第095話 聖女五度目の試練と龍退治?
目の前に広がるのは大神殿の東館にある訓練場だった。ハクアに話は聞いていたがやはり相手はそうなのだろうと思った。其処で声が響いた。
『…五度目の試練に挑む者よ。良くぞ来た』
試練の神の声が響く、分かってはいても認められる事が無いと言うのは辛い。でもそんな私でも親だと友達だと言ってくれる人達が居る。私の夢――大聖女、その為にももう退くと逃げるは無い。
『…この間にLVを上げ良くぞ。五度目の試練に挑む決断をした。汝の決意に改めて敬意を表する』
全部がハクアのお陰だ。あの子と《友》になったから、あの子の力が借りられたから私は此処まで成長出来た。驚かされてばかりだが本当に感謝しかない。まぁ偶にちょっとやり過ぎてお説教してしまうがそれはそれだ。
『…第五の試練、汝には己が今の全てを映した現身たる闇と戦ってもらう。これは汝が知識と蓄えた善行の値を持って挑む試練、戦いだ。見事に打ち破って見せるが良い』
目の前に黒い靄が集まって行く。それは私そのままの姿を形どった。やはり伝説通り、ハクアの言葉通りだ。私は私自身と戦うのだ。スッと杖を構えて目の前の闇を眺める。
『…では試練を乗り越えて見せよ。さすれば汝には更なる力と技能が授けられるであろう。汝に再び光と闇の導きが在らんことを―』
すぐさまに戦闘が開始される。私は間髪入れずに【恩恵】【光輝】を使い続けて【技能】【降臨】【神威】【四聖神法】【四界竜力】を発動、そして【神域】で結界を張った。闇の私も全く同じ事をする。そして〘魔導〙の撃ち合いが始まる。互いの【神域】で弾け飛ぶ、仮に突破出来ても【魔導攻撃完全無効】を持っている限りそれを解除するか《神》の属性を持った攻撃で無いとダメージを与えられない。そして遂に闇の私がその〘魔導〙を使い始めた。〘聖光魔導LV10〙〘聖光線〙〘次元魔導LV10〙〘次元斬〙〘深淵魔導LV10〙〘深淵門〙どれも直撃を喰らえば一発だ。私は必死に相殺したり躱したり、防いだりする。だけどこのままではジリ貧だ。ハクアは何でも無茶苦茶な方法で突破したらしいが私には無理だ。潔く【技能】の【LV】を上昇させる。上げるのは〘雷鳴魔導〙だ。ステータスを開き声を上げる。
「〘雷鳴魔導LV8〙を【LV9】に【LV10】に」
『『技能【雷鳴魔導LV8】を【LV9】にするにはSP29が必要です。使用しました。技能【雷鳴魔導LV9】を【LV10】にするにはSP30が必要です。使用しました。強化を終了します。ご利用ありがとうございました」
間髪入れずに覚えたばかりの〘雷鳴魔導LV9〙〘疾風迅雷〙を発動。一瞬で背後に回る。慌てて振り返って〘魔導〙を撃って来る闇の私、でもまた躱す。そして今度は躱すだけじゃない。お返しに〘聖光魔導LV10〙〘聖光線〙〘次元魔導LV10〙〘次元斬〙を無詠唱でその背後に連打。【神域】の結界が砕ける。其処に〘時空魔導LV10〙〘時空刻〙を撃ち込む。当たった。コレで相手はもう動けない。もうほぼ勝ちは確定だ。でも最後に派手に行こうと思った。覚えたばかりの〘雷鳴魔導LV10〙その詠唱を始める。
「『『『『『『『『『『『神よ、皇よ、神よ、今こそその名を響かせる時、今こそその名を轟かせる時、今こそその名を広める時、天空を覆う者、大空を統べる者、雷霆を従える者、偉大なるその力、全能の一欠片を我に授け給え、我は間違わず、誤らず、見逃さず、罪を犯せし者が我が前に、我が身命を持って願い奉る。罰を降す許しを、浄罪の機会を、神命の裁きを今此処に』』』』』』』』』』』」
【魂魄分裂】も総動員しての詠唱が終わる。影の私の遥か頭上に激しく放電する何かが生まれる。それはドンドンと力強さを増して行く、後一言で全てが決まる。その言葉を私は放った。
「『神鳴』」
【魔力究極集束】と【魔導精密操作極】によって11本の雷の柱が一本に纏められ強大な稲妻の柱となったソレが影の私に対して突き立った。勿論、《神》属性の〘魔導〙だ。【魔導攻撃完全無効】を貫通する。正に神の雷、知りうる限りで最も強い《神》属性が籠った〘魔導〙だ。ソレが時を止められて動きを封じられた闇の私に直撃した。後はもう想像通りだろう。其処には巨大な穴一つを残して何もなかった。終わったと思って自分に掛けてあった自己強化を全て解いていく。
『…見事』
試練の神のお言葉が響いたのはその時だった。私は無事に第五の試練を乗り越えられた様だった。〘疾風迅雷〙は思ったよりも体と〘魔導〙に負担が掛かる様だ。多用は出来無さそうだなと考える。ほんの少し使っただけなのに息が上がっている。私はまだまだ自分を鍛えないとダメな様だ。
『…忌み子よ、汝はあの『ファーレンハイの愛し子』と違って正しく試練を突破したな」
「は、はは、ハクアは規格外ですから」
私は苦笑いしながら答える。本当にハクアはやる事、成す事がぶっ飛んでいて驚かされてばかりだ。この試練の話を聞いた時も一瞬、意識がクラアッとした。本当にハクアは何を考えているのかと、只、普通じゃ面白くなさそうだからと滅茶苦茶をする。呆れる理由だ。
『…知る全てを話した様だな』
「はい、それでもハクアは傍に居てくれると《友》のままで居てくれると言ってくれました。私達は絶対に離れません」
私の言葉に試練に神は何かを言おうとしたが何も言われないまま黙ってしまわれた。何を言おうとされたのか気になるが言われないのなら気にしてもどうしようもない。私は自分から聞く事もせずに只、黙って次のお言葉を待った。
『…その日は近い、忌み子よ。汝の未来は我等には見えぬ、覆せぬ運命が見えるのみ、受け入れられぬと足掻くも人の性なれどアストラーデが許してと言え汝を生むのはやり過ぎだ。更に運命は苛酷となろう』
その日、テレスターレ聖国がダスド帝国に滅ぼされるという日だろうか?でも私の性で更に苛酷になるとはどういう事だろう?だからその前に死ぬようにとかそういうのだろうか?イヤだな、私はまだ死にたくない。まだ私はこれからだ、やっとハクアという《友》を見つけた。力も付けた、大聖女という夢に向かって歩き始めたばかりなのだ。苛酷になると言うのなら私が全力で護り切って見せると意気込む。
『…ああ、だから汝は忌み子なのだ。神にも出来ぬ事を神に見通せぬ身で行おうとする。余りに畏れ多い』
微かに怒りの感情が見える。それでもと私は何とか少しでも救いをより良い未来を得ようと考える。それが決して叶わない未来なのだとしてもだ。
『…忌み子よ。汝の未来は見通せぬが汝の側にあるモノの未来は見通せる、覚悟をして己の道を、その歩みを止めず進む事だ』
全知の神が示す運命だ。私など想像もつかない恐ろしいモノだろう。でもきっとと信じる。セリアーナ様がハクアがリーレンがリリさん、ララさん、プリアさん、シャルさん、リフレイアさん、ファイラル十一世陛下もエリー王妃、フィー王女、フォルテ王子、レイ王子もハインツさまも皆が居る。きっとどうにかなると私は信じた。試練の神の言葉は去った。後は【技能】の習得だ。
『試練の突破おめでとうございます。報酬が授与されます。【位階】が伍になります。【気力】【理力】【霊力】【魔力】【SP】にボーナスが入ります。また以下の中から十の【技能】をお選びください。【技能】が付与されます』
【超杖術】【超杖技】【状態異常効果上昇】【大収納】【爆裂魔導】【氷雪魔導】【砂塵魔導】【白魔導】【黒魔導】【無魔導】【重魔導】【治癒魔導威力上昇】【爆裂魔導威力上昇】【氷雪魔導威力上昇】【生命魔導威力上昇】【砂塵魔導威力上昇】【白魔導威力上昇】【黒魔導威力上昇】【無魔導威力最大上昇】【重魔導威力最大上昇】【魔導容量増幅】【妨害念波】【付与】【薬合成】【毒合成】【奨励】【勇気】【罰】【浄化】【契約】【念話】【魔力解放】【潜在能力解放】【怒】【空間把握】【高速演算】【念動】【飛空】【無音】【無臭】【操毛】【遊泳】【魔眼】【威圧】【魔物殺し】【人類殺し】【大物狩り】【読唇】【炎血眼】【孤独ノ巫女】【王ノ花】
ちょっと減ったかな?と思う。でもまだまだ10個だこの中から慎重に選ばないとけない。取り合えず〘魔導〙は必須だ。【爆裂魔導】【氷雪魔導】【砂塵魔導】【爆裂魔導威力上昇】【氷雪魔導威力上昇】【砂塵魔導威力上昇】を習得、残りは4つ、【魔導容量増幅】と【付与】【鼓舞】【罰】にする。
他にも気になる技能は有るけど明日にはもう一度頑張って【LV60】の試練を受けるつもりだ。私は本気だ。神々に何と言われようと私が皆を――ハクアと一緒に護るのだと誓う。
『確認しました。では【爆裂魔導】【氷雪魔導】【砂塵魔導】【爆裂魔導威力上昇】【氷雪魔導威力上昇】【砂塵魔導威力上昇】【魔導容量増幅】と【付与】【奨励】【罰】をお授けします。【技能】【星魔】に【爆裂魔導】【氷雪魔導】【砂塵魔導】が進化、収納されます。【爆裂魔導LV5】【氷雪魔導LV5】【砂塵魔導LV5】になりました。【技能】【魔導秘奥本】に【技能】【爆裂魔導威力上昇】【氷雪魔導威力上昇】【砂塵魔導威力上昇】【魔導容量増幅】が収納、進化されます。【爆裂魔導威力最大上昇】【氷雪魔導威力最大上昇】【砂塵魔導威力最大上昇】【魔導容量究極増幅】になりました。【魔極】に【付与】【奨励】【罰】が進化、統合されます。【神授】【神舞】【神罰】になりました。以上で【技能】の授与を終わります。ありがとうございました』
またパワーアップしたなぁと思う。でもまだまだだ目標は明日中に【LV60】だ。ハクアに追いつくには今、この時しかないと思って居る。頑張って追いついて護られるのではなく護り合える仲になるのだと誓う。そして私は現実へと帰った。
◇
「只今戻りました」
試練を終えてセアラが帰って来た。私は大喜びで抱き着く、リーレンさんもセアラを抱き締める。うん、怪我は負って居ない様だ。大丈夫そうだなと安堵する。
「聖女様、お怪我はありませんか?」
「はい、少し苦戦しましたが大丈夫です。傷一つ有りません」
良かった、良かったと安堵したところでピコーンと音が響いた。己、またか?今度は何だ?と思う。
『【技能】【誓ノ紲】により【技能】が共有されます。【爆裂魔導LV5】【氷雪魔導LV5】【砂塵魔導LV5】【爆裂魔導威力最大上昇】【氷雪魔導威力最大上昇】【砂塵魔導威力最大上昇】【魔導容量究極増幅】を習得しました』
おおう、今回でセアラが獲得した【技能】の一部か、本来はセアラの〘魔導〙適正は火と風だったけど【魔導秘奥本】の効果で全適正になったからな、〘魔導〙はもう全部を覚える心算で頑張る様だ。明日には何とか私も【LV70】になりたい所だがどうだろう?今日は予定より少し早い48階層途中で帰還した。明日一日で11階層と少し、⦅門番⦆とは二連戦だ。しかも弱くはない相手と、苦しくなりそうだがそれでもと考えながら私達はこの日、眠った。
翌日、朝食を食べて少し休んでから昨日の続きから〖迷宮侵攻〗だ。⦅王魚人⦆⦅人魚姫⦆にまた襲われる。セアラの経験値が良い感じで伸びる。⦅門番⦆を倒す前に一つ【LV】を上げた方が良いなと思って49階層で少し粘る。⦅悪魔鮫(デビルシャーク⦆に⦅飛翔殺人魚⦆を相手に戦う。水から飛び出すだけじゃなくて空中を泳ぐんだこいつ等、なんて迷惑な魚何だと思う。でも何とかセアラが【LV51】にリーレンさんが【LV44】に上がった。⦅門番⦆の護る門を潜る。そこに居たのは⦅二頭蛇龍⦆、10階層で遭遇した豚さんと同じ本来とは違う希少な⦅門番⦆だ。しかも龍種だ。A級所じゃない、S級にも届く、これは私も参戦しないとダメだなと身構える。そして初めての龍との戦いが始まった。
⦅二頭蛇龍⦆の右の首が凄まじい勢いの水流を左の首が氷の吹雪を放つ。私とセアラは直撃しても平気だがリーレンさんが死んじゃう。私は必死に避ける。リーレンさんの〘火炎力〙で強化された〘火炎槍⦆とセアラの⦅雷激砲〙が火を噴くが大きなダメージを与えられない。嘘だろ?ステータスはセアラが大きく上回ってるのにこの程度のダメージって…。慌てて【鑑定】。
【名前】名無し
【種族】二頭蛇龍・成体
【年齢】1歳
【気力】9536 → 19072
【理力】9532 → 19064
【霊力】10325 → 20650
【魔力】10331 → 20662
【技能】【蛇龍LV7】【水流息吹LV9】【氷河息吹LV9】【真牙攻撃LV2】【超毒牙攻撃LV8】【巨体体当たり攻撃LV8】【真尻尾攻撃LV1】【負傷回復速度大上昇LV2】【魔導力回復速度大上昇LV2】【体力回復速度大上昇LV2】【龍力LV8】【龍結界LV7】【龍鱗LV9】【水魔導LV10】【水流魔導LV5】【風魔導LV10】【暴風魔導LV5】【氷雪魔導LV5】【並列意思LV4】【思考超加速LV5】【五感大強化LV6】【暗視LV8】【必中LV7】【閃きLV7】【不屈LV5】【反応LV6】【遊泳LV6】【逆鱗】【門番】
何かステータスが倍になってた。完全にS級の天災な魔物じゃ無いかと思う。50階層でこんなのを出すなと言いたい。とても普通は1PTでは勝てない、PTが徒党を組んでやっと勝てる感じだ。ヤバそうな【技能】はコレか?目星を付けて【詳細鑑定】【邪龍LV7】【LV1】で熱源感知、【LV2】で息吹の攻撃力上昇、【LV3】で【無臭LV10】の効果、【LV4】で攻撃の全てに毒属性を付与、【LV5】で【無音LV10】の効果、【LV6】で龍力の効果が倍に【LV7】で攻撃全てに猛毒属性を付与だ。【龍力】はステータスを1.5倍に、でも【蛇龍】の効果で倍になってるから2倍だ。【龍結界】は〘魔導〙の威力を減衰、【龍鱗】は物理攻撃と魔導攻撃に高い耐性、【逆鱗】は弱点だが触れると激怒してステータスが大幅に上昇、【門番】は⦅門番⦆全てが持ってる。門を護っている限りステータスが上昇だ。
セアラとリーレンさんは必死に魔導を撃ち込むが余り傷を与えられない。【龍力】【龍結界】【龍鱗】が厄介過ぎる。やはり私も攻撃に参加だと【神空爪攻撃】を放つ。やっと大きな傷が⦅二頭蛇龍⦆に刻まれた。傷跡にセアラとリーレンさんが〘魔導〙を連打する。痛みに⦅二頭蛇龍⦆が暴れ回る。だが此方も容赦しない、続けて再びの【神空爪攻撃】更に傷が作られる。もう後は一息だ。一気呵成に攻め立てる。〘火炎槍⦆⦅雷激砲〙【神空爪攻撃】が連打される。そろそろ止めという所で⦅二頭蛇龍⦆が予想外の行動を取った。ワザと弱点である【逆鱗】を曝して其処に攻撃を受けたのだ。
ふざけんなと思った、怒り狂った⦅二頭蛇龍⦆のステータスがまた爆上がりした。猛反撃が始まった。【息吹】を乱射して【真牙攻撃】と【真尻尾攻撃】を振り回す。〘魔導〙も連打してくる。だけどまだセアラの【光輝】と【降臨】【神威】、そして私の【四聖神法】【四界竜力】を発動したこっちが上だ。少し危なくなったが何とか躱す。流石に此処までステータスに差が出来るとリーレンさんの〘魔導〙はダメージにはならない。私とセアラが必死に攻撃する。本当に龍は強くタフだ、中々、倒れない。でもそれも終わりだ。私の【神断牙攻撃】が巨大な首の一本を断ち切り、セアラがトドメに放った〘神鳴〙で残った頭も吹き飛ばされて⦅二頭蛇龍⦆は倒れた。
ピコーン
『【LV】が1上がりました。龍を討伐して血を浴びました。【龍力LV1】【龍結界LV1】を獲得しました。【技能】【金綱力体】【四界竜力】を確認しました。【金綱力体】が【龍鱗LV1】に進化します』
かなりの強敵だったお陰か【LV】が1上がっただけでなく、【LV70】への必要経験値もかなり増えた。これなら60階層への道中で魔物を倒していくだけで【LV】が上がるかも知れないと思えた。【技能】も増えた厄介だった【龍力】【龍結界】【龍鱗】も手に入れば非常に心強い。頑張って強化して今後も頼りにさせて貰おうと考える。セアラとリーレンさんは一気に3つ【LV】が上がったリーレンさんはまた次の試練が近い、セアラもこのペースならもう一度、試練を受けられるかもしれない。しかし時間がギリギリだ。間に合うかな?と思いながら私達は50階層の門を潜り51階層に入った。
51階層から60階層は闘の階層、高い魔導防御力を誇る物理攻撃主体の魔物が多くいる階層だ。リーレンさんには厳しい、セアラはちょっと魔導耐性が高い程度は平然とぶち抜く、今も通路一杯にひしめいていた⦅鋼鉄鎧闘士⦆を〘聖光魔導LV10〙〘聖光線〙で残らず消し飛ばした。私は〘深淵魔導LV10〙の〘深淵門〙のヤバさにコレは封印だなと思って居たがちゃんと考えて使えば有用そうだ。まぁ〘深淵門〙が危険なのは置いておいて他のは考えて使おうと思った。しかし、今更だがこの〖迷宮〗はあっちこっちに罠がある。毒の矢が飛んできたり槍が飛び出したり、落とし穴が開いたり色々だ。私はガー爺ちゃんの修行とか獲得した【技能】で解るが解らない人や魔物には解らない。今も⦅骸骨戦士⦆が襲い掛かって来たが転移の罠を踏んでどっかに飛ばされてしまった。〖迷宮〗内の何処かに飛ばされたのか地上に飛ばされたのかは分からないが兎も角、こんな感じで何百、何千年が掛かって地上に魔物が溢れたんだろうなぁと思う。
そして〖迷宮〗を進んで最後の〖安全地帯〗55階層、ちょっと遅めの昼食を取る。ご飯はサンドイッチだこの世界ではサンモードと言うらしい、売られていたマヨネーズが何か酸っぱかったので自作した美味しいと喜ばれた。満足だ。ここまでの道中でセアラは【LV57】リーレンさんは【LV50】になった。食べて少ししたら早速、試練を受けてくるそうだ。まあ、第五の試練は自分自身との戦いだ恐ろしい強敵との戦いではない【SP】さえあれば大丈夫だと私とセアラは信じてリーレンさんを見送った。
リーレンさんが帰って来るまでセアラと他愛ないお喋りをする。そう言えば私はセアラの趣味とか好きな事、特技とか全然知らなかったなーと思う。趣味は読書、好きな事はセリアーナお婆ちゃん大聖女様と一緒に居る事で特技はマッサージらしい、本当にセアラはセリアーナお婆ちゃん大聖女様が大好きだなーと思う。特技がマッサージと言うのもセリアーナお婆ちゃん大聖女様の為だろう。私にはまだ必要ないが何時か体験してみたい気もする。そしてセアラの夢はやっぱり大聖女だそうだ。こんな自分でも、こんな自分だからこそ皆の為に頑張りたいと言っていた。セアラは十分に頑張ってると思うけどなー。
秘草採取何かはその典型だ。冬の病気、前世で言うインフルエンザみたいな物の特効薬を作る為に必須な聖女の仕事、でも給金は安いしあちこちを巡らないといけないから大変で苛酷だ。やりたがる聖女は少ない。今でこそ聖女ギルドとか一部の街には大神殿で教えを受けた聖女が居て秘草を採取しているがいない頃は総動員で秘草採取を行っていたらしい。テレスターレ聖国には大小で484の街と村があり開拓されている村を合わせると500を超える、私達が三ヶ月で回った町村など五分の一にも届かない、残りは他の聖女やその都市の聖女候補、聖女ギルドからの派遣者が採取する。
逆に実入りが良いのは各街に設置されている結界の整備と保守点検だ。これは【LV】が低くても出来るしとてもお金が貰える。何より【障壁】【大障壁】【結界】【大結界】さえ使えれば聖女なら誰でも出来るモノだ。後は冒険者が手に負えない魔物の駆除等も頼まれる。例として挙げれば秘草採取はセアラが、結界の保守点検などはまだ会った事は無いがシャーロットが、魔物の駆除はシャルさんが行っていると言う感じだ。
聖女の基本的な仕事はこの三つ、後は夏至と冬至、年末年始に行われる行事と神事だ。因みにアムディの聖石採取は特別任務になる。この時に得られたアムディの聖石は大聖女を含めた7人全員の聖女によって【治療】【治癒】【回復】【快癒】【幸運】【祝福】【希望】【福音】【加護】【大加護】【聖声】【聖号一声】【障壁】【大障壁】【結界】【大結界】が掛けられた後にヴァハラ王国に送られそこで新たな結界の発生魔導具にされて世界各地の古くなった結界魔導具と交換されたり新たな街に配られたりするそうだ。今更ながらあのアムディの聖石の使い道を知った、そんな事に使われたのかと思った。確かに普通にもアムディの聖石は売買されてるから何で神殿が?とは思ったけどそんな訳があったんだなぁと悟る。
そして大聖女になると基本的には事務仕事ばかりになる。聖都や公爵領、侯爵領、伯爵領への出張もあるが大体はアストラリオンで大神殿の運営が仕事になるらしい。まぁ、仕事さえすれば基本、自由らしいので今よりも気軽に動けるようになるのかなぁと思う。唯一、絶対なのは7年に一度の大聖女の円卓神殿――神託の円卓神殿で神々から神託を授かる事、この仕事さえこなして居れば何処で何をしていても別に構わないらしい。他の国の大聖女がどうなのかまでは知らないがテレスターレ聖国ではそうなっている。セリアーナお婆ちゃん大聖女様も結構、忙しい時以外は自由にしてたもんね。セアラもそうなるのかなぁと言う気がするが何となく大聖女になっても秘草採取をして居そうな気がするのがセアラらしい。そうして話込んでる間にリーレンさんが帰って来た。今度は前の様な重傷は負ってない、安心した。さて暫くしたら出発だ。次に試練を受けるのは私とセアラ、どっちかな?
狐猫の小話
竜種は生まれてから進化でドンドンと強くなりますが龍種は最初からかなり凶悪に強いです。
進化とかもあまりしません。
今回の龍はかなり弱い部類です。




