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2.チャリンコマンズ・チャンピオンシップ

(2月17日追加)

当該作品はアカウント消失により削除となりました。

これから読まれる方はご注意下さい。

 



 どうも、あっちいけだ。


 さて、早速だが最初に、どーでもいい余談を挟もうか。


 といっても実際には本題に、すこーしだけ関係のある話だ。まあ聞き流してくれて構いやしねぇ。




 さて、俺が日誌で『求める理由』を書いて以降、各所の活動報告やら何やらで色々とコソコソこの日誌について話している有象無象の連中がいる。


 ああ、いや、安心してくれ。今のところはおおむね好意的な意見しか目に入らない。お前らも人それぞれ熱量は違えど、小説に対して熱意を持っているんだな。安心した、嬉しかったよ。


 でもな。『あっちいけさんに勝てるほどの熱意がないから応募するの見送ろうかな…』みたいなこと言ってるやつ、いるよな?


 ああお前だ、お前。お前のこと言ってんだよ、俺は。


 あのなぁ。俺は熱意で負けてるやつは応募してくんなとは言ってねぇよ。そんなことしてみろ、きっと誰も俺のところに応募してこねぇぞ?


 見ただろ? 俺の熱意を。『求める理由で』。


 俺のこの熱意は、誰にも負けねぇ。

 小説に向き合う真摯さは、誰にも負けねぇ。


 それくらいの意気込みでもって、俺はこの日誌を書いてる。


 だからな。お前なりの『本気』でいいんだ。


 これは自信作だ、俺の書きたいが詰まっている、この話を一番面白く書けるのは俺だ!

 そう少しでも思っているんなら手を上げろ。小説にかける熱意の差なんかにビビッて、自分のスキルアップのチャンスを棒に振るんじゃねぇ。


 俺は小説を『本気』で書きたい奴らと切磋琢磨してぇだけだ。


 そうして応募してきた作品を、俺がぶった切ってやる。『俺が』、何を・どこで・どうして悪いと思ったか、『本気』で書いてやるよ。


 ああ、それでも現状、10万文字も読まなくちゃいけない作品がこんなに(今のところ十何件も)溜まっているからよ。それを見て『あっちいけさんも大変だろうし、私の作品でお時間取らせるのも申し訳ないな』と健気に心配してくれてるんだったら、まずは礼を言っておくよ。ありがとう。


 だが別に構いやしねぇ。俺だって莫迦じゃねぇんだ、息の抜き方くらい知っている。


 今でこそハイペースだがそのうち自分の作品に時間を当てなくちゃならなくなる時もある。そうしたらしばらく休憩してまた読み始める。


 あと、肝心なことをここで言っておくが俺は『10万文字を絶対に読み込む』というルールを自分に科すつもりはねぇ。


 前回のモノクロ君のクロステラ、あれでも書いたが俺の堪忍袋は3アウトで爆散するし、ストレスがモチベを上回ったらぷっつんだ。普段だったらそこでブラバだがこういう企画を立ち上げた以上、最低限『流し読み』だけはしてやるよ。


 流し読みしてやった結果、特に目を引くものがなければぶち切れ案件を感想にまとめて、はい終了だ。な? 俺にとってハードルの低い話だろ? そうでもしねぇとこんな企画やっていけねぇからな。


 ああ、なんだ? あっちいけもそんなもんかって?


 そうだ。そんなもんだ。どうだ、応募しやすくなっただろう?


 というわけでだ。俺は応募件数に怖気づかねぇ。どんどん来い。素晴らしいものはクロステラみたいに10万文字をちょっぴり超えちまうこともあるだろう。だがそれは俺にとっての力になっているから別に構いやしねぇ。


 お前らの作品を、俺の踏み台にさせてみろ。もし少しでも貶されることが怖かったら、悪いことは言わねぇ、見ているだけにしておきな。









 さて、小話は終わりだ。ここからは感想に移るぜ。


 今回、俺へ踏み台を献上してくれた作者は同志『古城ふるきろっく』君だ。


 以下、募集要項からの引用だ。先に目を通してくれ。


 ――――――――――――――――――――――――


【作品名】

 チャリンコマンズ・チャンピオンシップ

(https://ncode.syosetu.com/n8876em/)


【簡易的なあらすじ】

 主人公の少年は、自転車に乗って日本縦断レースに出場する。そのレースは、それぞれの乗り手が自慢の自転車を持ち寄る、何でもありの勝負だった。


【フックポイントの話数】

 第3話


『悩み』

 本家nanimonoさんが割烹で言っていた「読み進める力が足りない」が気になります。どうすれば読者に読み進めてもらえるようになりますか?


【本気かどうか】

 もちろん本気。日本を自転車大国にして、今は自動車の道とされている車道を、自転車と折半させてやる。その礎となる所存。

 僕が売りつけるのは一冊数百円の文庫本じゃない。安くても一台数万円の自転車です。

 ここから、道路を支配する革命を起こす!


 ――――――――――――――――――――――――


 引用ここまで。




 さて、グラフに行く前に今回は1つだけお前らに言っておきたいことがある。


 実はこの古城ろっく君は俺の友人であり、今回差し出された『チャリンコマンズ・チャンピオンシップ(以降、チャリチャン)』に至ってはほぼ最新話まで読んでいる。何なら過去2回も感想欄へ邪魔していてその両方ともべた褒めの部類だ。言ってしまえば、俺は一ファンにあたる。


 ただし今回、俺は古城ろっく君に対して『お前の作品ぶっ潰してやんよ!』と宣言してきた。古城ろっく君も、満面の笑みでもって受け入れてくれた。


 だから俺は今日この時だけ、ファンをやめて鬼になる。




 ああ、そうだ。ここでついでに俺が書いた感想ページへのリンクも貼ってやる。(https://novelcom.syosetu.com/impression/list/ncode/1168760/?p=4)


 ほれ。もし俺の普段の感想スタイルを見たけりゃ覗いてみな。


 ……あ、感想が増えるとずれてしまうかもしれねぇな。


 2018年10月25日・26日にコメントがある。読みたい奴だけ読んできな。








 閑話休題。







 さあ、待たせたな。


 まずこれが、俺がチャリチャンを読んだ時の感情グラフだ。


挿絵(By みてみん)


 ああ、色々突っ込みどころあるだろうが今は飲み込んでおけ。全部説明してやるからよ。


 ちなみに今回は実験的にスマホ対応を優先させて縦長にしてみた。どうだ、ちょっとは見やすくなっただろう?


 あとこのグラフは2週目読んだ時のグラフではなく、初回読んだ時の感情を極力再現してみたものだ。そこのところをはき違えないでくれよ?











 ―――さて。


 ここらでちょいと、この作品を読んでねぇやつらの為に、チャリチャンがどんな作品が概要を説明しておくぜ。




 この作品、おおまかな内容は古城ろっく君が書いてきたあらすじ通りだ。


 スポーツ自転車初心者の主人公、中学3年生のそらくんがアマチュア向けの日本縦断自転車レース『チャリンコマンズ・チャンピオンシップ』に参加することになる。


 他の出場選手は当然スポーツ自転車乗りが多いが、ママチャリとか電動自転車なんかもあって、中には子供をチャイルドシートに乗せて出場する普通のおっさんもいる、何でもありな大会だ。


 レース内容としては青森がスタート地点、ゴールは鹿児島。そこに至るまでのコースは大会運営が国から許可をもらっていて道路や線路が封鎖されており、そこがそのままチャリチャン専用のコースになっている。


 普段は道路交通法に基づいて速度や信号、走行車線なんかに気をつけなくちゃいけない自転車もこのレース中はそんなしがらみ一切関係なし。設定上、コースは全て私道扱いになっているからな。


 だから何をやってもOK。対戦相手を抜くために反対車線を走ったり、線路を走ったり高速道路を走ったり、日本では違法扱いになっている自転車で走ったり。レース中の接触はすべて事故とみなされるので物理的妨害もありと来ている。自由すぎるルール故、予想だにしないハプニングが多発していく。


 そしてここがポイントだ。このレースはアマチュア向け・21日間ぶっ続けと長い開催期間ゆえに一日一日のレース中に出会いがあり、別れもある。主人公の空くんが走っていると個性豊かな他の出場選手が話しかけてきて、バチバチなレース展開もあれば悪路を協力して踏破したり、多種多様な人間模様が描かれている。


 登場する人物全員を好きになれるくらいの素晴らしい心理描写と背景設定、雰囲気の表現がそこにある。この作品はまさしくヒューマンドラマの至宝と呼ぶにふさわしい。


 そうして様々な登場人物に感情移入しながら読者は、自転車乗りとしても人間性においても日々成長していく空くんと一緒に、さながら自転車を転がすようにページをめくっていく―――










 ああ? なんだって?


 これじゃただのレビューだって? 褒めるのはいいから早くぶっ潰してくれって?


 ああ、すまねぇな。上のはちょっとした余興だ。ちゃんと潰しどころは別に用意しているからもう少し待ってな。






 ―――さて。


 上で俺が書いてみた概要についてだが。てめぇら、読んでみてどう思った? 正直に言いな。


 面白そうと思ったか?

 ちょっとは読んでみたいと思ってくれたか?


 そう思ってくれたのなら実験は成功だ。ただ、今すぐチャリチャンを読みに行くのは待て。


 もうちょっとだけ俺の感想に付き合った方がいい。後悔したくねぇならな。







 さて、ここで流れをぶった切って初めに出したグラフに戻るぜ。


 このグラフ、前回のモノクロ君のクロステラと比べたら初っ端以外はだいぶ良い形になっているな?


 その初っ端にあたるタイトルとあらすじ。残念ながら俺は自転車に全く興味ねぇからそこの2つは面白さ(期待度とも呼べる)が0だ。大きくモチベが下がって、ストレスも高い状態から始まっているよな?


 だがな、始まって1話目から早速人間模様が面白いんだよ。空くんが人生初のスポーツ自転車に出会って、その軽快さに、速さに、感動する話だ。


 2話目も、同じクラスにいた茜ちゃん(ヒロイン)が同じスポーツ自転車乗りであった為に仲良くなる話なんだが、掛け合いのセンスが絶妙だ。主人公・ヒロイン共にキャラが立っていて、それでいて不快感が全くねぇ。純粋に応援して見守れるキャラになっている。


 3話目は主人公とヒロインがチャリチャンに参加する為にひと悶着する話になるが、この話もまたぐっと来る。描写は素っ気ないのに臨場感というか雰囲気作りが半端ねぇ。


 そしてそのまま4話に行って(話数でいう4話は用語集だからそこはカウントを飛ばす)、とうとうチャリチャン開催。魅力的なキャラクターがいっぱい出てきて、そこまで読んじまえばもう虜だ。一話一万文字くらいあるんだが、いつの間にかすっと読み終わっている。


 もうその後は面白さ60点以上のオンパレードよ。俺の中で60点っていうのは『結構面白いじゃん』の部類だ。読みたいモチベがぐんぐん上がり、読み進める指が止まらない時の点数だ。


 そしてキリの良いところで9.5話。こいつがまた卑怯なんだ。俺のお気に入りのキャラが―――あ、なんだって? もうそろそろ良いところは聞き飽きたって? いいからさっさとぶっ潰せって?


 ああ、もう仕方ねぇなぁ!


 分かったよ! ここらで俺はファンの仮面を脱ぎ捨ててやんよ!!























 ―――おう、待たせたな、お前ら。特に古城ろっく君。


 ここいらでそろそろネタ晴らし。本題と行こうじゃねぇか。







 まずこの作品、作者である古城ろっく君が真に読者へ訴えたかったことを言っておこう。


 【本気であるかどうか】の欄で書いている通り、彼は読者に対して自転車を買わせることを目的としている。


 もちろん、言葉を額面通りに受け取るなよ? その奥の意図を読み解け。それが出来ねぇんなら夏休みの読書感想文の宿題からやり直してくるんだな。








 さて、つまり彼はこの作品を通じて読者に対し、自転車がいかに素晴らしいかを啓蒙したかったらしい。


 ……そう。『らしい』だ。


 読んだのに、一ファンであるのに、そんな俺が『らしい』なんて曖昧な表現をしてしまうのはどうしてか?


 つまりそれは俺が、この作品から自転車がいかに素晴らしいかっていうのを、ほぼ何も感じ取っていねぇことを意味している。











 古城ろっく君。お前の作品は素晴らしいよ。文体、物語の構成、心理描写、キャラクターの濃さ。すべてを取ってハイレベルな作品だ。俺はそれら全てに魅了され、ファンを名乗っているし感想もべた褒めだった。


 だがな。


 お前の掲げている『自転車の素晴らしさの啓蒙』という目的に対して、この作品、究極的に的外れだと言ってやる。


 お前は読者視点に立って物語を書いているか?


 いや、書いているつもりだろう。俺はお前のことをよく知っている。お前の苦悩をよく知っている。


 読まれない、ブクマが増えない。増えた、嬉しい。よかったところはそこか、為になる。そこが悪く感じるのか、反省しよう。


 そういったやり取りを積み重ねてきたお前に―――


 過去にたくさんの作品を書いてきて努力を積み上げてきた貴方に―――


 こんなことを言ってしまうのは大変心苦しくて仕方がないが。


 この小説はお前が掲げる目的に対して言うと、自己満足の単なるオナニーでしかないんだ。





 ここで1つ、実験してみよう。


 俺が今から載せるのはチャリチャン2話のある部分だ。


 そこを読んでみて、お前ら。読み進めたいと思うかどうか判断してみな。以下、引用だ。


 ――――――――――――――――――――――――


「これがアタイの自転車だ」

 駐輪所の端に止められていたのは、グレーのフレームが特徴の落ち着きある自転車。とりわけタイヤが細い訳でもなく、目立ったカラーリングでもないそれは、後ろから見た限りでは特別な感じがしなかった。

 キーを外した茜は、駐輪所からその車体を引き抜く。フロントが露わになったことで、空はその車体が普通車じゃないことをようやく確信した。

 オフシーズンに対応した非舗装路トレイル用ロードバイク――シクロクロスと呼ばれる車体だ。その知識のない空にも、この自転車の異様さは何となく伝わる。


「CENTURION CROSSFIRE-2000だ。まあ、15万くらいの安物だな」


 安物、と茜は言ったが、もちろん本心から言ったわけではない。確かにシクロクロスの中ではエントリーモデルになってしまうが、言うまでもなく15万は中学生にとって大金だ。茜も随分と苦労して手に入れたので、セリフと裏腹に自慢げな表情である。

「それって……ドロップハンドル?」

「おお、なんだ。さすがに知ってやがるじゃねぇか」

 ロードレーサーなどの車体に取り付けられることが多いドロップハンドル……下向きにねじ曲がった独特のハンドルが、茜の車体に取り付けられていた。

 よく見れば、ハンドルには2セットのブレーキレバーがついており、どちらも前後に取り付けられたディスクブレーキにつながっている。

「補助ブレーキって言ってな。ハンドルをどのポジションで持っていても、瞬時にブレーキがかけられるんだ。ディスクブレーキだから急激にロックさせることもできるし、オフロード走行も可能だぜ」

「タイヤも太いね。僕のより太い」

「まあな。そっちは28cのスリックってところだろう?こっちは35cで全天候だ。ドイツのシュワルベってメーカーが作ってるマラソン。高耐久が魅力だ」

 オフロード走行できるといっても、MTBのような力強さは感じず、サスペンションなども見当たらない。空の乗るクロスバイクとは違った意味で、ロードとMTBの中間に位置する車両のようだ。

「ギアの段数は?」

「ああ、20段だな」

「あ、僕は24段だよ」

「勝ち誇るなよ。こっちはShimanoのTiagraだぞ。そっちは……ディレーラーがAltusでシフターがSRAMのX4かよ。比較しづらいな」

「えっと、どういうこと?」

 あまり専門的な知識を持たない空は、首をかしげる。まあ、実をいうと茜もオフロード向けのコンポについては大した知識もないし、スラムに至ってはほとんど見たことがないので

「どうでもいいことだったな。さあ、行こう」

 と、ボロが出る前に話を打ち切る。


 ――――――――――――――――――――――――


 引用ここまで。




 さて、俺は卑怯な載せ方をしたかもしれない。実際には迫りくる専門用語のうちいくつかは既出となっているものではある。ただ、大半のところは初出の単語だ。


 ちなみにここの専門用語の数々は比較的易しい部類のものだし、一応説明もついている。だから読み込めばいつか理解はできる。


 ただ、ここは日常パートの一幕だ。そんなところで読者に集中力を求めている時点で、読者に対して相当ストレスを与えていると感じずにはいられない。


 恐らく、大半の読者がここを流し読みするだろう。文章自体は綺麗にまとまっているからさらさらっと読めてしまうからな。


 だがな、作者はこれで説明義務は終えたとばかりに次からは詳細な説明なしでばんばんと用語を羅列してくる。


 例えば、これだ。以下、8話から引用。



 ――――――――――――――――――――――――


 キャリバーブレーキとVブレーキに圧倒する制動力、安全性【機械式ディスクブレーキ】

 アップグレード!信頼できるシマノの品質+豪華な21段変速機

 多用途ハンドルバー 通常の姿勢はそろそろあきましたか?新しい姿勢を試してみましょう

 フロントスペンション+オリジナル肉厚タイヤ


 いかがです?個人的にはフロントスペンションが一番笑えましたけど、スペック表に書かれているSIMANO製21段変速機も地味にツボです。なぜフロントサスペンションじゃないのか?なぜshimano製じゃないのか?


 ――――――――――――――――――――――――


 引用ここまで。


 さて、もはや意味が分からない単語の羅列にしか見えないこれだが、詳細を語ると作中のキャラがとある自転車を指して笑う場面だ。


 俺にはもう、わけがわからなくて逆に笑ってしまうくらいしか出来ない。ちなみにこの場面の話し相手はヒロインの茜ちゃんであり、彼女は自転車の知識も豊富な為、この話を持ち掛けてきた相手に同意してげらげらと笑いこげる。


 俺の口からは既に、乾いた笑いも消え失せているのにな。












 さて。古城ろっく君。改めて言おう。


 お前はターゲットの像を完全に見誤っている。


 自転車の素晴らしさを啓蒙したいのなら、対象は恐らく『通学とか買い物とかで自転車は使ったことあるけどママチャリ程度にしか乗ったことがない奴ら』になるだろう。間違っても今バリバリにMTBとか走らせている奴らじゃないことは間違いねぇだろ? ちなみに俺はそのターゲット像ドンピシャな奴だ。


 それなのにお前ときたら、1話目からわけ分からねぇ専門用語のラッシュじゃねぇか。


 トップチューブってなんだ?

 コンポーネントってなんだ?

 スリックタイヤってなんだ?

 アウト・イン・アウトってなんだ?

 Vブレーキってなんだ? 


 まあ、何となく前後の文のニュアンスと文字の響きから想像できるものはあるよ。だがな、読者はそういったものをモヤモヤとして抱え続けるんだよ。それを読むときのストレスと呼ぶ。


 そしてそれは1話目だけじゃねぇよな? 2話目からは茜が出てきてもっとディープそうな専門知識のラッシュだ。3話目もそうだ。レースが始まってからもそうだ。


 話数をどれだけ進めて行ってもメーカーの名前や車体の構造なんかの話が出てくるが、ちっとも理解出来ねぇ。てめぇ、少しは読者の無知に寄り添おうっていう気はねぇのか?


 いいだんよ、専門的な知識は。そんなのは空くんと一緒で、興味を持ったら自ずと調べて身についていくもんだろ? 趣味ってのは、そういうもんだろ?


 お前がやっていることは、知識をひけらかして一般人ぱんぴーをドン引かせているオタ話、そのものだよ。用語使わずに雰囲気でチャリチャンを描けねぇのか?


 ああ、それと。用語集、用意してあるよな?


 あれ、絶対見ねぇから。長すぎ、多すぎ。


 お前はいったい、何を急いでいるんだ?


 俺たち読者に対して初っ端からから空くんみたいな超理解を求めるなよ。


 それに、俺たちは文字しか読めねぇんだ。目の前に実物がある空くんと理解力が一緒だと思ってくれるな。あっという間に置いてけぼりにされちまうんだよ。


 登場人物のマニアックなやり取りな、聞いててさっぱり意味が分からねぇんだ。俺にはミスリードや茜ちゃんが爆笑しているフロントスペンションの何が笑えるのか、そもそもそれが何なのか、単なる誤字なのかフロントスペンションなるものが本当にあるのかすら、全く分からねぇんだ。


 お前が本当に自転車を啓蒙させたいなら、用語を使わずに描写してみせろ。読者をつまづかせるな。


 それかせっかく自転車初心者たる空くんを主人公に置いたんだ。彼を使えよ。彼と一緒に徐々に読者にも知識を植え付けてやれよ。その空くんが3話になったらいきなり自転車マニアになってて噴出したわ、読者完全に置いてけぼりだわ。俺はこのままこの作品を読み続けてもいいのか?って思ったわ。


 専門用語を乱立されると、『あ、この小説は私向けじゃないんだな』ってなっちまうだろうが。その時点で読者は離脱するんだよ。



挿絵(By みてみん)



 ここで登場させるが、これが俺の真の感情グラフだ。専門用語を全部読み解こうと必死になっていた時の、俺の心情だ。ストレス値が6話目以降で限界突破してんな、笑える。


 さて、もう少し真面目に語ると実はこの作品を読むにあたって、本当は1話時点でストレスがモチベを上回っている。既に即切り体制だ。現実に即すとこの時点で俺は読むのをやめようかと考えている。


 つまりな。最初の余談で話していたことと同じよ、本当の俺は1話目で既にこの作品を見限っていたんだ。すぐにブラバしようと思っていたんだ。


 だが俺はそこで読むのを止めなかった。


 なぜか?


 ……俺が拾ったスコップの前の持ち主に、感謝するんだな。





 ということで『真面目』に読むことをやめた俺は『不真面目』に読み始めた。ああ、流し読みってやつだ。


 ぱっと読んで理解できるところを取捨選択して、物語の展開をさらっと眺めていく。そういう読み方にシフトした。


 そうしてもう、ダメだ! これは俺向けの作品じゃない! と確信したところで切ろう。そう思っていた。


 ……ところが、どうだ。流し読みをし始めた途端にこの作品が面白くなってきやがった。


 専門知識が書かれているところを全て読み飛ばすと、それ以外のところは非常に読みやすい文章と感情移入しやすい内容だ。俺は夢中になったね。


 空くんと茜ちゃんがレースの合間に出会う人達とのやり取り、急展開によるハラハラ、キャラクターの深さを知れる心理描写。たまらないね。俺は情けなくも、見限った作品のファンになってしまったんだ。


 さて、そんな俺がどういった感想を書いたか。もう一回ここで過去書いた感想を見返してきてみな?


 ああ、そうだ。まあ、そういうこったな。うわべだけの感想って、そういうことさ。


 そしてこれが俺の本心だ。お前が語りたかった、訴えたかったことの何1つも手に持たないで褒め称えている、詐欺師みたいな奴が俺だよ。


 な? どうよ。俺たちの関係すらブッ潰れちまいそうだろ?








 ってなわけでな。最後に言いたいことはお前の語った『悩み』にも関係あることだからまとめて語るぜ。


 >『悩み』

 >本家nanimonoさんが割烹で言っていた「読み進める力が足りない」が気になります。どうすれば読者に読み進めてもらえるようになりますか?





 ……私はね。ろっくさん。


 この作品の完成度を非常に買っている。だからこそ、勿体ないとも思っている。


 それはこの作品が大衆向けに作られている内容でないことも問題だし。


 これだけ熱意ある情報量を受け止めきれない私側の無知も問題だし。


 それら含めて、『しょうがない』と諦めざるを得ない現状が、非常に勿体ないと思っている。


 恐らく、「読み進める力が足りない」って『どうせ続きでまた意味わからん話を聞かされるんだろうなぁ』っていうストレス負荷のことだとも思うんですよ。(もしかしたら違うかもしれませんが)


 ここの読者置いてけぼり前提で話をするが、あなたが投稿しているもう1つの作品、『チャリチャンL』の方。あれには私、レビューもつけたでしょう?


 あれは素晴らしい作品だった。チャリチャンのライト版と名を打っているだけあって、本当に自転車初心者の主人公が自転車マニアな女の子から手取り足取り、挿絵で図解までつけて自転車とは何ぞやを説明されているでしょう?


 あれも相当ニッチな作品だと思うけど、あれは私の中でチャリチャンで痒かったところにもきちんと手が届いている作品だと思ったから、思わずレビューまでしてしまったのです。


 あれを書けるなら、何故本編がああなっているんですか?


 レースを書きたいから仕方がない?

 レース始まるまでずっと講義みたいことをしていたら話がもたない?


 だったらそもそも、このチャリチャンを自転車啓蒙と謳うことが間違いです。


 チャリチャンLでの活動を、チャリチャン本編に活かすことは出来ないんですか?


 例えば、その回に登場してくる自転車の画像を前書きに貼っておいて、その自転車はこういう特性を持っていてこの画像のこういうところが特徴なんだよ!みたいに語ってくれれば、私はそれを楽しみに出来て、理解度も増して、ますますチャリチャンを好きになれると思います。


 読者にとってはね、『自分の理解力が足りてないのかしら?』って思う瞬間が一番のストレスなんだと思います。それを軽減してあげる努力を本編でしてあげることが、読み進める原動力にもなり、また作品へのファンを増やす要因にもなり、自転車の素晴らしさの啓蒙にも繋がるんだと、私は思います。









 さあっ、今回も語ったぞ! 俺が言いたいことは全て書き尽くした。


 言いすぎたか?

 穿った見方をし過ぎているか?

 それとも俺の理解力のなさに辟易しているか?


 すまんな。俺は俺だ。上に書いている感想が俺の真の意見であり、それ以上もそれ以外の感想は持ってねぇ。





 最後に恒例の2つ、やっておくぞ。



 ※ここで書かれている内容は全て個人的な意見であり、真に受けるかどうかは読み手に任せる。無視するも反論するもナニクソと思うも好きにしろ。





【作品名】チャリンコマンズ・チャンピオンシップ

【URL】https://ncode.syosetu.com/n8876em/

【評価】8点

(【真の評価】2点)


補足資料


【作品名】美少女店員が俺を「様」呼びで密着して指導してくれる!? ~スポーツ自転車はじめました~ (旧題:チャリンコマンズ・チャンピオンシップL)

【URL】https://ncode.syosetu.com/n3528eu/



 あー、一度感想書いてきた作品+交友関係が深い奴に対して本気で感想書くの、なかなか大変だったぜ!!


 さて、次はサイボーグ野郎の出番か。待ってろよ。


 \KOBAYASHI/

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i546984
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