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六道プリンセス!(なろう版)  作者: XX
第6章 出現! 悪魔のプリンセス!
60/105

第60話 お祭りの場所で★

ここかァ、祭りの場所は

 処刑場に指定された阿比須町運動場。

 阿比須町体育館の傍に設置されている運動場で。


 サッカーコートと野球場がある。


 処刑はサッカーコートで行われて。

 野球場では屋台が立っていた。


 たこ焼き、たい焼き、綿あめ、使い捨てカメラ屋さん。

 その他色々。


「たい焼き買おうよ」


 私が屋台を指差してそう春香ちゃんに言うと


「5尾で800円かぁ」


 結構高いね。

 そんな言葉が。


 うん、ちょっと高いかも。


 すると代案で春香ちゃん


「かき氷で良くない?」


 1つ220円だし。

 別の屋台を指しながら。


 ……うん。まぁそれでいいかなあ。


 2人、ブルーハワイとイチゴ味のかき氷を買う。


 紙コップに入れられたかき氷を持って、サッカー場に。


 おお。

 もう準備が整ってるよ。


 死刑だから白装束の死刑囚3名と、サッカーチームが6組。


 キックオフの時を待ってるよ。


 阿比須町では条例で処刑は打ち首なんだよね。

 雇われ武芸者が1回5万円くらいでやるんだ。


 武芸者は経験が積めてお小遣いまで出るから、毎回殺到するらしい。

 気持ちは分かる。


 ……あ。

 処刑人の武芸者、咲さんだ。


 15万円のバイト代。

 良かったですね。


 萬田君とのデート代、稼ぐのにちょっと苦労しているって前にこぼしてたし。


 私たちが手を振ると、咲さんも手を振り返してくれた。

 嬉しい。絆を感じた。


 ざわざわする処刑場。

 そこに恭しく、法務大臣のサインが入った書状を持った役場のおじさんが進み出て来て。


「本日処刑される死刑囚3名の罪状についてー」


 今日、首を刎ねられる3名の罪状についての読み上げを開始した。



 根鳥由利雄ねとりゆりお

 18才。


 罪状。

 互いの眠気をほっぺたを引っ張り合って耐えるような超仲良し百合カプに挟まろうとした罪で死刑。



 有財友里うざいゆうり

 18才。


 罪状。

 様々な障害を経て、やっと結ばれた相思相愛のノマカプの女の子に惚れ、NTRを画策し自身の性的嗜好にしつこく引きずり込もうとした罪で死刑。



 阿鼻素あびもと真理愛まりあ

 42才。


 罪状。

 交際していた男を少なく見積もって10人以上殺害した罪で死刑。



 ……いずれも劣らぬ極悪人たちだねぇ。


「うおおおおー! 死んで償え悪鬼め!」


「はやくころせー!」


 周囲の人たちが興奮して騒ぐ。

 うるさいなぁ。


 コ・ロ・セ! コ・ロ・セ! コ・ロ・セ! コ・ロ・セ!


 大合唱。

 落ち着こうよ。


 私はかき氷を食べながら成り行きを見守る。

 冷たくて美味しいな。


「ブルーハワイ美味しいよ。花蓮ちゃんも食べてみる?」


 そう言って、春香ちゃんがスプーンでひと掬いくれたので。

 パクンと食べた。


 うん。良いね。

 ブルーハワイ。


「私のイチゴも食べなよ」


「うん。ありがとう」


 互いのかき氷を食べさせ合う私たち。


 そうしながら、このイベントの主役たちを見つめた。


 サッカーコートの地べたに座らされていた3人を。

 うち、若い男女2人は泣き崩れていたけど……


 アラフォー女性の阿鼻素あびもと真理愛まりあだけは、全く動揺せずに堂々としている。


 ……珍しいな。


 処刑を前にすると、どんな犯罪者でも大概泣いて崩れ落ちてしまうのに。

次回、処刑開始!

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