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第2章:6節 勇気(Who dares wins)前編

□■機体DATA■□

第三世代機ダークナイト

型式番号:CA−132

全高:16.2m

本体重量:28.9t

装備重量:腕部・脚部兵装換装型。

ジェネレーター出力:2400kw

装甲材質:ナノチューブ繊維配合強化セラミック


□■ライオンシステム起動率28%■□


「ガイ様、起動チェック完了しました。」


複座式のコックピットの後方から透き通った声の女性がマリンブルーの長い髪をかき上げ、報告を上げる。


「遅い、もたもたするな!!サキ!!!発進!!!」


前方の操縦席にすわるガイと呼ばれた男は、左右に付いたコントロール桿を、成人男性の1.5倍はあろうかという大きな手で力いっぱい握り、押し込む。


・・・・・・・・


「申し訳ございません、起動はまだです。」


「なんだと、サキ!早くしろ!!!起動完了したと言ったではないか!?」


□■ライオンシステム起動率42%■□


システム・兵器管制等を行う後方に座るサキの目の前には起動率が表示されている。


「ガイ様、私はチェックが完了したと申し上げただけで・・・」


「ええい、言い訳は聞きたくない!!俺が早くしろと言ったら早くするんだ!」


「・・・・・・」


「・・・あとどのくらいだ?」


「・・・・・・3分ほどです」


「・・・・・・もしかして怒ってるのか?サキ?!」


「ハイ」


ガイはおもむろに自分の後頭部あたりに伸びているサキのモデルのように細い足首を操縦桿のかわりにつかむ。


□■ライオンシステム起動率65%■□


「怒ってないよな、サキ?」


両手に力を込める。


「ぅっ、ぉ、怒ってます・・・まだ」


さらに、力をこめる、骨の軋む音が聞こえるかというほうど・・・


「ぅくぅっ・・・ガイ様、・・・もっとツヨク・・・」


その瞬間、二人の目の前にポップウインドウが立ち上がり、


「おいおい、またやってるのかよ、ガイ」


「おぅ、なんだ、タシロ」


「なんだじゃないだろ、奴ら行っちまうぞ。早く出撃しろよ」


広域マップに目を落とすと、砂漠の渓谷を抜けようとする、5機のマルス機の敵の識別信号をあらわす、赤のポインタが移動しているのが見て取れた。


□■ライオンシステム起動率79%■□


「タシロ様、申し訳ありません。1分20秒後には発艦できます。」


「こいつにはもう、様は付けなくていいぞ、サキ」


「・・・了解しました。」困った顔を一つせずに答えるサキ。


「おいおい、ガイ、ついこないだ四司教になったばっかりだろ。偉くなったものだね。


それに僕が君のために特製のダークナイトも持ち出してあげたのに。」


「これはこれは、タシロ司教様、アリガトウゴザイマス」ガイは大きな右手を挙げる。


「よくも人はここまで変われるものだね、感心するよ。」


「俺はもう大司教にしか敬語を使わなくて済む。だからさっきの礼は特別だ。感謝しろ!!」


□■ライオンシステム起動率95%■□


「もう、いいよ、ガイ司教、僕達は先に仕掛けてる。くれぐれも、白のマルス機は破壊するなよ。スポンサーに怒られるからな。」


「わかった。ミスはしない。」


「お前にとってのミスは心配してない、白はダメだからな。わざと殺るなよ。生け捕りだからな。


サキちゃん、熱血出世バカを頼んだよ。」


「了解しました。タシロ様。」


<<通信終了>>>メッセージとともに


□■ライオンシステム起動率100%■□の文字が表れる。


「ガイ様、いつでもいけます。」


操縦桿に持ちかえ、力いっぱい押し込む。


「アルキメデス、発進!!!」


「ハイ、ガイ様♪」サキは自らの白い足首についた真っ赤な大きな手形に目を向けうれしそうに答えた。



発進シークエンスが鳴り響く中、第三世代機ダークナイトより一回り大きい流線型の機体は浮遊し、発射される。










□■機体DATA■□

第三世代機アルキメデス

型式番号:CA−175

全高:20.2m

本体重量:32.9t

装備重量:腕部・脚部兵装換装型。

ジェネレーター出力:3600kw

装甲材質:ナノチューブ繊維配合強化セラミック


次回:2章7節 勇気(Who dares wins)中編


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