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応対するなら、まず銃で  作者: 矢壱
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ヌイグルミ

「あの、どこに向かってるんですか?」

 車の後部座席に座っている東は、運転席に居る月村にそう言った。

 しかし、答えたのは助手席の一之瀬だ。


「お前、話聞いてなかったのか? 現場だよ」

 数十分前にもたらされた情報。不老不死を目論んでいた財閥の当主、丸山十藏まるやまじゅうぞう。彼は科学とオカルトの両面から不老不死に近づこうとしていた。その過程で古今東西のオカルト品を収集していたらしい。八割程は偽物だったが残りの二割が本物だった。

「全く。爺さんがモノを仕入れたルートの把握なんて、苦労のわりに空振りが多いのが予想できるぜ」


 金持ちが買い付けに来るオカルト品の流通ルートなど、大半が裏の店だ。奇品珍品ならまだしも、曰くの付いたモノを取り扱っているのなら見つけるだけでも一苦労のばず。

 しかも、一之瀬たちが動いているのが知られれば、一斉に地下に潜るかもしれない。

「まずは情報を買うことからスタートだ」

 一之瀬はそう言って煙草に火を付けた。


 走る事三〇分。何故か大型のゲームセンターに到着した。

「ここですか」

 駐車場に着くと車のエンジンを切ったので、情報提供者も現れるのだろうと思っていると、

「何やってんだ、降りるぞ」

 月村に促されて三人はゲームセンターに入った。

 室内は爆音が流れ交じり合っており、筐体が所狭しと並んでいた。

(確かにこういう所なら、何を話していても大丈夫か。人の目もあるしな)

 一人でそう考えていると、月村から一万円を渡された。


「お前の軍資金な」

「何ですか、これ?」

「お前、一万円持ったことないのか?」

「いや、何故現金を渡されたのか。という疑問です」

「必要なんだよ。文句言わずにヌイグルミ取って来い」

 二人を無視して、一之瀬は早速筐体に向かってた。

「解りました。適当に景品を取ってくればいいんですね」

「適当はダメだ。それとフィギュア系ではなくヌイグルミな」

 そう言われ、東は訳もわからないままヌイグルミが取れる筐体の前に立った。


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