02.二度目のお話。私、まだ十七歳なのにプロポーズしちゃいました。キャッ♡
だけど……それでも、持ったのはたったの一年間だった。
寄付金はどんどん減っていき、世間は私達家族を忘れていったのだった。
私たちは必死になってお金を集めようとした。
でも、もう誰も貸してくれなかった。
もう時間がない。
私たちは、必死に働いて、必死にお金を貸してもらおうとした。
睡眠時間もほとんど無くなってしまった。
私達は、もう、限界だった。
そして、私は一人、再び狭間 優一を訪ね……。
私は土下座して、彼に詫びた。
「生意気な事を言って申し訳ありません。何でもします。だから、お金をください」
「はっ。優しい優しい世間の皆々様やお金持ちの人がお前らを助けてくれるんじゃなかったのか?」
そう言って笑う彼に、私は頭を上げずに言った。
「助けてくれる人もいました。でも、ほとんどの人は声をかけてくれるだけで。お金を出してくれる人も、最初だけでだんだん出してくれなくなりました」
「だろうよ。赤の他人のためにずっと出してくれる善人なんて、この世にいないからな。まぁ、声をかけてくれただけ有難く思うんだな。もっとも、妹の助けには糞の役にもならないがな」
「はい」
「で、俺のような屑にどうしろと?ってか、お前との話なんて時間の無駄だからとっとと出て行ってくれ。時は金なりってことわざ知ってるだろ?」
「お願いです。妹が本当に死んでしまいます」
「だからさ、俺の家族でもない人が死のうが生きようが知ったこっちゃないわけ」
「そこをなんとか、お願いします。何でもしますから」
しばらく考えた彼は、あざ笑うように言った。
どうせ断るんだろう、という思いを込めて。
「じゃあ、お前、俺と結婚しろ」
「え?」
驚く私に、彼は言葉を続けた。
「お前もうすぐ十八だろ。そうしたら俺と結婚しろ。もちろん、キスとかデートして、俺の子供も産め。結婚すれば、お前の妹は俺の義妹だ。家族なんだから、助けてやる」
「……」
「お前のこれからの人生、全て俺に捧げろ。そして俺に幸せな家族をプレゼントしろ。妹の治療費は、その対価、というわけだ」
「……わかり…………ました」
私は彼の提案にのった。
乗る以外になかった。
そういう私を見て、彼は大笑いした。
「こりゃいいや。まさか、受け入れるなんてな。まぁいい。男に二言は無いってやつだ。妹の入院費もろもろ全て払ってやるよ」
「ありがとうございます」
「言っておくが、俺がお前を妻としていらないと思ったり、子供を産まなかったりしたら、即離婚だからな」
「わかってます」
「そうそう、お前に嫌な顔されながら結婚生活続けるのも嫌だからさ、離婚届二つ書いて、お互いに持っていよう。いつでも離婚できるようにな。お前にとってもいい話だろ?嫌になったらいつでも離婚できるんだから。まぁ、離婚したら妹の金は払わないがな」
「そんな事は、ありえません」
「そうか。まぁ、念のため作るけどな」
こうして、私達の結婚は決まったのだった。




