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13話 文民統制

8月17日 1335 施設周辺


黒塗りの車から

二人の人物が降りてくる。


1人は確か斎藤県知事

もう1人は確か玉金(たまがね)参議員

だったはず。


自衛隊反対派の議員だ。


黒塗りの車は複数台に

及びそれぞれから

黒スーツのSPが

降りてくる。


目的は旅団長らしく

現場で救援の指揮を

取っている旅団長に

歩み寄っていく。


「どういう事だね!

霞君、県はまだ承認を

していなかった!」


「正式な手続きを

踏んでいただかなければ

困る!」


「県境に他国の軍事施設が

出来ていたなどと

私の名誉に

関わるじゃないか!!!!」


旅団長に県知事が

噛みつく。


どうやら

怒っているようだ。


わざわざ現場に

来てまで直接文句を

言いに来ることじたい

あまりにも馬鹿げた

行為だった。



その内容は

明らかに陳腐なものだ。


この後に及んでまだ

自分の体裁を気にして

いるらしい。


あまりの事に

呆れてしまう。


「それでは

どうしろと?」


旅団長は

斎藤県知事に返す。


「事実は一点。

武装拠点の存在と、直接の危険です。

申請は出しました。

危急時は現場保存と人命優先が先行します。」


「責任は私が負う」


「わかっていますか!?

我々は今、直接侵略を

受けているのです!!」



「事実としてここに

武装工作員の根拠地が

ありました!」


「破壊された

瀬戸大橋の近辺には

自衛隊を偽装した不審者の

目撃もある」



「原子力発電所も

航空施設も、港もこの近くにあるんだ

この武装工作員を放置しておけば

どうなるかわかりませんか!?」



「政治家の体裁を気にしている

ような余裕はないんです!!!」



旅団長の必死の訴えかけは

どうやら届いていないらしい。


県知事はマウントを取ることに

必死で罵詈雑言を浴びせているが

どれも取るに足らないような

内容だ。



それまで黙って聞いていた

玉金参議員が口を開いた。


口調には人の悪さが

滲み出ている。


「まあ、過ぎた事は

仕方がないだろう」


「だが、あなたは

独断で部隊を動かし

政府として意向を

無視したのだ」


「これは国の持つ

文民統制の考え方に

明確に反するものだ」


玉金に対して旅団長は

問いかける。


「それは国民の生命を

脅かすとしてもですか?」


旅団長の問いかけに対して

玉金は微塵も躊躇わなかった。


「そうだ」


「君は更迭される

事になる」


玉金の言葉はゆっくり

としたものだが

重かった。


「これはその書類だ。

受け取りたまえ」


玉金は懐から出した封筒を

旅団長に手渡した。



旅団長の汗が

滲み出るのを

私は見ていた。


独断はあったにせよ

根拠地を潰した

事は確かである。


危急時に即決が

できない人間は


判断ができても

更迭される。


馬鹿らしい見栄の

張り合いにも付き合わなければ

ならない。


結局、現場の事なんて

何もわかっちゃいないのだ。



ああ、負けるな

これは…


旅団長と玉金の

やり取りは私が

そう感じるのに十分だった。

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