番外編.最強の吸血鬼はひとの血を飲まない!!
どうも、あっちいけだ。
今回でこの日誌も完結だ。故にどうでもいい話とか挟まずにちゃちゃっと終わらせようと思ったわけだが、1つどうしても語りたいことがあったことを思い出した。
それは、俺にとって『本気で感想を書く』というのがどういうことだったのか、についてだ。
———つらかった。とても、とてもつらい作業だった。
他人様の作品を読むこと自体に苦労はない。感想を書くこと自体にも苦痛はない。なぜなら感じたままを当たり障りない程度に書けばいいだけなのだから。
だが『本気で感想を書く』ということになると、そんな甘っちょろいことを言えなくなる。
まず『本気』と謳う以上、嘘やごまかしは許されない。「ここまで言わなくていいか」とか「こんなことを書くと嫌われそうだからやめておこう」とか、そういった配慮が一切出来なくなる。
他人様とコミュニケーションを図るうえで、距離感や輪郭を調整するための方便が使えなくなる。俺は『本気の感想』を書く度に「こんなこと書いてしまって大丈夫か、俺の書いた一言のせいで相手の筆を折ってしまわないか、相手を深く傷つけてしまってしまわないか」等など、常に恐怖を抱き続けていた。
正直、日誌投稿直後に『あっちいけさんの感想で小説が書けなくなりました。さようなら』的なメッセージを送りつけられる夢を見て起こされることも多々あった。というかぶっちゃけた話ここ近日連投しているが、そういった悪夢にうなされて全然寝付けなくて、恐怖を忘れるために作品読んで感想書き連ねて、といった循環が起こっている。寝不足だ。
まあ、そんな話は置いといて。そんな恐怖を対外的に隠すための『俺』である。恐いものに蓋をして、好き勝手しゃべる為の疑似人格めいたものが、『俺』である。
今でこそ『俺』の顔を出す頻度が多くなり違和感抱く奴も少なくなっただろうが、日誌投稿当初はこんな口調で語る俺をびっくりして見ている奴らが多かった記憶もある。ちなみに今回の日誌をもってこの『俺』は完全封印する予定だ。理由は後述する。
話を戻そう。『本気で感想を書く』ことのつらさ。直接的に最もきつかったのは、やはり書いた感想がそのまま自分の作品にカウンターパンチを放ってくることの多さだ。
作者の視線と読者の視線。そこに大きな違いがあるのは、よーく知っているつもりだった。
だが、ここまでか。ここまで自分のことを省みれていなかったのかと深く傷つけられることが多かった。
自分及び自作品への自信が創作していくうえで欠かせない燃料になることは、一度でも作者側に立った者なら共感してもらえるはずだ。それが『本気の感想』を書く度に、自分の自信を滅茶苦茶に切り刻んでいく。
『本気の感想を書く』という行為は、ふわっと心の片隅で思いついた感想の数々を全て無理やり表層へ引きずり上げ、『どうしてそう思ったんだ!? どうしてそういう解釈をしたんだ、お前は!?』と拷問にかけるような作業だ。
拷問にかけられた俺は必死に自分の心を分析する。そうして出てきた答えらしきものを言語化し、『そういったことだったんだ』と頭で理解・認識できた時にふと我に返ると、自分の作品でも本質的に同じようなことが起こっていると気づく。
とんでもなくつらかったさ。でも、仕方がないね。
まあそんなわけで。『本気で感想を書く』という作業は俺を鍛えてくれたと同時に俺の精神を極めて摩耗していってくれた。長期間休まなくてはいけなかったり、一度始めたら集中的に投稿したりしたのもそれが理由の1つだ。息継ぎを忘れ、一気に集中して片付けないと俺がもたない。そして息が苦しくなったら一旦休憩。そんな感じだった。
本気の感想を書いた結果身についたことが多くあったが、どちらかというと身に染みたという感覚も強い。仕方ないね、それが今まで自分を振り返り見なかったツケなのだから。
ちなみに俺の『本気の感想』を読んで、偏屈になってないか?と言われたことがある。当然だ、普段であれば「こう感じたけど、まあそういう書き方もありだよね」で済ませていた自分をぼっこぼこに殴り倒して「はい…すみません…こう思ったのはこういう理由なんです…もう何も絞り出せません、勘弁して下さい…」と土下座させるくらいの勢いで生み出したのが『本気の感想』なのだ。偏屈、偏狭にならないわけがない。だから毎回言ってるだろう? 超個人的意見であって真に受けるかどうかは任せるって。
また脱線しちまった。話を戻そう。
最後だ。『本気で感想を書く』ことにあたって直接的に一番つらいのは上記した精神的つらさだったが、間接的にも結構つらい影響があって、それが文体だ。
『本気で感想を書く』為に用意した『俺』という口調は、俺が描きたい作品の世界と全くあっていない。それなのに感想の書き手である『俺』の文体が手癖のように出てきて、世界観や文章を壊しにかかってくる。
書きたいものを書けなくなる。それは創作者でありたい俺にとって直接的精神のつらさを遥かに上回る苦痛であった。
だからこそ、この日誌を最後に『俺』はいなくなる。今後一切、出す予定はない。
求められても、今後『本気で感想を書く』ことはしないだろう。のほほん、ほんわり、私はやっていきたいのです。
以上、すげーどうでもいい話終わり。
さて、どうでもいい余談を挟んぢまったが、本題に入るとするか。
今回、本日誌で最後の踏み台となるのは拙作『最強の吸血鬼はひとの血を飲まない!!』(以下、吸血鬼)だ。
最初の投稿が2018年3月、今から5年も前のことである。そして日誌投稿開始が2019年1月、日誌を書き始めて色々と思うところが出てきて改稿を決意して更新を止めたのが2019年4月。もう4年ほどが経つ。
もちろん、その4年間くらいをずっとこの『吸血鬼』の改稿にあてていたわけではない。ちょくちょく短編書いていたり、他の長編(中編くらい?)に浮気しかけたり。(投稿してないが)
ただ、俺の物書き生活において、中心には常に『吸血鬼』がいて、どのようにしたら『吸血鬼』をより面白くできるかをひたすら考えてきた。
そして結果、改稿版の吸血鬼はまだ23万文字くらいしか書けていない。もう少し書き進めたら構想全体の1/3くらいになろうかといったくらいだ。良い区切りを見つけたところで投稿し始めようとは思っているが、まだもう少し時間がかかりそうだな。
プロットも最後まで書き切っていない。何となく章ごとに描きたいことのイメージはついているが、肉付けした時に大幅な変更が必要になるのはいつものことで、書きながら考えていこうと思っている。
果たして、こんな調子でいつになったら書き終えられるのだろうか。俺の目の前にあるのはサクラダ・ファミリアも斯くやの完成しない小説だ。
こだわりが強すぎるのか。だが、俺は読んでいて楽しい、書いていて最高に楽しい作品をこの手で生み出したいだけだ。
その思いは書き始めた当初と今で変わらない。自作品への熱が強すぎて愛をこじらせすぎてしまっている自覚もある。
御さなければ。思い入れを強く入れすぎた作品はつまらなくなる。
そういった思いで俺は今も慎重に、熱を吹きかけながら『吸血鬼』を書き続けている。
さてはて、そんな前置きは置いておいて、改稿前の『吸血鬼』である。
今もネットの海に漂っている、書きたい衝動のままに書き進めた作品。
様々な事情でもって、続きを書くことができなくなったその作品。
———やるか。やるのか。やっちまうのか、俺は。
色んな意味で吐いてしまいそうだ。だが、旧作である本作に対して、日誌投稿開始した頃は完璧だと思っていたその作品に対して、差し出された踏み台を全て経験と力に変えてきた今の俺がそれを読んでどう思うのか。
必要だろう。やるべきだろう。やるしかない。やってやろうじゃないか。
今日が最後だ。俺は、心のままに感想を書き殴る。
いざ進もう。そんなわけで以下要項だ。
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【作品名】
最強の吸血鬼はひとの血を飲まない!!
https://ncode.syosetu.com/n6735eq/
【簡易的なあらすじ】
ヒトの血を飲むことができず、無能の吸血鬼と莫迦にされてきたアリスがとある事件をきっかけに最強の力を手に入れ、過ぎた力故に運命に翻弄されてしまう。
【セールスポイント】
どうすることもできない運命の力に翻弄される少女が傷つきながらも前に進んだり、挫けたり。苦しみもがく少女の必死な抗いが最後幸せに繋がるのかどうか、やきもきしながら読むのが好きなひとに読んでもらいたい。
【フックポイントの話数】
11.アリスの本音
『悩み』
困った半分、面白さ半分な悩みだが、書き進める度にプロットから外れる行動をキャラクターが勝手にしていく。特に主人公がひどい。
例として、当初は主人公が吸血鬼の血を飲める設定すらなかったのに何故か勝手に飲んでしまった。結果想定していたプロットやそこに行き着くまでの経緯を書き直す、といったようなことが各章ごとで少なくとも1回は起こる。(吸血鬼の血を飲んでしまった時にはタイトルすらも変えざるを得なかった)
この主人公が御せない。悩み半分、面白さ半分。
【本気で書いているかどうか】
想定しているプロットのような構想のようなものがありつつも、主人公がそれに沿って動いてくれるか分からない。
だからこそ彼女の行く末を俺が描いて見届けたいと強く想っている。この作品は、俺にしか描けない。そう思っている。
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以上。ちなみに上記要項は今の俺ではなく過去の俺になりきったつもりで書いているつもりだ。
と、いうわけで。
感想か。感想かぁ……マジでやるのか……?
まずはいつもやっている俺的概要説明については省略しよう。この日誌読んでくれている奴は半分くらい『吸血鬼』読んでんだろ、きっと。
そんなわけで概要説明を省いて、いきなり感想に入るわけだが。
死んだ。
俺が。
以上、感想終わり。
というのは冗談 (にしたいけど…)。
色々と、ああ、色々と言いたいことがある。だけど待ってくれ、まずは———
死にたい。
いや、別に黒歴史だとは思っていない。いや、でも黒歴史だなこれは。
いや、違う。まだマシな部類だ。読めるし、読めちゃうし、読んだ結果死にたくなっただけだ。
ああ、死のうか。
さて、気持ちを切り替えよう。
ここからは『吸血鬼』を書いた作者としてではなく、一読者、一スコッパーとしての俺が感想を述べていく。
ただ、あまりに深入りし過ぎると作者の俺が出てきてしまって感想書くどころではなくなってしまう為、手短に。良いところは語らず、問題点だけをつらつらと書き連ねていこうと思う。
あくまで読者。俺は読者だ。
———よし、始めよう。
まず1つ目の問題点としては『読者が気にしていない部分とか色々語りすぎ』問題。
これは『天寿』や『チャリチャン』の感想の時に書いた記憶があるが、読者が意識していないor興味持っていないことをどんどんと机の上にあげ、つらつらと語っていく作者のスタイルに問題がある。
初っ端の第1話で吸血鬼とは何かから始まり、世界の成り立ちや細かい設定までを思いつく限りに並べ立て、「よし! 設定語り終えたからこっからキャラクター動かしまくるぞ!」と息巻いている作者の満足顔が見て取れるうぅぅぉおおおおお……
焦るな、落ち着け。逆だから。
読者は確かに世界観や設定を知らないところから読み進めていく。それを知識として植え付けてあげないと作品を100%楽しめなくなるかも!と思ってしまう気持ちは分かる。
でも、逆だから。
まずはキャラクターを動かせ。そして情報は小出しにしろ。どうしても必要な情報から開示していって、細かいところは最初は『そういったもの』と思わせておいて、あとから『あっ、そういうことなの』と思わせればいいだろう。『なまどり』であった誓約の話みたいにさ。
そしてキャラの感情も全部説明しなくていい。もう少し行間を活かせ。焦るな。『枢機卿』とかほとんど感情描写なしでキャラクターの心情を表現できていたじゃないか。
1から10まで説明しなくていいから。1から3くらい説明して読者に補完させろ。あるいは誤認させろ。誤解させたままでもいい。そうして少し経った後に補完の情報を出して読者に情報のピースを繋ぎ合わせさせればいい。
その塩梅が、難しいんだけどな。
そして2つ目、作者が作品を特別扱いし過ぎている問題。
1つ目の問題点である「説明し過ぎ」との相乗効果で、読者に対して強いる労力が高い。文体に気合と硬さが入り込み過ぎていて、恥ずかしいぃぃぃいいやぁぁぁあぁ……
そしてそん中でも一番の問題はあらすじだよ、あらすじ。
なんだこのあらすじ。ちょっと酔っぱらってるってかちょっとどころじゃないんだよなぁあああぁぁぁ、これ……
作者にとって作品とは特別なもので、特別に力を入れて描きたい気持ちも分かる。だが、まずは何より読者に分かってもらうことこそが最優先に来るはずなんだ。
間違ってもポエミーになったりすおげろげろげろ……
お前! こんなのでよく『時フラ』の大前書きとか第1話の抽象的プロローグを殴りつけようと思ったな!
いや、でも待って欲しい!! フックポイントに挙げた第1章の「11.アリスの本音」とか最高だから!! 追い込まれた少女の描き方は素晴らしいよ!! うん、最高!!
———よし、気を取り直したところで続きを書こう。
3つ目、ここぞの場面での視点いったりきたりや時間軸いったりきたり。
お前、これについては『オーバーピース』や『近ごろの魔法使い』で指摘してたよな……お前も、いたるところでやってんぞ。
特に「39.見敵必殺―目に映る敵は必ず殺す―(上)」からがひどい。オーバーピースでぶった切ってた『勝った→と思いきや同じシーンを別の視点からもう一度』ってのと同じことやってんじゃねぇか……
あと第3章の中盤~クライマックス。ルイナ側の話とミチさん側の話が行ったり来たりで落ち着かない。ってかここら辺はマジで何を思ってこんな展開にしたんだおげろげろ…
まあいい。ストーリー全体的な話はあとでまとめて供養しよう。
あ、でも第3章でいうと「67.王子と召使い」から始まるアーデルセンとカリーナの話は最高にエモくて良かったよ! うん、最高!! 最高!!
———よし、次だ、次。
ってか最後にするか。ストーリー全体にかかる話だ。
なあ、この話って何を目的とした話なんだ? 読者はどういうものを期待して読み続ければいいんだ?
アリスはヒトの血を飲めない吸血鬼で、吸血鬼の血を飲んでしまったことをきっかけに強大な力を手に入れてしまった。
このまま吸血鬼と一緒に暮らすことができない、だから外へ旅立った。そうして前世の記憶をもとに自分の名前をルイナに変えて母親探しの旅に出る。その旅にミチさんという同行人がついた。
うん、そこまでの流れとしてはまだ分かる。ちょっと合間に悲しい出来事があったりしたが最終的にルイナがミチさんに頼ることを覚え、少し人間らしさというか心に安寧が芽生え始めた。そんな感じで第2章までが終わる。色々と恥ずかしい展開や無理やりな展開もあるが、まあ、許せる範囲だよ。
そこからだよ、問題は。どうして第3章でまたルイナをどん底に落とすんだよ。
いや、ルイナの立場に立ってみたらすっげえ悲しい思いをするのは分かるよ。自分のせいで母親が狂って死んで、父親も失意のどん底から立ち直れず、母親に似たひとを目の前で抱いていて、そしてあろうことか『生まれてくる子はもちろんヒトの血が飲めた方がいい』と言っていて。
ルイナ(=アリス)が過去に負った傷をナイフで更にえぐるような行為だ。その場面をアリスに見せようと仕向けたグーネルは許せん奴だ、ぷんぷん。
もういい。じゃなかった、まあいい。そんなこんなあってまたアリスは悲しみのあまり暴挙に出てしまう。それを、正気を取り戻した父アーデルセンが何とか止めて何とかなるというのが第3章のクライマックスだ。
そこまでは、最悪許すよ。ほかの読者が「いや、さすがにねぇべ」と言っても俺が許す。
だがな。
第3.5章、だいぶ心の余裕もでてきてある意味「なろう主人公」になりかけている(というか結構なってる)ルイナを、お前はまた失意と狂気のどん底に落とした。しかも今までの第1~3章に至るまでの失意よりも結構底に落ちていった印象もある。
どんだけ……どんだけ主人公の心をとっちらかせば気が済むのよ。
読者として振り回されっぱなしだわ。どういうテンションでこの作品を読み続ければいいのか訳わからねぇよ。
いや、要所要所は面白いのよ。「110.価値観<転ー前編>」から始まるダンテ君とのやり取りなんて最高だね。あと各章で切り取って読むとまだ良い感じなわけよ。
だけど主人公の精神状態の乱高下が激しすぎる。読者が「この先少しは主人公の感情も落ち着くのかしら」と思えるようになった途端に一番どん底。普通ならついていけんぞ、この乱高下。
ま、俺ならついていけるって今でも思えちゃうあたり、問題は根深そうだけど。
第3.5章単独でいえばまだアリか。やっぱり一番の問題は第3章だな。さっきはギリ許すとか言ってみたがやっぱり許せん。あれは読者置いてきぼりな展開だわ。
お前はルイナなのか、アリスなのか、主人公の心の軸がどちらであるのか明確にしていない。それには大層な伏線が張っているのを作者である俺なら知っているが、それを知らない読者が第3章のルイナ(=アリス)の凶行を見たら訳わかんなくなるよ。誰だよこいつってなるよ。どんな気持ちでいるのか分かるようで分からない。文字として書かれているのに納得感がないから理解に至らない。アリスという繊細な少女の心を具に描き切ったつもりで満足しているのが、お前だ。その実、読者置いてきぼりなのにな。
もしこの『吸血鬼』をストーリーラインこのままで改稿するのであれば、第3章をなくすことも検討した方がいいかもしれん。正直無くしてどう繋げ直すか想像もつかないがな。
全編通してルイナ=アリスを悲劇のヒロインにさせ過ぎている。特に第3章ではそれが顕著だ。それは気色悪さを誘発させており、悦に入っている作者のニヤケ顔が見えて鬱陶しい。
というか今思い出したわ。俺に1万文字以上の感想送りつけてきた奴が『テンプレと非テンプレがごちゃ混ぜになってキメラ化してる』って言ってきてたわ。
それだよ、まさしくそれ。誰に対して何を楽しんでもらいたいのか明確になっていない。主人公の心境に合わせてライトにもダークにもなって読者としてテンションが定まらない。
作者がその場面場面で好きなように思い付きで書いているようにしか思えない。その問題点が身に染みて分かってしまって、それがストーリー全体に根深く蔓延っていることに気づいて、もうどうすることも出来ないと思ったから俺は大改稿を始めたんだ。
結論。キャラクター性重視した回はわりと見れるものがあると評価できる。カリーナの話だったりダンテ君の話だったり。あとは合間に挟んだおちゃらけ回みたいなのも『そういった話が好き』なひと向けであれば全然読める代物であろうと思う。
だが、キャラクターの感情を昂らせて内面掘り下げていくシーンになるにつれ、描きすぎ。しゃべりすぎ。特別感を出し過ぎ。何度も言うけれど第1章のクライマックスから最新話の第4章まで、徹頭徹尾アリスorルイナが悲劇のヒロインぶっているようにしか見えない。
いや、違ったな。さっきも言った通りキャラクターが悲劇のヒロインになっているんじゃなくて、お前がキャラクターを悲劇のヒロインにさせようとし過ぎている。
とにかく、お前は感情が昂って色々激情を吐露させたり冒頭単独で独白させたりといったシーンでこそ『キャラクターが生きている!』と勘違いしているようだが、逆だから。
完全に作者の操り人形だから。作者がスポットライトばしばしに当てて『よっ、悲劇のヒロイン!』とか囃し立てているようにしか見えないから。
目を開け。自分とキャラクターの関係性を改めて見てみろ。
面白く書くことが最初の目的じゃないんだ。まずは読者の目線を意識して、そこから読んでも書いても最高に面白い作品を作り上げるのがお前の使命だろうが。
もう限界です。おげろげろ……
作者が楽しんで書いているのは分かる。だがどういう層の読者を想定していて、どういうポジションに立たせて、どういう風に思ってもらいたいのか。そういった思考・配慮がまるで欠けている。
独りよがりな作品。要素やキャラクター性は良いものを扱っていて、文章力もそれなりにあり、やりたいことが溢れてしまっているからこそ暴走している。
もう少し落ち着け。焦るな。うまく書けているところは本当にうまく書けているんだから。(俺的に)
情熱だけではなく、知識と経験と感覚を身に着けろ。読者の立場に立った考え方を身に着けろ。
そうしたらきっと、お前は最高に面白い作品を書けるようになる。
以上。感想終わり。
※ここで書かれている内容は全て個人的な意見であり、本作品を好きになってくれた人、少しでも感動してくれた人を莫迦にするつもりは毛頭ない。読んでくれたすべての人に、感謝を。
【作品名】最強の吸血鬼はひとの血を飲まない!!
【URL】https://ncode.syosetu.com/n6735eq/
【評価】5点(うまく書ければきっと10点)
さて、今回で本作『拾ったスコップで採掘日誌』は完結となる。
完結にあたり、まず感謝を。踏み台を差し出してきてくれた同志達には感謝の念が堪えない。
本気の感想を叩きつけてもいい作品を募集して、それに快く作品を差し出してきてくれた同志達。
お前たちと、お前たちの作品が無ければここまで本気で感想を書くことを俺はしなかっただろう。
1つ1つの作品を本気で読み込んで、どうしてそんな感想を持ったか本気で考察して、それを言語化して、時には感想欄やメッセージで場外乱闘して意見をぶつけ合う。
そうしてきたことによって俺はもう一歩、より創作を楽しめる方へ踏み込めたと思っている。
お前たちの作品が無ければそれは叶わなかった。本当に、付き合ってくれてありがとう。
そしてここまで読み進めてきた酔狂な観客たち。
誰かが言っていたが、俺が書いた本気の感想と自分でその作品を読んだときに抱いた感想を比べると面白いらしい。
確かに、想像したら面白いだろうなと思った。そういったことが出来るのは正直羨ましい。
だから誰か俺と同じことをやれ。ほれ、スコップはここに置いておくからさ。
俺にもお前らの本気の感想を、見せてくれよ。
そんなわけで、最後だ。
活動報告、感想、メッセージ、レビュー、ブクマ、評価ポイント等などで応援してくれた奴らに等しく格別の感謝を。
ありがとう。これからも切磋琢磨、していこうぜ!