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9話 集結

8月17日0600 演習場宿営地


どんなに疲れていても

日常の生活習慣というのは

変わらないもので

きっちりと6時には目が覚める。


紀伊3尉はそれより早く

起きている様で

既にあわただしく

動いていた。


私もさっさと

朝食を済ませる事にする。


疑念や疑問を

今考える事をやめた。


四国の事は気になるが

現状命令に従うしかないからだ


8月17日0645 車両前


私達の前に

1人の初老の男がやってくる。


筋肉質で背が高く

その目つきは鋭い。


胸には空挺とレンジャーの

部隊記章がついており

ただものでない事が分かる。


「チッ」


後ろで霞2曹が

舌打ちした。


霞2曹は気まずいのか

目を合わせようとしなかった。


私たちはその男を知っている。

何せその男は私達の旅団の

旅団長だからだ。


霞 譲治陸将補。


私の同期霞2曹の実父である。


「昨日は、激戦だったと聞いた。

よくやってくれた!」


旅団長が小隊に話しかける。


「お前達の情報を元に

夜間に何人かの偽装した

兵士を捕虜に出来た」


「中国地方に潜入したのは

破壊工作が主任務だな」


「君たちには中隊の指揮下から

離れ、別の任務について貰う」


驚いて、私は紀伊3尉の方を見る。

紀伊3尉も首をかしげている。


「旅団長、別の任務とは?」


「破壊工作の根拠地と

思われる場所は

大体割り出せている」


「旅団内から

選りすぐって部隊を集め

そこを殲滅する事になった」


紀伊3尉が少し震えている

ように見えた。


拳を握り締めている。


当然だ。


最初から山狩りなどせずに

根拠地に人員を配置しておけば

もしかすれば、


筑摩曹長は死ななかったかも

知れない。


その紀伊3尉の姿を知ってか

知らずか旅団長は続ける。


「お前ら、

ソーラーパネル事業は

知っているか?」


ソーラパネル事業

確か中国資本なんかが山を

買い取ってソーラパネルを

設置しているという…


「この近くにも

いくつかの買い取られた

山がある」


「そこには秘密裏に

作られた施設が

あるのが確認された」


「そこが根拠地の

可能性がある」



紀伊3尉がスッと前にでた。


「可能性があるとの事ですが

確証はないという事でよろしいのでしょうか?

そもそも我々はそこに自衛隊として

踏み込めるのですか?」


「確証はない」


旅団長は真顔で言い切った。


「だが自衛隊が入る事に関しては

関係当局の立会いを得た臨検

災害・保全名目の立入

治安当局への先乗り支援

いずれも申請をだしているが


政治家と資本家共が

拒否をし続けている」


「恐らくは利権がらみで

一部の政治家が敵国と結託している

オレは見ている」


「よって、根拠地付近を

包囲し圧力をかける」


「それでも応じない場合は

強硬突入も辞さない」


旅団長は二ッと笑った。


8月17日0700 車両内


我々の小隊は

旅団長指揮下で

侵入部隊の根拠地と思われる

施設へと向かう事になった。


高機動車内では

霞2曹が運転を

車長としては紀伊3尉が

座り残りは後部座席に

座っている。


霞2曹は先ほどから

機嫌が悪い。


霞2曹は親父さんとは

仲が悪いらしい


原因は霞2曹が

高等工科学校に入学

しなかった事らしい。


霞2曹は野球の強豪高校に

行くために父親の指針を無視

した為その事が未だに

尾を引いている。


旅団長との会話でも

結局、一度も目を合わそうとも

しなかった。


無線でやり取りをしていた

紀伊3尉が口を開いた。


「四国では太平洋側からの

強襲上陸が始まっているようです。」


「湾内、空港、通信施設など

重要施設の制圧が始まり

情報が入ってこないようです。」


「駐屯地待機部隊が

防衛に動いているが

数が少なくどうなるか

わからない状況です」


湾内、空港の強化は

防衛予算に組み込まれ

ているが


重要地域は日本海沿岸部である。

太平洋側はどうしても予算が

かけづらくなる。


そういう面でも防御しづらい

地域である。


幸いなのは山岳地帯が多く

一気に制圧するのは

難しいであろうという事だ。


「この任務が終われば

私も上に四国の防衛について

意見普請をするつもりです。」


「なのでまずはこの

任務に集中しましょう!」


紀伊3尉がはっぱをかける。


不安を上手く払拭するように

気を使ってくれているのが

よくわかった。


しかし、私には一つ疑念が

あった。


紀伊3尉に尋ねる。


「敵は、四国を制圧したところで

どうする気でしょうか?

制圧したところで長くは維持できない

と思いますが」


補給線の内状況で大規模上陸

派手ではあるが

後の事を考えていない様にも見える。


「わかりません。

敵の狙いが何なのか

ですが、間違いなく小競り合いではなく

本腰を入れてきているのはわかります」


「敵側からすれば

台湾有事が起きた今この時にしか

日本を直接侵略するチャンスは

ないでしょうから」


「紀伊3尉。

そろそろ着くみたいです」


霞2曹が会話を遮る。


高機動車の列が一般道を埋め、

立入禁止の札が風に鳴る。


交差点ごとに腕章の自衛隊員がおり。

関係者以外立ち入り禁止の

道路封鎖がされていた。


私達はその区画へと

入っていき

整備されていない駐車スペースへと

高機動車を止める。


むき出しの砂利道には下車した

無数の自衛官が見える。

700名以上はいるであろう。


大規模なものだ。


集まっているのは

普通科だけでは

なさそうだった。


本腰を入れている事が

分かった。



胸がドクンとと鳴り。

気持ちが高揚しているがわかった。


これだけの人数が集まっての包囲


場合によっては施設の制圧は

我々にとって

初めての経験だった。


空には灼熱の太陽が

光り輝いていた。


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