表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狐猫と旅する  作者: 風緑
99/166

第099話 血雪の円卓会議の日(壱)?


 星暦4989年、聖王国暦3884年、2月15日、後の歴史にこの日はこう語られる。


 『血雪ブラッディスノー円卓ラウンドテーブルディ


 王城にお泊りしても私とセアラ、リーレンさんの朝は変わらない、城の訓練場を借りて特訓である。同じ様に訓練をしている騎士達も既に居る。聖都テレスターレの住民は約50万人で全域に2万5000人程の騎士が配備されているそうだ。全国民は1000万人、総戦力は100万人だ。最も多く配備されてるのが東のバジャール侯爵領、ダスド帝国と面しているこの領には常に5万人の騎士が配備されている。逆のアトランティカ大国と面しているレバノン伯爵領は3万5000人、有事の際に自由に動かせる戦力は80万人と言った所だ。


 一方で今回、敵になるだろうダスド帝国は全国民で800万人、志願制で騎士、兵士になるテレスターレ聖国と違い徴兵制なので国民の約半分が騎士、兵士になる。数の差は圧倒的だが質はテレスターレ聖国が大きく上回るので今迄は侵略を許した事は無い。だが、それも昨年の末前まで、徴兵制から志願制に変わり新たに〖昆魔〗と呼ばれる虫系の魔物を操る術を獲得したダスド帝国の力は大きく上がっている。魔物の力は脅威でありそれがB級の災禍ルインとなると尚更だ。飛べるだけで魔物の脅威度は1ランク上がる。対空手段が乏しいからだ。大型弩砲バリスタは基本対地であり対空にはそれ程、有用では無い。、魔導で吹き飛ばすにもそれ程の使い手は数が少ない。どれ程の数を所有しているのかも詳細が掴めない、間違いなく100や1000程度で無い事は想像出来る。


 そして絶対に隠し玉がある。幾ら飛べる魔物を揃えても空を飛べる者、対空の【技能】を持つ者、〘魔導〙を操る者は何百人といる。何より街――聖都テレスターレには結界がある。先ず魔物は入れない。人を運ばせたとしても結果は同じだ。結界を越えられても精鋭の騎士達が居る。生半可では攻略出来ないどうするつもりだろうと思う。それを突破する何かを必ず準備して来る筈だ。想像も出来ないから兎に角、此方は正攻法で対策する。聖都テレスターレを護る騎士の全てにセアラが【光輝】【降臨】【神威】を掛ける。流石にこの人数に掛けるのは負担だが頑張って貰う。兎も角、本当に出来る限りの事はした。コレで何とかと後は信じるのみだ。


 朝食が終わり城の中庭に交代で聖都テレスターレに駐在する騎士の全てが集められる。ぎゅうぎゅうに詰めても5000人で一杯だからこれが五回繰り返される訳かと思う。オッちゃん聖王様の声がその場に響く。


「余が騎士達よ。昨夜、ダスド帝国に放っていた密偵からの【遠話】が全て途絶えた」


 中庭が少しザワついた。私もマジかーとオッちゃん聖王様の顔を見る。やはり奴等はもう動き出しているという事だ。しかも密偵が全員やられたという事は目と耳を塞がれた状態だ。結構、ヤバい。


「同時にバジャール侯爵領の砦から夜間に遥か上空を飛ぶナニかを目撃したと言う情報が入っている。ダスド帝国は聖都テレスターレを直接、狙って来るモノと思われる」


 それは予想してたけど騎士さん達は大分、動揺してるなー、まさか全部をすっとばしていきなり本丸まで来られるとは思っても無かったんだろう。ザワ付きがちょっと激しくなる。


「コレは勝手無い戦いが予想される。だが我等に敗北はない、聖国テレスターレの歴史はまだまだ刻まれて行く、奮起せよ騎士達よ。我等こそが国を、民を護るのだっ!」

「「「「「「「「「「おおおぉぉぉっ!!!!!」」」」」」」」」」


 騎士達が雄叫びを上げる。オッちゃん聖王様の言葉に鼓舞されて自分達がと言う強い意志が見える。煽るの上手いな、流石は王族だなと思う。続けて「聖女セアラ【恩恵ギフト】と【技能】を」と言われてセアラが「はい」と前に出る。


「【光輝】【降臨】【神威】」


 5000人の騎士に一度にステータス上昇と運を上げる付与バフが掛けられる。流石に一度にこの人数に掛けるのは疲労があるのかセアラは肩で息をしている。私が「大丈夫?」と言う前にフォル王子が「平気か?」と声を掛けてセアラが「大丈夫です」と笑顔を向ける。うーん、早くももうラブラブな感じだね、2人共、ちょっと悔しい、こちとら前世から男っ気何か全くだったと言うのに!兎も角、セアラを〘魔導回復薬〙で回復させながら同じ事を五度繰り返して全ての騎士を強化した。


 本当ならもう少し騎士を増員して聖都テレスターレの護りを固めたい所らしいがセアラにこれ以上の負担は掛けられない。この人数が限界だ。ダスド帝国の動きを見て聖都民にも暫く前から布告が出ている。でも殆んどの民は逃げようとはしなかった。まぁ、テレスターレ聖国がダスド帝国に負けた事は無いから心配してないんだろうと思う。でも神託を気にして逃げる人々もいるコレはしょうがない。誰も自分の命が大事だ。私だってセアラやリーレンさん、セリアーナお婆ちゃん大聖女様が係わって無ければ逃げてる。ハミルトンはそれぐらいヤバい。


 王城の北東にある尖塔、その最上階でもう直ぐ円卓会議が始まる。私、シャルさん、リフレイアさん、プリアさん、パティちゃん、他にも会議に参加する公爵や侯爵の護衛や家族、側仕え達がその下にある来賓の広間で待つ。リーレンさんはガマガエル神殿長の代わりに伯爵家筆頭として円卓会議に参加に来たノッ君の側仕えという事で着いて行った。会議が始まって数時間が過ぎた。10時に開始された円卓会議は15時に終了し、その後、決まった事が発表される予定だ。今の時間は14時過ぎ、もういい加減に動きがある筈だと窓の外をジッと見る私の目に白い物が映った。雪だ。今年になって初めての雪がパラ付き始めた。同時に【神智】の【探知】に赤い点が生まれた。







「ふん、ふん、ふーん」


 僕がご機嫌に鼻歌を歌う隣でラインもまた楽し気に笑っている。只一人、元スポンサー様だけが僕等を吊り下げて飛ぶ巨大な蜂、⦅女王クイーン殺戮蜂デッドリーホーネット⦆を恐れて少し震えている。これからが晴れの舞台だというのに本当に大丈夫か少しだけ不安になる。


「ははは、良い眺めだなハミルトン。コレからこの景色が俺の国の一部になるかと思うと爽快な気分だ」

「そうですね、ライン。僕も我が《神》の素晴らしさをまた広められると思うとワクワクします。そしてあの子猫と最後のダンスだと思うと残念ですが楽しみでしょうがない」

「そ、それよりこの魔物は本当に大丈夫なんだろうな?ハミルトン!そ、そしてラインハルト皇帝陛下、テレスターレ聖国は確かに貴方様の物となりますがあくまで統治は私目にお任せいただけると?」


 ラインと僕、揃って高揚を遮られた気分だ。いささか気に障るが今更になって変えは効かない、我慢だなと考えて声を上げる。


「ええ、問題は一切ありません。仮に万が一、いえ、億が一暴走しても後ろの《僕》が何とかしますよ」


 この⦅女王クイーン殺戮蜂デッドリーホーネット⦆がぶら下げて飛ぶゴンドラには七人が乗っている。僕、ライン、ラインの護衛二人、元スポンサー様、その護衛と僕と全く同じ顔をした服装だけ違う《僕》だ。白衣である僕と違って特殊強化繊維で作られた銀に青の配色がされた戦闘服を纏っている。僕の成体強化クローンの一体だ。


「ああ、統治はお前に任せる。俺は此処より更に南東に向かい次はスリオン聖国を落とす。但しロズベルト、失敗は許さん。確実に抑え込め。その為の戦力と武力は与える。それで出来なければお前は用無しだ」


 ゴルディシア大陸の統一を目指すラインにとってはテレスターレ聖国は最初の第一歩だ。しくじりは許されない。入念な準備がなされ僕と言う力も手に入れた。この作戦に失敗は有り得ない。テレスターレ聖国は中央を落として王を廃した後に周辺都市を各個に落としていく電撃作戦とも云うべき策をとるがこの後は正攻法で国を奪っていく予定だ。その為にもテレスターレ聖国の統治と攻略はこの地を良く知っていてそこそこに使える者でないと困る。だから元スポンサー様が選ばれた。だが失敗すれば首は挿げ替える。代わりになる人材はどうにかしようと思えばこれから幾らでも《創れる》その程度の存在だ。


「わ、解りました。必ず、必ずやご期待に応えて見せます」


 先程とは違う畏れに震えながら元スポンサー様が答える。うん、うん、大人しく従ってくれるなら問題無い。用済みになったとはいえ十数年、力になって貰った相手だ。簡単にサヨウナラでは少し惜しい。さて、そろそろ目的地に到着だ。此処から見て北、東、西では激しい戦闘が行われている。【万寿里眼】で見ると北側では空を飛べる騎士3000人程が残り一万体と一万人になった⦅殺戮蜂デッドリーホーネット⦆とダスド帝国飛空騎士団を相手に戦っている。東側は一人の女騎士が三万の⦅殺戮蜂デッドリーホーネット⦆とダスド帝国飛空騎士団を相手に奮戦している。西側で戦っているのは――ああ、あの子猫だ。必死で戦っている。頑張るモノだ。でもソレも時間の問題だ。もう少ししたら各地に僕の成体強化クローン三体が投入される。そうなれば形勢は一気に傾く。


 時間が来た。聖都テレスターレを覆っていた結界が消える。ラインが十数年前に送り込んでいた間者が役目を果たした様だ。⦅女王クイーン殺戮蜂デッドリーホーネット⦆が最速で今、この国の首脳陣が集まっている塔に突っ込む。頂上部で見張りをしていた騎士事屋根を吹き飛ばす。


「さぁ、参りましょう」

「ああ」

「う、うむ」


 ⦅女王クイーン殺戮蜂デッドリーホーネット⦆のゴンドラから降りて見晴らしの良くなった塔の最上階から階段を降りる。直ぐに扉に行きつく、その扉を開けるまでもなく僕が蹴破る。粉塵が舞う中を元スポンサー様が先頭、続いてラインと僕、護衛達、最後に僕のクローンの順で部屋に入る。煙が晴れて僕達の姿が顕わになる。


「お久しぶりです。陛下、大聖女様」


 元スポンサー様がそう言うと「ロズベルト!」「ロズベルト神殿長…」と言う声が響く、部屋の中には14人の男女が居た。最も豪奢な服を纏っているのがテレスターレ・フォン・ファイラル十一世、その後ろに立つのがハインツ・ブロード、右に座るのがセリアーナ・シャリス、その後ろが例のセアラ・シャリス、その隣がスパイク・シャリス、スパーツ・シャリス、リッテルト・ハウル、リッツ・ハウル、エイリス・バジャール、エイディ・バジャール、ヴァン・スコール、ガリー・レバン、ノットレザンジュ・レバノン、リーレン・メスラだろう。情報は仕入れてある。もう一方の扉が開く気配は無い。元スポンサー様の下僕が上手く抑え込んでいる様だ。


「ロズベルト!貴様、国を売ったか!」


 テレスターレ・フォン・ファイラル十一世が怒りを滲ませた声でそう言うが元スポンサー様は鼻で笑った。


「私が国を売る?違いますな陛下、私はこの国を正そうとしているのですよ。貴方が――いえ、貴方の父が歪ませてしまったこの国を!」


 その一言にテレスターレ・フォン・ファイラル十一世はギリッと歯をきしませ、この場に居た何人かが顔色を分かり易く変化させた。この場の会話は僕が部屋に入った瞬間から起動させた〖通信機〗でこの聖都テレスターレ中に、このテレスターレ聖国中に丸聞こえだ。さぁ、ショータイムの始まりだ。元スポンサー様は続けて言った。


「セアラ・シャリス」

「!」

「お前の父母の名前を言って見ろ」


 少女は分かり易く真っ青な顔になった。







「ミィィィィッーーー!!!」


 私が声を上げると一番にリフレイアさんが窓に飛びついた。続けてハインツさんがオッちゃん聖王様に付いている為に全騎士の命令権を委譲されている副騎士団長さんが続く。私は素早く【鑑定】で得た情報を紙に書いて二人に見せる。


【名前】昆魔・蜂型N-13129


【種族】殺戮蜂デッドリーホーネット・強化体


【年齢】0歳


【気力】3500


【理力】3500


【霊力】2700


【魔力】2700


【技能】【猛毒牙攻撃LV8】【殺戮針攻撃LV9】【飛翔LV8】【風魔導LV10】【暴風魔導LV5】【並列思考LV3】【思考超加速LV6】【空間把握LV7】【結界LV5】


 前に戦った奴より強い。【結界】だけは【LV】が下がってるけど他は上だ。しかも数がドンドンと増えていく、100や200なんてもんじゃない。物凄い数だ。どうやってこんな数を密かに送り込んで隠していたのか分からない。しかも足で人を一人抱えてる。あの人間を聖都テレスターレに侵入させる気だと悟った。


「直ぐに向かいます」

「ミィッ!」(私もっ!)


 窓からリフレイアさんと私が飛び出す。私は【亜空間機動】でリフレイアさんは【空歩】で宙を駆ける。


「我等も続くぞ!【空間機動】【空歩】【空翔】が使える者は続けっ!残りの者は指示通りに動けっ!特に結界の護りは厳重にだ!奴等は間違いなく狙って来るぞっ!」

「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」


 大凡で3000人位の騎士さんが私達に続いて飛び出して来る。でも敵の方が圧倒的に多い。無茶苦茶な数だ。何と言うんだろ?敵が八割、空が二割って感じだ。


『敵⦅殺戮蜂デッドリーホーネット⦆が約三万、人も約三万です』


 こっちの十倍か半端じゃないな、兎も角、情報感謝だシルさんご褒美にオレンジキャンディーだ。


『ありがとうございます』


 しかし、数の十倍差が何だというのか、ステータスの差は更に大きい、通常状態でも十倍近い差があるのに今はセアラの【光輝】【降臨】【神威】が掛かり【四聖神法】【四界竜力】【龍王力LV1】と全力全開だ。私は【神武尻尾攻撃】と【千変万化】で尻尾漆本を刃にして【閃駆】の猛スピードで敵陣を突っ切ってやった。


「な?!ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


 おっしゃ、突っ切るだけで数十所か百近くを切り裂いた。切り裂かれた⦅殺戮蜂デッドリーホーネット⦆と敵騎士がボトボトと落ちていく。よし、Uターンしてもう一撃と思ったら「くっ!撃て!撃てーーーっ!!!」と言う声が響いた。私に向けて⦅殺戮蜂デッドリーホーネット⦆の【殺戮針攻撃】と掴まれた人が放つ銃弾が襲い掛かる。コレはヤバイと慌てて【亜空間機動】で転移。【殺戮針攻撃】は大丈夫と思うが銃はヤバイ。この世界、十数年前から火薬、爆薬が作られるようになってマスケット銃とかは既に存在していて【銃術】【銃技】何て【技能】も出来てるらしい、試しに撃って貰ったがこれには【物理攻撃完全無効】が効いた。でもハミルトンが創った銃には効果が無い。恐らくは根本的な作りに違いがあるのだろうと思う。喰らうのはマズイ。


 銃撃を避けた私はお返しとばかりに〘魔導攻撃〙を撃ちまくった。大量に叩き落した。其処にまた撃ち込まれる銃弾の嵐、再び転移で躱して今度は【神空爪攻撃】を放ちまくりながら【神武尻尾攻撃】で密集地帯を突っ切ってやった。また大量に敵兵が落ちる。此処でリフレイアさんが私に追いついた。


「神空刃」


 何時だかバーンが使った技だ。でもリフレイアさんが使うと正に桁が違う。極大の閃光が全てを塗りつぶして吹き飛ばす。波〇砲かな?これは?って感じだ。恐らくはさっきまでに私が狩った並の敵兵を一撃で吹き飛ばした。更にリフレイアさんが追い打ち、私も襲い掛かる。一人と一匹で暴れに暴れ回った。敵を進ませる事なく三分の一位を倒した所で援軍の3000人位のテレスターレ聖国騎士団がやって来た。巻き込むと危ないので〘魔導攻撃〙は大威力の物でなく一撃数殺程度に切り替えて次々と倒していく。そのまま何も問題なく此方が優勢に戦況を進めていく。しかし、敵を三分の二程倒した所でまた事態が動いた。聖都テレスターレの西側と東側にも赤点が現れたのだ。マズイと感じた。【対空技能】を持った騎士はまだ外壁や城壁に残っているが空を自由に動けるのは此処に居る者達だけだ。私とリフレイアさんが夫々、向かうしかないが残される騎士の人は大丈夫かと思う。だけど副団長が言った。


「リフレイア殿、ハクア殿、此方は我等でもう大丈夫です。先に向かって下さい。終われば直ぐに追いつきます」


 こう言われては信じるしかない。どっちみち放置する事も出来ないからコレはどうしようもない。


「解りました。ハクア」

「ミィッ!」(了解!)


 リフレイアさんの言葉に応じて〘集団エリア短距離転移ショートジャンプ〙聖都テレスターレまで飛んで其処で私が東、リフレイアさんが西に向かった。思ったよりも街に近付かれてる。コレはもう全力ブッパしてやると私は走りながら【多重詠唱】で詠唱を開始した。


『『『『『『『『『『集いて輝け聖光の煌めきよ、その軌跡は星の如く、その進む道を遮る物は無し、無窮の光、久遠の灯り、永遠の炎よ、今こそ我が往く手を阻む物を払い滅す破邪の極光を、眩き白の閃光を、闇を討ち、邪を清め、魔を滅ぼす。我が命の灯火を聖なる焔へと昇華させ給え、解き放たれる時は来た。暗闇を切り裂く流星となりて我が前の魔性を穿ち賜え』』』』』』』』』』


 【魂魄憑依】も総動員だ。凄まじい数の〘魔導陣〙が宙に浮かぶ。そして【魔力究極集束】【魔導精密操作極】【魔導究極増幅】も全開で使用、そして最後の言葉を言い放った。


聖光線ホーリーレイ


 正に極大の閃光が凄まじい数と勢いを持って敵兵を撃ち抜いた。今ので間違いなく数千人は死んだなーと思う。其処でピコーンと音がした。


『【LV】が1上がりました』


 イヤ、今上がるのかよ【試練】を受けてる暇など無いわと思いながら次々と敵を倒していく。倒し続ける。だが終わりが見えない。くそ…何人倒した?後何人残ってる?


『現在18654名です。この場は残り21984名』


 情報ありがとうシルさん、まだ半分以上が残っているか…悪いがご褒美は全部が終わってからだ。


『了解しました。頑張って下さい。マスター』


 ああ、頑張るともと気合を入れ直した所で声が響いた。


「〘絶零ゼロ〙」


 【亜空間機動】で緊急転移、一瞬前まで居た場所が巨大な氷塊となってドスンと地面に向かって落ちて行った。声が聞こえた方向に目を向ける。其処には男が一人立って居た。茶色いぼさぼさ頭、眼は開いているか閉じているか分からない糸目、着ている服は何処か前世の近未来的な銀と青の特撮の戦闘員が着る様なスーツ。間違いないと思った。【鑑定】するまでもなく見ただけで予想が付いた。コイツがと思った。


「初めまして、子猫ちゃん」

「ミィミィミ」(ハミルトン)


 私は遂に直にその男と遭遇した。

狐猫の小話

長い長い一日のスタートです。

遂に遭遇のハミルトン、でも成体強化クローン体。

此処が地獄の入り口です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あの時証拠を確保していれば手引される前に潰せたのか、いやきっかけは作るのが敵さんですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ