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お釜大戦  作者: @FRON
第五章 ダゴン・マル・アズサ 北海の大決闘!!
229/341

∥005-101 抜剣、闘兵剣!!

#前回のあらすじ:切り札を抜かざるをえない!



[マル視点]



「『デモクラシア』の、()()()・・・!?」


「うむ。残存エネルギーの大半を消費するので、今まで出し惜しみしていましたが―――そうも言ってはいられないようです。皆さん、操作盤を見てください」


「操作盤の中心が―――()()()!!」



犬養(いぬかい)青年の言葉をオウム返しにすると、詰襟姿の美丈夫は頷きを返す。

そして、()()()と指を鳴らした次の瞬間、操作パネルの一角が左右に開き、中から箱状の物体がせり出してきた。


固唾を呑んで見守るぼく達の前で、青年の語る『()()()』が、その全容を露にする―――!



「こ、これは―――!?」


「なんか、アレみたいだねー?()()()



・・・投票箱だった。


ジェラルミンのメタリックな輝きに包まれた縦長の箱が、操作盤の中央に()()()()と鎮座している。

その姿は選挙シーズンになるとニュースで見かける()()、即ち投票箱そのものであった。


これが―――()()()



「な、なるほど・・・。これは確かに、民主主義の象徴。―――で。()()()()()()()()()()()()()()()()?」


「「・・・」」



―――コックピット内に、乾いた風が吹いた気がした。


流石にこれは、どうかと思う。

勝手に盛り上がった手前言い出し難いのだが、期待を裏切られた感が物凄い。


無言の抗議を視線に込め軽く睨むと、何やら勘違いしたらしい短髪の青年は、懐から一枚の紙を取り出すと、再び声を張り上げた。



「えぇ、正しくこれは民主主義の象徴。今、ここに宣言しましょう!この危急の時において、『デモクラシア』は唯一無二の『()』を得ると!さあ!ご照覧あれ―――!!」


『承認―――()()()()()


「うわっ・・・!?」



犬養青年は手中の紙切れ――()()()()――を、ジョラルミンの箱の頂きより投げ込む。

―――と、同時に室内の照明が落ち、並ぶモニターが全て同一の文字を映し出した。


サイレンが鳴り響き、回転灯が赤く輝く中。

ぼくらからは見えぬ『デモクラシア』の外観にも、大きな変化が起きようとしていた。


整然と並ぶレンガの継ぎ目が開き、巨人の胸部中央に裂け目が広がってゆく。

その中から現れたのは、コックピットに出現したものと同じ―――否、()()()()()()()()()()()()()()()()


それを()()()と巨大な腕で掴み、一気に引き抜く。


瞬間、周囲を銀の閃きが満たし、束の間、泥の海は真昼のような輝きに包まれた。

視界を満たしたフラッシュは瞬時に収まるが、ある一点―――()()()()()()()()()に、その残滓が残されていた。


それは―――巨人の背丈程もあろうかという、白亜の剣。


えもいわれぬ輝きを纏った両刃のブレードが、()()()()()()()()()()()()()

ようやく照明が戻り、周囲の様子を映すようになったモニターの中に()()を見つけたぼくは、あまりの事態に口を()()()()開けていた。



「は、箱から・・・()()()()()()()―――」


「そう!遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ!これなるは『デモクラシア』最大の武器、その名も―――『()()()』!!」


「おぉー・・・(ぱちぱちぱち)」



犬養青年の決め台詞に、感心した様子の後輩が()()()()と拍手を贈る。

コックピット内のムードが盛り上がる反面、ぼくは内心、()()()()()()()()()()()()()と、ひっそりと思うのだった―――



今週はここまで。

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