幕間 敵
太平洋沖合
四国から約100キロ地点に
巨大な空母が鎮座していた。
パイプからは
ゴウンゴウンと
音がして
陸戦隊(海兵隊)が
せわしなく走っていた。
「敵、対艦攻撃部隊、沈黙!!!」
「我が方から強襲上陸を
開始します!!」
指令室にて一人の副官が
司令官に対して
報告をする。
指令室には
1人の老人が座っていた。
「まあ…数が違うからな
油断はするなよ…」
彼は指令室で
豪奢な肉を食べている。
副官は喉をごくりと
鳴らしながらその肉を
ほおばる老人を見ていた。
副官のその姿を見て
老人は何かを
思いだすかの様に
語り始めた。
「………本当に
上手い肉を知っているか?」
「いえ」
上官の問いかけに副官は
規則正しく受け答えをする。
解答を間違えれば折檻が
待っていると知っているからだ。
「ワシは知っている」
「人の肉だ」
老人は焦点のあっていない
目を副官へと向ける。
その目からは人間性を
感じない。
「ワシは14の頃
紅衛兵だった……」
老人は大げさに
両手を上げた。
まるで栄光に
浸るように。
「その時に
人の肉を食べた」
「どんな味かお前は分かるか?」
瞬時に副官は
答えようとしたが
老人の異様な気迫に答えられない。
「生物としての勝者の味だ。
あれに勝るものはない」
副官は顔に汗が
滲み出るのが分かった。
それほど老人の狂気は
深い。
返答を返す事すら
忘れていた。
「老人の最後の余興だ、
楽しませてもらおう」
老人が舌なめずりをして
笑い始めた。
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