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15話 希望

8月17日 1620 演習場宿営地


各々が携帯電話を

見つめていた。


皆、私と似たような

心境なのだろう。


出身地の近くで

自衛官になる者は多い


ここにいる多くの隊員が

家族、恋人を四国に

残して来ていた。


この反応は

当然の事だった。


紀伊3尉だけが

何も見ようとしなかった。


「紀伊3尉は

確認を取らなくても

いいんですか?」


「いいんです。

私にはその資格はありません。」


「私が家族を捨てろと命令しておきながら

私が家族の身を案じることは

許されません」


「迷いが出てもいけませんから」


紀伊3尉は後ろ向いたまま答えた。


固く握られた拳が震えている。

無理をしているのが

わかった。


「四国は今、主要施設を

押さえられ。

敵の制圧下にあります」


「敵の次の動きが

わからない以上

不用意に動く事が出来ず

司令部は機能不全を起こしています」



なるほど四国は

九州地方、中国地方、関西地方に

面している。


もし、どこかの部隊を不用意に

動かせばそこの隙を

突かれるかもしれない


仮に多方面から奪還するにしても

協同作戦には時間がかかる


陸上自衛隊の足止めを

するだけならかなり

効果的な作戦だと言えた。


「四国の人質救出についてですが

Sと空挺が動く事になりました」


小隊が驚く。


「S」

特殊作戦群の事である。


訓練内容は全て公開されていない。

公式に出る場合は覆面をつける程の徹底ぶりであり

日本国内で唯一人に向けて実弾発射などの

訓練をしている日本の最精鋭部隊である。


空挺もまた日本の精鋭部隊であり

落下傘を使った機動防御が

可能である。



「また、九州の水陸機動団の

派遣も検討されている。

本来であれば離島防衛が任務だが

四国の奪還に回してもらえるかも

しれない」



水陸機動団は新設された

レンジャー、偵察、ヘリボーン、強襲上陸、潜水など

特殊作戦能力を有する部隊である


「しかし、これだけ精鋭が集まろう

としているのに俺達には海を渡る手段がない」


霞2曹が悔しそうに言った。


「霞元旅団長は在任中

瀬戸内海の漁業組合に

協力を呼び掛けていました」


「民間のフェリーの会社にもです」


「我々は確かに艦船は持っていません

ですが民間の船はあります」


「それはそうですが…

危険ですし…

何より」


「民間の方が

力を貸してくれるのですか?」


渡航作戦は危険が伴う

ものとなるだろう


民間人に危害が及ぶ

可能性がある。


それは官と民が手を取り

共に戦うという事だ。


それはこの国の歴史が

許してくれるのだろうか?


紀伊3尉はニコッと笑った。


「長門三曹、災害派遣、

民間への協力

今まで我々が国民の信頼を

得る為に培ってきた事が

実を結びました」


「司令部にはたくさんの

協力の声が届いています!」


その言葉に私は思わず

涙がでそうになった。


「四国を、私達の

駐屯地を取り戻しましょう!!」


「我々はまだ負けていない!」


まだ負けていない。

その言葉が胸骨の内側で何度も反響していた。

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