第1章:終節 序章(End to start)
あとがきに、第1章の本質があります。ご覧下さい。
誤字脱字・意味不明なことがあると思いますがご了承下さい。読んで頂けると幸いです。
14、序章(End to start)
来た通路とは反対側に向かって歩く。
くそっ、何がどうなってんだよ。
結局、部屋には入らなかった。
というよりも、入れなかった。
なんか、女の叫び声は聞こえるし・・・
アイちゃん、どこに行ったのかなぁ〜。
腹減ったな〜
また、殺されるのかなぁ〜。
また?!!あれ、俺、殺されたことあったっけ?
殺されたら、ここにはいないよな。
通路のかどを曲がる・・・
「いたぞ!!」遠くから叫ぶ声がした。
また、来たよ。なんか面倒だな〜。
叫んだら逃げてくれって言ってるようなものなのに・・・
黒い塊が近づいてくる・・・
もう、なんか疲れた・・・
死ぬのも悪くないかも・・・記憶もないし・・・
ガコッガコッガコッガコッガコッガコッガコッガコッガコッガコッガコッガコッ
遠くから、視界が短くなって来る。
「あっ、潰されちゃった」
目の前、鼻の先は隔壁で閉ざされてしまった。
隔壁に向かって
「うおおおお〜」雄たけびを上げる。
「何がどうなってんだよ〜!誰か説明してくれよ〜!!
アイちゃ〜ん!!!」
なんでこうも簡単に人が死ぬんだよ!!
そう、ここは地獄だ・・・そうに違いない・・・
今まで相当悪いことをしてきたんだな〜俺〜。
隔壁に背を向け、再び、フラフラと歩き出す・・・
やっぱり、さっきの部屋に入らないといけないのかぁ
赤い髪の女性が入っていった部屋の入り口には、元来た通路から
何かを引きずったであろう血の跡が、中に続いていた。
なんだよ。また、誰か死んでるのか?
口の中が、胃液ですっぱくなるのを感じながら、部屋の前に立つ。
ズルッ
足を一歩中に踏み入れた瞬間、滑る床に足をとられ、前のめりに倒れた。
ベチャッ
ヌルヌルする気持ち悪い。鉄の臭い?血のニオイ?!
「あっ、どうもすいません」
差し伸べられた手をとる・・・
!!!!?
強くひっぱった手は、見事に二の腕より先がなかった・・・
「ぅおえっ」気分が悪い、クラクラする。
「・・・・・・・・君」
近くで男の声がする・・・
誰か生きてる・・・
おもむろに立ち上がり、声のする方に近づいて行く。
「レイコ君、逢いにきたよ。レイコ君、逢いにきたよ。」
黒髪の少女を抱いた、男が座り込んでいた。
その横には、
恐らく入り口で見かけた、赤髪の女性が死んでいた。
「ぅおえっ」気分が悪い、クラクラする。
なにがなんだかさっぱり、、、体も血でベトベトなのか、
自分の嘔吐でベトベトなのかさえわからない・・・
「これは一体何が起きてるんですか。助けて下さい。」
少女を抱く男に語りかける・・・
「レイコ君、逢いにきたよ。レイコ君、逢いにきたよ。」
少女の頭をなでる彼は、まったくこちらに気づかないようだ。
べちゃっべちゃっ
奥から、足音が聞こえて来る。
良かったまだ生きている人がいる。
べちゃっべちゃっ
視界には、ブロンドの髪を一つに束ね、銀縁のメガネをかけた少女が現れた。
「アイちゃん!!」
「会いたかった。最後に会えて。」アイは安堵の声をあげる。
が、目つきは鋭くなり、先の少女とそれを抱く男に銃口を向けた。
「レイコ君、逢いにきたよ。レイコ君、逢いにきたよ。」
同じことを繰り返し繰り返す彼は、それでも、意に介さなった。
「アイちゃん、助けてよ、もうイヤだよ。」俺は懇願した。
アイは、天使のような笑みをこぼし答える。
「・・・・・・ごめんなさい、もう助からないわ。」
「えっ、なんで!?なんで助からないの?俺も助けてよ。」
「もう手遅れなのよ。みんな助からない。私もあなただけは助けたい・・・」
「じゃ、助けてよ。ねぇ、助けてっててば〜」
「ごめんなさい・・・」
アイは俺に抱きつくと、口づけを交わして来た。
地獄で天国を味わうとはこういうことを言うのだろうか?
『自らが変われば、世界は変わる』
夢で聞こえた声が再び、こだまする。
アイは、爪を立て強く抱きしめる・・・
俺も、アイを抱きしめる・・・
『あなたには、その力がある・・・』
アイは舌を入れてきた・・・
俺は・・・
『選択の時は、今。
他人に願うことではなく、あなたがどうしたいのか。』
アイの唇を離すと、
「俺は生きる・・・そして、アイと添い遂げる・・・」
「ありがとう・・・気持ちだけで十分よ。」
「ただし、助かったら、続きをさせてくれよ」
「いいわよ、でもあと数秒しかないわ・・・」
アイは再び口づけをした・・・
目の前が、閃光に包まれた・・・
次回 第2章
配信予定10月4日
「自らが変われば、世界は変わる」
「自らの考え方が変われば、世界観は変わる」
「世界は個の総意によって成り立っている。
個が変わらなければ世界は変わらない」
最後までお読み頂きありがとうございます。
誤字脱字の指摘、コメントを頂ければなお幸いです。
申し訳ありません、ラブコメあり、ロボットあり、と書いたのですが、第2章ではそれなりに
書けそうです。