テスト編
セオリは実習に行くためウィルセスと、テスト勉強をする事に・・・
「セオリさん、そんなのじゃ実習に行けませんよ」
「こんな問題わかるか!」
「そんな甘い事言ってられませんよ、テストは一ヶ月後に迫っているのですから」
「問題教えてくれよ〜ウィルセス」
「そういう訳にはいきません、例えそれで実習に行けたとしても実習先でバレますよ」
「分かってるよ」
実習ね〜ここで受からなければお墨付きが無くなってしまう、絶対に受からなければならない。でも入学して半年、今までろくに勉強してなかった僕にとってこの時間は苦痛でしかない。
「ほら、集中して下さい。次は実技試験練習をしますよ、まずはおやつ作りです。今日はプリンを作りましょう」
「プリンって、どうやって作るんだ?」
「全く、困った主人だ。まず牛乳、砂糖、卵を用意し、バニラエッセンスなどの香料と混ぜ、鍋に水を2センチほどはり蒸し焼きにします」
「こうか?」
「違います、何度言ったらわかるのですか?あなたは本当に頭がお悪いようで!」
「なんだ、嫌味か?」
「いえ、とんでもございません」
実技試験の料理ではその場でお題が配られるらしい、それで難しいからとウィルセスはなんとか言ってたけどうるさいので今日の自習はこの辺で終わる事にした。
「じゃまた、ウィルセス先生」
そういえばロイは頭が良かったな、部屋に戻って勉強を教えて貰うとするか。
「おぉアミコス、どうした?・・・シュークリーム!また食堂でもらってきたのか、ダメって言ったろ。人間の食べ物ばかり食べていると力が弱くなる、適度に人間も食べろよ!」
「モニョモニョモニョモニョ」
「食べながら喋るな!」
困ったもんだ、このままじゃいざという時に力が使えない・・・アミコスを連れ部屋に戻る
「ロイ、勉強教えてくれない?」
ウィルセスから貰ったプリントをロイに見せる。
「こんなのも分からないのか?」
こいつもか、バカにしやがって!テストまでに全部覚えるんだ、やるぞーー!
・・・そんなこんなでテスト当日
今日まで一ヶ月、毎日死ぬ気で勉強してきた。もう完璧!
「テストの時間は一時間です。では、テスト開始!」
もうテストが始まって五十分・・・半分しか終わっていないという大ピンチ!困った・・・アミコス!
「セオリ?」
「実習に行く事になったら、どうせアミコスも行くだろう。だからこの問題解いてくれ」
「はぁ?この場におよんで・・・分かった!ティラミスで手を打とう!」
「甘いもんばっか食いやがって!分かったよ、よろしく」
その後、アミコスのおかげで実習行きが決まった。実習の説明会は、何を言いっているか分からなかったが、アミコスを連れていくから大丈夫だろう。
「ほれ!」
ニヤニヤした顔で、アミコスが見てくる。
「分かってるよ、ティラミスだろ!」
「ヌフ」
ティラミスの中に内蔵入れてやろう。
「アミコス、明日から実習だから早く準備しろよ」
「実習は何がいるんだ?」
「アミコスはいつも裸だから・・・そのお気に入りのシュークリームクッションを持っていけばいいんじゃないか」
明日からの実習・・・迷惑をかけないようにしないと。まぁこれで、今年一年お墨付きがなくなることは無くなった、二週間頑張ろう。
次の日、早起きをして実習先のお屋敷までやってきた。これから、使用人の方に話を聞く。
「君が実習生のセオリ君だね。僕は、このお屋敷に使えている執事、シルドだ!よろしく」
「よろしくお願いします」
とてもお優しそうな、話しやすい人だ。
「まずはお屋敷を案内します。広いので、迷子にならないように気おつけて」
本当だ広い・・・
「ここがセオリさんの部屋です荷物を片付けたらリビングに来て下さい。ご家族に挨拶に行きます」
「分かりました」
「アミコス、そこ使っていいよ。これから挨拶に行くから、はい」
アミコスに血を渡し飲ませる。
「お前の血、不味いな」
「不味いとか言うなよ。ほら行くぞ!」
このお屋敷には大手企業の社長と子供が三人居るらしい。皆が集まっているリビングまで。
「フィーデスから来ました、セオリです。今日から二週間、お世話になります」
「よろしく。私は、ウィクティル・リックです。こっちは長女のスィア・リック、長男のティル・リック、そして次女のアリク・リックだ、仲良くな」
「よろしくお願いします」
子供達は、まだみんな小学生ぐらいか。
「セオリさん、仕事の説明をします。旦那様は、毎日五時半に起床し、すぐに朝ごはんを食べ仕事に向かわれます。その後六時半にスィア様とティル様を起こし、学校の支度をして八時に学校まで送ります。アクリ様はまだ通われていないので私共と過ごされます。今日はまず、アクリ様のお昼ご飯の配膳を手伝って下さい」
「分かりました!」
旦那様は朝早くからお仕事に行かれるのか・・・
「セオリ君?」
アクリ様が話しかけてきた。
「どうしましたか?」
「一緒に遊んで!」
アミコスのシュークリームクッションを抱きしめてる。可愛い!
「これからお昼ご飯です。食べてから遊びましょう」
アクリ様を椅子に乗せ、お昼ご飯を配膳する。
「セオリさん、配膳が終わったら、アクリ様の部屋を掃除してもらってもいいですか?」
「はい、行ってきます」
「ぬいぐるみの場所は変えないよう注意して下さい」
「はい!」
アクリ様の部屋は、確か二階の窓際の部屋だったよな・・・この部屋だ。まずは掃除機して、雑巾をかけ、シーツにアイロンをし、ベットメイキング。だいぶ綺麗になったな
「アミコス!なんだ慌てて」
「僕のクッションが無い!」
「あぁあれね、アクリ様が持ってたよ。部屋の掃除も終わったし、一緒に遊びに行く約束してるから、アミコスも来るか?」
「盗んだのか!許せん。行く、行くに決まってるだろ!」
次回・・・実習先の忙しい旦那様、それを寂しそうに見ている子供達。そんな子供達に気に入られたセオリは週末に子供達とお出かけをする事に。