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お釜大戦  作者: @FRON
第五章 ダゴン・マル・アズサ 北海の大決闘!!
186/345

∥005-64 決着、そして次の戦いへ

#前回のあらすじ:爆発!跳躍!木端微塵!!



[孫六(マゴロク)視点]



「うわぁぁぁぁあ!!!」


「ぐぅっ―――!?」



再び走った衝撃に、激しく振動する大地。


敷地内を避難していた職員達が一斉に悲鳴を上げ、次の瞬間に横殴りに襲ってきた衝撃波にあおられる。

()()()()とアスファルトの上に倒れこむ職員達をよそに、孫六は衝撃の大本―――大破したトラックの荷台へと目を向けた。


大型トラックのボディは見るも無残に()()()()()になり、散らばったガラスの破片の上に転がっている。

たとえプレス機に掛けたとしても、鋼鉄の塊を()()まで変わり果てた姿にすることは難しいだろう。


そして、その後部。


荷台であった部分に探し物を見つけ、孫六は思わず目を見張る。

荷台の成れの果てにへばり付くようにして、つい先程叩き潰されたばかりの、メーサー砲の残骸が残されていた。


わなわなと震える声で、思わず()()()と呟きが漏れる。



「わ、儂のメーサー砲が・・・!?」



元がなんであったのか、判別できない程に破壊された部品の端からは、黒く焦げ跡のあるコード類が数本、伸びている。

衝撃を物語るように鋼板に半ばめり込み、伸し餅のように平坦になった残骸は、明らかにもう二度と動くことは無いだろう。


施設中の電力を吸い上げ、見上げるような巨人に一度膝を付かせた雄姿は、今となってはもう見る影もない。


しかし不幸中の幸いと言うべきか、トラック周辺は無人だった為、犠牲者はゼロだ。

だが―――損害金額を考えると、思わず気が遠くなってしまう。


日本円にして数億もの金額を注ぎ、対『泥艮』(ディゴン)兵器として用意した虎の子―――それも今は、ただの屑鉄の塊(ガラクタ)だ。


施設長は内心の憤りと無力感を込め、残骸を前に佇む巨人を()()と見上げる。

月明りの下、怪物は負傷の為か、荒く肩を上下させていた。


しかし―――すぐに面を上げると、しっかりとした足取りで施設内部を歩み始める。



「くそっ、待て―――!!」



手を上げ、慌てて追いすがる。


しかし、そもそもの歩幅が違い過ぎる故か、見る見るうちに怪物との距離は離されてゆく。

その場に取り残された男は金切声を上げると、地団駄を踏みながら()()()()()()の罵詈雑言をまき散らすのであった―――

今週はここまで。

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