04.両親に結婚の報告
しばらくして、両親がやって来た。
私が優一さんと結婚するというと、さすがに両親はあまりの展開に驚いていた。
二人に、彼は要求をした。
「とりあえず、俺達は婚約する。今、契約書を用意するからお前たちも捺印しろ」
「は、はい。でもなんでそんなものを?」
「馬鹿が。こいつが十八になるまで妹の金はどうするんだ?俺が払うんだろ?まだ結婚出来ないから、婚約者として払ってやるよ。それを証明するために、きちんとした書類が必要なんだよ。両親公認の関係です、ってな」
「「……わかりました」」
そう言って、私達三人と夫になる彼で、婚姻する事を記した紙にサインして、捺印した。
こうして、私と彼は婚約者となった。
他にも、彼がお金を払う旨を書いた契約書も作られた。
「じゃあ、帰ります」
お父さんがそう言って立ち上がり、お母さんと私も立ち上がろうとすると、
「待てよ。なんでお前まで帰ろうとするんだ?」
私にそう言ってきた。
「え、だって」
「お前は俺の婚約者だろ?これからずっと俺と暮らすに決まってるじゃないか」
「……はい」
優一さんの言うとおりだ。
私は彼の婚約者。
一緒に暮らすのは当たり前だ。
「ま、待ってください!」
お父さんが私を助けようと言い出したけど……
「お父さん。決めたことだから」
「だが……」
「帰って。お願い」
「すまない……」
そう言って、両親は帰っていった。
そして、この日の夜。
私は大人になった。
私が大人になる前、こう言った。
嫌ならやめるよ。
今なら婚約破棄の慰謝料もいらない
だけど、私は彼を受け入れた。
自分の意思で。
そう、これは私が決めた事。
私が決めた道。