです。



・彼方の粒子 (かなたのりゅうし)


 極めて特異な性質を示す、【彼方】の構成要素です。

便宜的にβ粒子、と呼びます。

β粒子には『情報の保持/転写/伝達』『【神力】と反応してエネルギーを生成』という二つの特徴があります。

前者はそのまま、【彼方よりのもの】の生態のベースとなっています。

後者は私が発見したもので、ここから得られるエネルギーは様々な用途に活用することができます。

通常、β粒子はとても不安定なので、放っておくとあっという間に霧散して消えてしまいます。

それを防ぐ為、固定化処理を施したのが【魂晶】です。



・影の国 (かげのくに/アルバ)


 私達の属する世界へ流入したβ粒子は、【彼方よりのもの】によって情報をコピーされ、偽物の世界を作り出します。

それが【影の国】です。

現実世界そっくりな、しかし時間が流れていないという一点のみ異なる空間。

発生直後の【影の国】へ標的となる獲物を招き入れ、身動きできない状態のところを【彼方よりのもの】が襲います。

運良く生還できた場合、生命エネルギーを奪われ虚脱感と悪夢に悩まされることでしょう。

運悪く命を落とした場合、その魂は【彼方】へ連れ去られ、彼等の養分となります。

発生後、時間が経った【影の国】はこちらへ残留した【彼方よりのもの】の餌場となり、拡大を続けます。

外部から餌となる生物を招く為、時間が静止した状態からは脱しますが、内部には【彼方よりのもの】がひしめいています。

何の準備も無く足を踏み入れた場合、望まぬ未来が待ち受けていることでしょう。



・突発任務 (とっぱつくえすと)


 私が予知した【影の国】の発生に対し、【神候補】の皆さんへ発する任務です。

内部には時間の静止した空間と、今まさに敵の毒牙にかからんとしている犠牲者が存在します。

一刻も早く駆け付け、【彼方よりのもの】を倒し、彼等を死の運命から解き放ってください!



・常設任務 (じょうせつくえすと)


 過去に発生した【影の国】における間引きの為、【神候補】の皆さんへ発する任務です。

時間が経過し、安定期に入った【影の国】は時間が流れるようになる代わりに、外と繋がり様々なモノが迷い込みます。

その多くは【彼方よりのもの】の餌食になりますが、時折野生の『覚醒生物』が紛れ込む事もあるようです。

注意を怠らず、十分に準備を整えて挑んでください。


  ・  ◆  ■  世 界 解 説  ■  ◇  ・


・大日本帝國 (だいにっぽんていこく)


 アジア唯一の国連常任理事国、マルお兄さんの生まれ故郷です。

ここではないどこかの世界とは異なる歴史を辿った、『日本』の事だとか。

戦前戦後の歴史が違うせいで、色々とオカシナ事になってるみたいですねー。



・大新帝国 (だいしんていこく)


 旧満州、と日本では今でも呼ばれているとか。

アジア随一の超国家、その国土は内モンゴルから東シナ海沿岸にまで及び、人口は4億を超えます。

財力、技術力、それら全てが他とは一線を画する、まさに現代の覇権国家の名にふさわしい国です。

その躍進を裏で支えるのは、『ヤディス人』と呼ばれる友好的異星人との交易なんだとか。

かつての宗主国であり、今でも国内に多大な影響力を持つ日本とは微妙な関係のようです。



・谷知村 (だにじそん)


 日本の中部地方山間部にある、小さな農村です。

作中の登場人物である会取明・叶のお二人はこちらの出身だそうですねー。

きわめて特殊な立地で、土地の生命力が常に溢れかえっていて肥料無しでも4毛作が出来るとか。

その代わり、この土地ならではの異常現象が多発しているみたいです。

地上の楽園だとか呼んで住人の皆さんは選民思想に被れてるみたいですけれど。

私は絶対に近寄りたくないですね。

命が惜しいので。



・立海町 (りっかいちょう)


 日本の中部地方南部にある、小さな町です。

作中の登場人物である丸海人と羽生梓の両名が、こちらのご出身ですねー。

お兄さんが海側、梓さんが山の手に住んでるのだとか。

海に向かって突き出した半島の先端部分にあるお陰で、海と山が同時に堪能できる風光明媚な御土地柄みたいです。

交通の便がいまいちだったり、色々とあるみたいですがそれなりに不便で、それなりに楽しい毎日が送れるいい町ですね。

ちょっと羨ましいです。



・片洲 (かたす)


 日本の北陸地方にある、寂れた漁村です。

表向きは普通の港町ですが、実は神話生物の一種『深泥族』が古くより根城にしている場所です。

その地下深くには彼等が潜むもう一つの町があって、海の彼方から来訪する者共との交流に使われているんだとか。

ここはつい最近まで、放射性廃棄物を巡る暗闘の最中にありました。

無事に済んで、本当に幸いでした。



・深泥都邑 (みどろとゆう)


 片洲から遠く離れた海の底にある、『深泥族』の都です。

恐らく日本列島が今の形をしていなかった頃から存在し、密かにその歴史を紡ぎ続けてきました。

近年は陸地から流れ着く『有害な』ゴミのお陰で死の土地と化していましたが、ゆっくりと復旧を始めているようです。

頑張りました。



・深泥族 (みどろぞく)


 無限の寿命を持つという、【深きもの】の一氏族です。

その性質は内向的で、あまり外へ交流に出る事を好まないようです。

代わりに侵略者に大しては、苛烈な反撃に出る側面もあるのだとか。

実のところ、日本は彼等の『反撃対象』と認定される瀬戸際にありました。

万が一の事があれば、国ごと滅んでいた未来もあったかも知れませんね。



・泥艮 (でぃごん)


 『深泥族』が祀る、氏神の一種です。

その実体は、年経て霊的進化を果たした一族の者が変じ、小山の如き体躯にまで成長したものだとか。

真なる神、『大いなるもの』の末席に名を連ねるその力は凄まじく、天変地異を起こす程です。

作中に登場した『泥艮』は特異な状況から誕生したもので、その力は本来ほ数分の一しか持たなかったのだとか。

その割にとんでもない強さでしたから、本来の力はどれだけか想像も付かないですねー。



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