表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
六道プリンセス!(なろう版)  作者: XX
第6章 出現! 悪魔のプリンセス!
59/105

第59話 庶民の娯楽だよ!★

妹の話を受けて、この話。

「……ということがあったんだよ」


 そう、日曜日に春香ちゃんと一緒に遊びに出たとき。

 ミスドに一緒に入って、この間の話をした。


 優子に戦争の話をしたっていう話を。


 春香ちゃんは黙って聞いてくれて


「まぁ、小学校2年生には難しい話だよね」


 テーブル席に2人で腰掛け。

 オールドファッションを齧りながら、春香ちゃんはそうコメントしてくれた。


「少し大きくなると……格闘士がいたお陰で、危惧されていた本土決戦とか、当時すでに開発されていた核兵器が使用されることが見送られたって言う理屈が分かるようになると思うんだけど」


 言って紅茶を一口。


 そうなんだよねぇ……


 日本軍はアメリカ軍にミッドウェー海戦以後、負け続けてとうとう本土にまで攻め込まれそうになったんだけど。

 いざ日本本土を攻めようかという段階になったとき。


 ……日本本土に攻め込むと、今まで戦争に参戦しなかった格闘士たちが嬉々として襲って来る。

 銃器で武装した米軍兵士など、格闘士にとっては楽しく狩る対象でしかない。


 これがあったから、躊躇したらしい。


 今の状況を見ると、納得せざるを得ないよね。

 世界中の戦場を「ゆうえんち」と呼んで、遊びに行ってるんだもの。


 ……制空権はあるんだから、爆撃機で爆弾を落とせばいいじゃん?


 そんなことを言うキミ。

 分かって無いね。


 土地の制圧は最後は歩兵なんだよ。


 歩兵での制圧の段階で、爆弾や焼夷弾でも死ななかった格闘士が嬉々として襲って来る。

 そういうことを想像しなきゃいけないんだよ。戦争の采配をとる人は。


 そういうわけで、日本は戦争に負けたけど。

 国家の滅亡だけは免れた。


 世界一格闘士が存在する国だったお陰で。


 ……ホント、世の中って複雑だよね。


 そして私も、紅茶を飲んでいたら。


「花蓮ちゃん、そろそろ時間だと思う」


 春香ちゃんの言葉。


 ……ああ、そっか。


 私は残りの紅茶を一気に飲み干す。


 そして


「行こうか」


 席を立った。

 春香ちゃんも頷き、私に続いてくれた。




 テンションが少し上がるとき。


 それは


 家の近くで処刑が行われるとき。


 ……家のポストにチラシが入っていたんだよね。

 家の近くの阿比須町運動場で、死刑囚3名の処刑が執り行われるって。


 日付は2日後の日曜日。

 つまり今日。


 日曜日 処刑を見たくなる季節 (花蓮)


 ……思わず一句読んでしまうほど興奮した。

 他の地域は知らないけど、阿比須町では処刑は庶民の娯楽だから、屋台が立つんだよね。


 楽しみだなぁ。

 わたあめやたこ焼きを食べながら、悪党が命を失う様を見物できるなんて。

 サイコーじゃん。


 春香ちゃんを誘ったら「もちろんいくよ!」って快諾。


 昨日は楽しみ過ぎて良く寝られなかったんだよね。


 ただ


「帰りに死刑囚の持ち物を3つ貰ってきて」


 ……家を出る前にお母さんにそんなことを言われた。

 死刑囚の持ち物はお守りになるから、競争が厳しいんだよね。

 それだけが心配だよ……


 万病に効くと言われている人血饅頭なら数あるんだけどさ。

 血液はいっぱいあるからねぇ。

※この物語の舞台は現代日本です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
面白いと思ってくれた方、いいねや評価、ブックマーク等をいただけましたら大変嬉しいです。
些細なことでも感想いただけましたら必ず返信致します
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ