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11話 制圧開始

8月17日1207 施設内


突撃支援射撃に

よって施設の一部は

破壊されていた。


突入の第一波が

加わり施設内を

探索する。


全部で100名程度だ。


しかし中には

机とロッカーが

あるばかりで

何の変哲もなかった。


周りから動揺の声が

あがる。


「落ち着けよ

ヘリボーンがあったんだ

クロとみて間違いない。

地下室への入り口がないか

探そう」



霞2曹の提案に皆が

同意した。


それぞれ室内を

確かめる


「あったぞ!

隠し通路だ!」


そこは机の下に

隠された地下への

階段だった


その先に

もし敵がいれば

銃撃戦になる

可能性がある


我々はゴクリと

生唾を飲む。


まるで

死に誘われているかの

ような入り口に

思わず立ち往生して

しまった。


突入の小隊の

順序は打ち合わせで

決まっている様で

次々と部隊が

突入していく。



紀伊3尉が率先

して入ろうとするのを

慌てて止めた。


「紀伊3尉

待ってください!

貴方が死んでは困る!!」


「私が先頭に行きます!」


「しかし…」


言葉を続けようとする

紀伊3尉を目で圧した。


紀伊3尉は黙って

言葉を飲み込んだ。


「長門3曹を先頭に

小隊は縦に列を組み、探索を

開始する」


「中がどうなっているか

わからない

部屋がある場合は

都度クリアしていくように」


「敵がいる場合は

殺して構わない」


私たちは階段を

降りていく。


緊迫感からか

皆の息遣いの

音が聞こえた。


一歩進む度に

湿気を帯びた

熱気が頬を

かすめた。


ーーーバンバンバン


金属と火薬の音が

聞こえた。


既に中では

先行した部隊が

銃撃戦を始めていた。


「銃撃戦が始まっています!

降りた後即座に味方の

援護にまわってください」


私は紀伊3尉の

指示に従い

駆け抜ける。


階段を降りると

そこには血の

匂いがした。


そこには

無機質な通路が

正面と左右の

3又状に分かれている。


既に倒れている

自衛官と敵の死体があった。


敵は自衛隊と同じ服装

あるいは一般人と

同じような服装を

しているものもある。


「同士討ちにならない様に

銃を見ろ、我々が使っているもの

違う様なら撃て!」


紀伊3尉が瞬時に判断を下した。


流石に銃までは模倣

できなかったらしい

89式小銃を使っている。


「正面へ進め!

左右の通路を

警戒しろ!

挟み撃ちに合うぞ」


紀伊3尉からの指示が

とんだ。


正面の通路を

左の壁沿いに

進む。



援護に入る様に

後続の部隊が

左右の通路を

制圧に向かった。


正面の通路の

奥はT字になっており


左奥の死角から

それは弧を描いて

私の方へと飛んできた。



カツンと無慈悲な音を

たてたそれは

手榴弾だった。


8月17日1210 施設内


投げ込まれた

手榴弾が私の足元に

転がってくる。



私が行動するより先に

霞2曹が手榴弾を掴み

前方に投げた。



爆発音が響き

前方のT字路で

悲鳴が聞こえた。




「ボサっとすんなよ!

蹴り返すなんなりしろよ!」


霞2曹が

私に怒鳴った。


私は辛うじて

うなずいた。


縦に長い

通路の

両側には

複数の扉があった。


前方を

警戒しながら


役割を

交代しながら


少しずつ前進を

続けていく。


その扉を

開けていく


小隊同士で

援護をしながら

扉を開けていく。


どうやら

ここは居住区も

兼ねていたようだ。


複数のベッドの

下に整理された

簡易のボックスが

置かれている。


私物が

最小限で整頓

されているのは

すぐに移動できる

ようにする為だろう。


不気味な機能美だった。


次々とドアに

×マークがカラースプレーで

描かれていく。


×マークは

クリアを意味し

この部屋は確認済みと

いう意味だ。


ある一室に

入った際に

突然銃撃が起きた。


部屋の中の

敵兵からの銃撃に対して


仲間からの

援護射撃が

入り


瞬く間に敵兵は

絶命する。


濃厚な血の

匂いがした。


血の匂いで

口の中は

鉄の様な

味がしていた。


その部屋の中には

3名ほどいたようだ。


他の部屋と

変わらない

質素な居住区だった。


ベッドの上

小さな物を置く

スペースに

家族が楽しそうに

笑っている写真が

置かれていた。



私はそれを見て

いたたまれない

気持ちになる。


私にも家族が

いるからだ。


家族がいるんなら…


黙って

銃の安全装置を

撫でた。


私は銃を持つ手が

重くなるのを

感じていた。



紀伊3尉は

私の様子に気づいたのか

静かにその写真を

伏せた。


部隊は黙って

その部屋を

去っていく。


敵の流した

血が我々の

足跡を残していた。


私にはそれがまるで

彼らが死んだ後も

追ってきている様に

感じていた。


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