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邪鬼の刻印  作者: どんC
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第三章 ライル神官

 おかしい。

 と皆が気付いたのは随分たってからだ。


 カルロスとミザリーが、結婚してから王族がおかしくなった。

 まず初めに王と王妃が急な病で亡くなった。

 まあ二人ともそれなりの歳なので、初めは皆気付かなかった。

 王太子が王となると、第二王子・第三王子・第四王子と次々と亡くなり。

 オマケに三人の姫君もだ。

 病が流行っているわけでも、戦があった訳でもない。

 後宮に上がった女達もおかしくなった。

 初めは本人の手紙が、いつの間にか別の筆跡になり。

 ドレスや宝石を強請るものばかりになった。

 次々とメイドが消える。


 そんな中、キャサリンは王の命令で遠い国から留学していた父と結婚させられ。

 二度と帰ってこないように言い聞かされて多額の持参金を貰って国を出された。

 厄介払いだと皆思った。


 王妃の贅沢三昧で国庫は空になった。

 民は飢え。

 あちらこちらで内乱が、起きた。


 そんな時、マグリス家に一人の神官が訪ねてきた。

 彼はライルと名乗り。

【天の邪鬼てんのじゃき】を追っていると語った。

 彼は【大黒森】の村に住む村長の息子だった。

 彼は村を滅ぼした【天の邪鬼】を追ってこの国に来たのだ。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 彼の父親がその子を拾ってきたのは、大きな地震が起きて数日たった後だ。

 村はずれにある。

 大きな古い塔の様子を見に行った時。

 その子が、塔の中から這い出して来るのを見つけた。

 親とはぐれて塔の中で雨宿りをしていたら地震で塔が崩れたのだ。

 と子供は話した。

 その子供は、村長である私の父親が引き取った。

 父親も母親も二人の兄もその子を可愛がった。

 村のみんなも彼女を愛した。

 その子供は、銀の髪にアメジストの瞳の美しい少女だった。

 少女の名は【ミザリー】。

 俺だけがミザリーを嫌った。

 みんなは、甘やかされた末っ子の俺が彼女に嫉妬したのだろうと思っていたが。

 違うのだ。

 怖かったのだ。


 ミザリーが……


 なぜなら俺だけが、ミザリーの姿が別の者に見えていたから。

 禍々しい黒い霧を纏うミザリーが!!


 ミザリーの誕生日に白い花を強請られた。

 二人の兄と俺は、森に花を摘みに出かけた。

 しかし二人の兄は、俺を穴に突き落としてそのまま行ってしまった。


 三日後 薬草を摘みに来た冒険者達に助け出され。

 六人の冒険者と共に村に帰ると。


 村は滅びていた。

 ミザリーの姿は無く。

 父親も母親も二人の兄も村人もみんな死んでいた。

 みんなミイラの様に干からびてコロンと地面に転がっていた。


 何故か皆うなじに刻印があった。


 冒険者達は、ギルドに知らせ。

 直ちに教会から神官達や教会騎士団が派遣された。


 だが……何も分からなかった。

 ミザリーも見付からなかった。


 俺は教会が運営する孤児院い入れられた。

 そこで俺は聖魔術の才能があると分かり。

 神官見習いとなった。

 ある日 書庫の整理中。古い書類を見つけた。


【邪気の刻印事件】


 その出来事は、邪気に国を乗っ取られ滅びた小国の事が書き記されていた。

 邪気は美しい少女の姿をしていたと言う。

 王族や貴族の子弟を惑わし。

 そのうなじに刻印を刻み。

 多くの災いをもたらした。

 その国の神官達はやっとの事で邪気を捕まえ塔に封印した。

 二百年前の事である。


 俺の脳裏に親父の言葉が蘇る。


『地震が起きて塔が崩れた中からあの子が出てきたんだ』


 ミイラと化した村人のうなじ刻まれた刻印。


 うなじに刻印を刻む邪気。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 その話を聞いたマグリス伯爵は、謀反を起こす決意をする。

 内乱の火蓋は切って落とされた。

 反乱を陽動していたチェイスも加わり。

 貴族や軍人も加わり人々は城に押し掛けた。

 人々が持つ松明で城の周りは、昼間の様であったと言う。


 城は大した抵抗もせずに落ちた。

 それもそのはず皆死んでいた。

 王も家臣も侍女も侍従も下働きも。


 みんな……死んでいた。


 王妃ミザリーと五人の取り巻き以外、死んでいた。

 すぐさま追ってが送られた。

 そうして五人の男と側にいる女は、ばらばらの所で見つかった。

 五人の男達は見つかると側にいた女を道づれに自殺した。

 無理心中の道づれにされた女達は、昔彼らの婚約者であった。

 彼らのうなじにも刻印はあり。

 その五人の女達の中に、ミザリー王妃の姿はなかった。




 それ以後ミザリーの姿を見たものはいない。

















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