突入
応対課に戻った三人は、ミーシャからの情報を犬飼に伝えた。
「なるほどね。またどこかに運ばれる前に潰した方が良いね」
簡単に結論は出た。
「日時は」
「本日二三時」
「人員は」
「一之瀬君、月村君、東君」
月村と課長が話を進め、時刻は二〇時。日もすっかり沈み、作戦決行時間まで三時間を切った。
第二丸山化学研究所から三〇〇メートルほど離れた路上。車の中で、もはや馴染みの三人が突入を待っていた。
「東、やることは解ってるな?」
一之瀬が、バックミラー越しに聞く。
「大丈夫です。俺は、直接戦闘を避けバックアップ役に徹する」
「そうだ。戦闘は俺と月村がやるから、お前は連絡と押収な」
そのまま時刻は二二時三〇分。突入の時間三〇分前。
「そろそろか。最後に一服していくかな」
「だな」
一之瀬と月村は煙草に火を付ける。
「あ? なんで扉が開いたんだ?」
月村の視線の先、今までしまっていた研究所の扉がいつの間にか開いていた。素早く煙草を灰皿に押し付け、後ろを振り向く。
「東、銃くれ」
後部座席に積んであるアサルトライフルを二人に渡し、受け取った二人は車を降りた。
東もそれに続いて降り、腰の銃を確認する。恐らくは使わないだろうが、絶対とも限らない。
三人の向かう先には開いた扉。そこから研究員らしき男たちが二人出てきた。
「警察だ。動くな」
銃を向けると、男たちは戸惑ったように動かなくなった。そして条件反射とでもいうのか両手を上げる。
「はいはい、抵抗しなきゃ撃たねーから安心しな」
「中には何人いるんだ? 武装してるヤツは?」
「警備員が複数いる」
一之瀬が銃を向ける。
「ま、待ってくれ! 人数はわからない。少なくとも五人はいるはずだ」
武闘派の組織や、信頼を勝ち取っているなどの事があれば、口を割る部下も少ないのかもしれないが、単純に金で雇われているだけの研究員であれば、自分の命の方が大切だろう。
「東、こいつら縛って転がしとけ」
「了解」
言われた通り彼らの両手両足を結束バンドで縛る。
「やってきました」
「よし、ちょっと早いが突入だ」
銃をジャキリと構え、静かに三人の突入が開始された。




