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第1話

1


 帝国暦1361年


 とある世界のとある場所、男女問わず現代では時代錯誤の鎧を身に付け、手には剣と盾を持ち人では無い者たちと人間が、戦闘を繰り広げていた。そこでは、人外も人間も関係なく血と泥にまみれ、先ほどまで隣で談笑していた仲間は、いつの間にか物言わぬ肉塊となりそこら辺りで腐乱臭を漂わせている。


 「全隊前へええぇぇぇ!敵を殲滅せよおおぉぉぉ!」

 「おおおおおお!」


 人間の兵士は、隊長の言葉に士気を上げ攻撃を開始した。


 「gjffhdfgぐtyぎぃvhぐgd!」

 「ーーーーー!」


 人外も負けじと人語では理解出来ない隊長の言葉に士気を上げ、反撃を開始した。

 兵士達の怒号、剣や鎧に盾の交じり会う時の金属の音、そして砲弾の爆発音。兵士達はそれぞれの思いや祖国、そして大切な者の為に血反吐(ちへど)を吐きながら戦う。

 人間は数の上では人成らざる者、魔物に勝っていた。だが、今戦っている魔物はオークとオーガの混合軍。足は遅いが、オーガの硬い皮膚にオークの軟らかすぎる皮膚、そして共通の豪腕、その力はどちらか1匹を人間の村に入れるだけで、村が30分で全滅するほどだという。それほどの力を持つものが、少数とはいえ"軍"として機能すれば、どれだけ恐ろしいか想像に容易い。所詮は人間。武器を持たない人間が、人間サイズの虫や動物に勝利出来るわけがないのだから。

 人間が敵が1体殺す為に人間は数十と死んでいった。


 「騎士長、このままではじり貧です!早く本部へ撤退許可を‼」

 「ならん!まだだ、先ほど応援を本部へ要請した。応援が来るまで持ちこたえるだ!」


 だがじり貧の状況での時間稼ぎは、はっきり言ってしまえば兵士に死んでくれと言っているようなものだ。ただでさえじり貧な状況なのだ時間稼ぎしていれば、ゆっくりそして着実に人間側が不利になっていく。そして誰もが心の中ではこのまま自分達は「物言わぬ肉の塊になってしまうのでは」と戦意を失いかけたその時、騎士長の頭の中に1本の通信がはいった。


 (こちら001航空魔導班ドーフ01後120秒後で射程圏内に入る。残り30秒前にもう一度連絡を入れる、その後戦線を後退しろ)

 「りょ、了解!おい、誰か今から伝えることを、騎士達に伝えろ‼」


少しして兵士達全員にその事が伝わると、ゆっくりゆっくりとまるで、全体的に押し負けているかのように後退していった。だが、その目には負け犬の様な情けない目ではなく、闘志の籠った諦めない覚悟がギラギラ瞳に現れていた。しばらくすると、隊長の頭の中にカウントダウンが聞こえてきた。


(カウント10から始める!10、9、8、7、6、5、4、3、2、1)


ちょうど0になる時、まだ戦場から見えぬ遠方から複数の火球の雨が魔物達を直撃した。先ほどまで苦戦を強いられていた騎士とは違い、魔物の軍勢は一気に半数以下までその数を減らした。

騎士達が呆然とその光景見つめていると、騎士達の背後に鎧ではなくローブを羽織った男女が降り立った。だが、彼等の先頭には彼等より一回りも二回りも背の低い男児が降り立った。


「航空魔道班001班長のアビス・カーティーです。色々話したい事はありますが、ここはこの場をどうにかするのが最優先とします。申し訳ありませんが、ハヌマ中隊長殿たち騎士隊は私の下に着き、指示に従ってもらいます」

「な、何 ︎確かに先ほどは緊急の為に従ったが、俺自身は二等騎士だ本来なら貴様のような子供、しかも俺より下の3等魔導師の貴様に従わなくてはならない!」


ハヌマはアビスの言葉に激昂すると、アビスは男児とは思えない人を馬鹿にした顔で「フッ」と鼻で笑った。


「お忘れですか?貴方の此度の行動は、命令違反に当たります。更に違反だけでなく、この中隊に多大な損害を与えました。その様な者になぜ隊の指揮を任せる事が出来ましょうか?」


アビスの言葉に「クッ!」と苦虫を噛んだかのような表情を浮かべて後方に下がった。

その後、アビスの指示で騎士隊と航空魔道班が戦闘を行った。

戦闘の方法は単純で、騎士たちが剣で牽制しつつ盾できちんと防御をし、魔導師たちが魔法でトドメを刺すという戦い方だ。安定したその戦い方は、先ほどまでの騎士だけの戦いとは違い、被害は大きく激減した。そして、この日の戦闘は魔導師が加わった事により、人間側の快進撃が続き魔物側は拠点まで退却することになった。そして、今日は人間の勝利に終わった。

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