第082話 聖都へ出発、最強護衛騎士の話?
マジで死ぬ所だった。
【回帰】様の反動は半端じゃなかった、眼を覚ました時には体を動かせなかった。
セアラは大喜びでリーレンさんにもホッとされた。
激しく消耗しながら1週間眠る程度じゃない、物凄く激しく消耗しながら1週間眠るだ。
眼を覚ましても動けるようになるまで3日掛かった。
まだ安静にしておくように言われたがそういう訳にも行かない。
1月も終わりが近い、明日にはアストラリオンから聖都テレスターレに出発するそうだ。
ならその前にやっておかないといけない事が在る。
「ちょっと、ダメですよ!ハクア!」止めるなセアラと『長距離転移』でカンタコンペに行って何時もの釣り場でリリアを待つ。
予想通りにやって来た、体調の悪さは【夢幻】で誤魔化す。
無事、気付かれずに明日から2月が終わる迄は来れない事を告げて一日、一緒に釣りを楽しんだ。
調子が悪かった為か釣果は互角だった、むう、残念だ。
兎も角、コレでリリアは問題無しだ、3月に成ればまた会いに来よう。
必ず、きっと、そう思いながら私は大神殿に帰った。
セアラとリーレンさんにめっちゃ怒られた、無理をするなと、だが黙ったまま1ヶ月も放置するなど私には出来ん。
でも、無茶をしたのも確かだ、此処は甘んじてお説教を受け容れようと2人に怒られた。
翌日は出発の日、セリアーナお婆ちゃん大聖女様に護衛騎士のリリさんとララさん聖女第一位のセアラと護衛騎士リーレンさん、聖女第三位のプリアさんと護衛騎士パティちゃん、聖女第二位のシャーロットは謹慎中なので代理の聖女第四位のシャルさんと護衛騎士リフレイアさんが一緒に向かう。
アストラリオンに残るのは第五位のホープと護衛騎士のサテラ、第六位のシズさんと護衛騎士サラお姉さん、そして元第六位の聖女さんだ。
聖都テレスターレから来た護衛の騎士も山程、ちょっとした大名行列の様な集団が出来た。
この馬の全てにセアラが【光輝】を掛けて2週間掛かる筈の道を1週間弱で行くんだよなーと思う。
人数制限無いとか改めてセアラの【恩恵】はチートだと感じる。
そして――
「出発!」
護衛騎士団の団長さんの声で四台の馬車と馬に乗った騎士達が進みだす。
目的地はこの国、テレスターレ聖国の中枢、聖都テレスターレだ。
アストラリオンの人々に見送られながら馬車は進む。
一番、豪華で華麗なのはセリアーナお婆ちゃん大聖女様の馬車だけど牽く馬はやはりシルバーとズィルバーが最も目立つ。
カッコいいぞ、シルバー、可愛いぞ、ズィルバー、今日もお前達がナンバーワンだ。
そう二頭に声援を送る私の居場所は指定席なシルバーとズィルバーの背中ではなく馬車の中のセアラの膝の上。
もう大丈夫だからシルバーとズィルバーの背中に行く、あそこが一番、癒されるのだと言ってもセアラが許してくれない。
「ダメです。ハクアはまだ大人しくしていて下さい。私も我慢しているのですからお互い様です」
そう言えばセアラも馬車の屋根の上で無く中に座っている。
流石にこの大人数の中で屋根の上はダメなのだろう。
しょうがないと諦めてセアラの膝でゴロゴロする、コレはコレで幸せだ。
「大聖女様ー」
「聖女様ー」
という声に答えて手を振る街の人の声に手を振って答ええる聖女様方、大人気だなーと思う。
セアラも笑顔で堂々と手を振る、【LV】も結構、上がって自信が付いた様だ。
聖都テレスターレに着いたら一緒に迷宮潜れないかなーと考える。
馬車と行列がアストラリオンを抜けてセアラがシルバーとズィルバーを除いた全部の馬に【光輝】を掛ける。
それでもシルバーとズィルバーの方が速い、セリアーナお婆ちゃん大聖女様の馬車を抜きそうだ、でもそこは何とか抑えてスローペースで歩いて貰う。
ストレス溜まりそうだな、後でたっぷりとニンジーとアッポーを差し入れようと決める。
最初の野営地に着く、決めてた通りにシルバーにニンジー、ズィルバーにアッポーを上げてたっぷりと労う、大変だろうが我慢して欲しい、全部が終わったらまたタップリと駆けようなと約束する。
そしてセアラの元に戻る。
因みにセアラを護衛している聖都から来た騎士は何時も通りにガレスさん達だ、また頭をグワングワンされた。
シャルさんの護衛に来たのは懐かしい影が薄いノーザンさんと新しい4人組、こちらにも頭を撫でられた。
セアラはプリアさん、シャルさんと三人で談笑していた。
仲は良さそうで安心した、シャルさんは問題無しだがプリアさんとはちょっと距離を置いてる気がしたからだ。
リーレンさんとパティちゃん、リフレイアさんはまた練習試合中の様だ、見に行きたいけど今日はセアラを優先だ。
「ミィミィ」(ただいま)
「お帰りなさい、ハクア」
セアラが抱き上げて膝に乗せてくれる、うむ、落ち着く。
「聖女セアラ、その子が噂のハクアかい?」
プリアさんが尋ねる、そう言えばセアラの部屋によくやって来るシャルさんとセアラが良く話しかけるシズさんを除けばプリアさんとキチンと顔を合わせるのは今日が初めてな気もする。
何度か見た覚えはあるけどね。
「はい、この子がハクアです。自慢の友達です」
そう言われるとちょっとこそばゆい、私もセアラを自慢の友達だと思ってるから御相子かな?
「そう、私も触らせて貰って良い?」
「はい、どうぞ」
セアラの手からプリアさんに渡される。
「いいねー、フワフワでモコモコだ。でも尻尾が沢山、生えてると聞いてたけど今は一本だけだね?」
それは【夢幻】で小さくして隠しているからです。
しかし私も【恩恵】【秘赤眼】を獲得してある程度、人の善し悪しが判別出来るようになった。
絶対危険は黒、危険は赤、注意は黄色、安全は青、全く問題無しは白だ。
プリアさんは何故か注意の黄色だ、どしてだろ?優しそうなのに、初対面だからかな?と考える。
結構な時間を撫でまわされた、悪くない撫で心地だ、流石は子持ちというだけはある、慣れてる感じだ。
「聖女プリア、私にも」
「はい、聖女シャル」
おお、今度はシャルさんか、シャルさんには良く抱かれたり撫でられたりするから慣れたモノだ。
秘草採取の旅でノッ君の所でダンスをした話をしたらセアラはシャルさんからダンスを教えられるようになった。
流石はセアラのお姉ちゃん役だなと思う、本当に色々と暇を見てはセアラの元を訪問してお話、指導をしてくれる。
色は全く問題無しの真っ白、ちょっと厳しいけど本当に優しい、良い人だと思う。
こんな人が側に居て本当にセアラは良かったと考える。
「そう言えば聞いてます?ロズベルト神殿長はまだ粘っているらしいですよ」
「そうなのですか?」
「らしいと言えばらしいですわね」
プリアさんがそう言うとセアラとシャルさんが夫々の反応を示す。
でもやっぱりかガマガエル神殿長、これは絶対に2月中に何かを起こすなと想像する。
関わるのはダスド帝国とハミルトン、厄介なのは違いない、誰かに相談しておくべきかも知れないが全部が私の予想だ、証拠がない。
放っていた【魂魄憑依】ももう無理だなと引き上げさせた。
久々に10人揃って姦しい、只、向こうの火山で火竜は狩って貰った。
持って帰って貰って血をかけた。
【火竜力】を獲得したが他の【竜力】と統合されて一気に【四界竜力】になった。
セアラとリーレンさんにも分けた、これで全竜種がコンプリートだ。
きっと【属性耐性】と【四竜力】を覚えたと思う。
プチパワーアップだ。
其処に護衛騎士の3人が帰って来た。
リフレイアさんは相変わらず汗も息も乱していない、リーレンさんはへとへと、パティちゃんはズタボロだ。
「ただいま戻りました、聖女様」
「お帰りなさい、3人とも怪我は無い?」
シャルさんが代表して尋ねるがリフレイアさんが「手加減したので全員、怪我一つ有りません」と答える。
うん、パティちゃんがボロボロに見えるのは心の傷か、それはセアラの【月光】でも治らんだろうと思う。
パティちゃんはずっと年上で成人もしてるが何となく幼げな可愛い感じがするのでちゃん付けだ。
パティさんって雰囲気ではない、コレで問題はない筈だ。
そんなパティちゃんはプリアさんの隣に座って「とんでもなかったですー」と抱き着いて良々と慰められてる。
リーレンさんはセアラの隣、リフレイアさんはシャルさんの隣だ。
6人になって更に騒がしくなると思いきや余り話題が花開かない。
リーレンさんとリフレイアさんは静かな方だからなぁ、話が途切れる、途切れる。
「えっと、その…師匠は自分が結婚するのに『後はお前に任せた』と言って行ってしまいましたが既に結婚済みなプリア様以外の方は彼氏等居るのでしょうか?」
あ、そういう事を聞いちゃうんだパティちゃん、プリアさんは「私は愛する旦那様が居るからねー」と惚気る。
セアラはキョトンとして「私はそういうのはまだちょっと…」と、言う、だけど、そろそろ気にした方が良いかもだぞ?セリアーナお婆ちゃん大聖女様が探してくれるかもだがその前には私という壁が立ち塞がるのだ。
私が認めんとセアラはやらんと決めている。
リーレンさんさんは「わ、私には一応、婚約者が…」と赤くなって吃る、ノッ君とはラブラブだしね、やはり末永く幸せに爆発しろと言いたい。
「詳しく聞きたいですっ!」
突っ込むパティちゃん、暫くノッ君の事を話させられるリーレンさん。
そう言えば私はどうなんだろうと思う、5年はこのままらしいがその頃には野生な雄の綿猫とか見つけているだろうか?
全滅危惧種らしいので気にはなる、カッコいいのが見つかると良いなぁと考える。
次はシャルさんとリフレイアさんだ。
リフレイアさんは「私は剣に身を捧げています」と一言、むう、美人さんだと思うのに惜しい、顔は相変わらず隠したままだけど、恋とか興味がないんだろうか?
爆弾発言はシャルさん「私にも婚約者が居るわね、問題がなければ来年には結婚予定よ」との事、ビックリだ。
この超美少女なシャルさんの旦那になるとはどれ程の男なのか?知らねばなるまい、私の目に敵わなければ即処分する事にする。
何でもヴァン侯爵が見つけて来た伯爵家の次男らしい、スコート侯爵家はロビン君(邪神)では無くシャルさんが継いで旦那さんは入り婿になるらしい、釣書をやり取りしただけでまだ実際には会っても居ないそうだ。
それで結婚して良いのか?と思うが気にしないらしい、まぁ、ヴァン侯爵が外れを引く事は多分ないから大丈夫と思うが、セアラの1件があるからな、少しは気を付けた方が良いと思うぞ?シャルさん。
そんな驚きがありつつ初日の夜は更けていった。
2日目も護衛騎士団の団長さんの「出発!」の声で野営地を後にする、次の野営地の側には湖があるそうだ。
お魚釣りが出来るかなーとちょっとワクワクだ、そう言えば野営なら自分で料理をしても文句を言われまいと久々に今日は腕を揮う事にする。
釣りと料理という私の趣味を発揮できる機会だ、楽しみにする。
だけど道中で鬼王の率いる群れと突発遭遇、戦闘になってセアラの【光輝】が全ての騎士達全員に懸けられて私やリフレイアさんを筆頭に聖女様方、護衛騎士も揃って開戦、集団同士の戦闘って初めてだが、相手は殆んどが小鬼だ。
【技能】も使わない軽い狐猫パンチで纏めて吹き飛ぶ、寧ろ吹き飛ばした小鬼で味方を怪我させないかが心配だ。
鬼王へとリフレイアさんが鎧袖一触に小鬼、中鬼、大鬼を撫で切りにして迫ってその首を落とす。
後は指揮官を失って混乱する小鬼を殲滅するだけだ、ちょっと時間だけは取られたが怪我人も殆んど出ずに討伐が出来た、楽勝だ。
S級の天災が出ても私とセアラ、リフレイアさんが居れば多分、大丈夫なくらいだ。
今更、A級の破滅程度には止められない。
厄介度や迷惑度、遭遇率等々を考慮外にした魔物のステータスはG級の下位が殆んど一桁、F級の中位が二桁前半、E級の高位二桁中盤、D級の災害二桁終盤からギリ三桁、C級の災厄が三桁中盤、B級の災禍が三桁終盤から四桁前半、A級の破滅が四桁終盤まで、これまで私が戦ってきたA級の破滅はかなり弱い部類だったみたいだ。
S級の天災が五桁序盤から五桁の中盤まで私も今はこの部類だな。
SS級の絶望が五桁の終盤から六桁序盤、SSS級の終焉は六桁の中盤から終盤、EX級の神話は最早想像も不能なレベルだそうだ。
何とも桁が違い過ぎて恐ろしい、強いS級の天災、SS級の絶望、SSS級の終焉、EX級の神話とは絶対に戦いたく無いなーと思う。
そんな訳で予定より野営地への到着が遅れた。
湖で夜釣りってのも何だろう、今日は諦めた、代わりに料理はやって見た。
この世界、味噌とか醤油とか発酵食品もちゃんと合った、味は前世に遥かに劣るがそれでも砂糖、塩、御酢、醤油、味噌だ。
魔魚を【時空魔導】を使って三分クッキングだ。
味噌煮込みにして見た、セアラ達に驚かれた。
でも美味しいと食べてくれた、うん、中々に好感触、今後も色々と作っていきたい。
定番でプリンとかケーキも良さそうだ。
ケーキ見たいなお菓子は見たけどプリンは見てない、作ると喜んで貰えそうに思う。
冷蔵用の【魔導具】を買わないとだけどね。
そんな訳で昼の戦闘の疲れもあってか皆が食後は早くに寝た。
私も愛する狐猫をダメにする巣箱Mk-2でぐっすりだ。
だけど、代わりに朝早くに起きた、朝釣りだ、釣れるかどうかは分からないが試しに出発まで挑戦だ。
そよそよよ吹くそよ風を浴びながらちょっと寒い早朝の空気を浴びる。
無意識に私は【隠身】を発動して釣りをしていた。
ボーとして【神智】さんも気にしてなかったから気付くのが遅れた。
ザバッと誰かが湖から上がる、え?!誰?!と目を見開く、向こうも驚いた顔をしていたが直ぐに私と気付いて「貴方でしたか」と言ったが、こっちはまだ驚いたままだ。
湖から出てきたのはリフレイアさんだった、沐浴していた様だ。
全裸だから顔を隠してない、初めてリフレイアさんの素顔を見た。
【技能】の【収納】からタオルを取り出して体を拭いて何時もの姿に戻っていくリフレイアさん。
でも私は見てしまった、リフレイアさんの真っ白な瞳と額に走った三本爪の鋭い傷跡、それを隠す為に彼女は何時も顔半分を隠して居るんだと知った。
今更だけれどリフレイアさんの【鑑定】結果。
【名前】リフレイア
【種族】人族・剣聖
【年齢】20歳
【位階】陸
【LV】69
【気力】36482
【理力】36480
【霊力】34878
【魔力】34864
【SP】1289
【技能】【剣神術】【剣神技】【斬撃威力最大上昇】【打撃威力最大上昇】【刺突威力最大上昇】【物理攻撃無効LV10】【魔導攻撃無効LV10】【状態異常無効LV10】【属性無効LV10】【負傷回復速度超上昇LV10】【体力回復速度超上昇LV10】【予知LV10】【瞬間記憶LV10】【気力限界上昇】【理力限界上昇】【霊力超上昇LV10】【魔力超上昇LV10】【気力操作極】【理力操作極】【霊力超操作LV10】【魔力超操作LV10】【気力探知極】【理力探知極】【霊力超探知LV10】【魔力超探知LV10】【限界究極突破】【五感覚醒】【真感】【閃光】【不撓不屈】【超反射反応】【空走】【思考超加速LV10】【並列思考LV10】【確率超補正LV10】【四大神法LV10】【超四竜力LV10】【鑑定偽装LV10】【超収納LV10】【勇者LV10】【剣神】【斬魔】
【恩恵】【魂白眼】(【探知】【真眼】【鑑定】【看破】【視覚領域覚醒】【万寿里眼】)
この通りである。
【魔導】は使えないみたいだけど無茶苦茶に強いんだリフレイアさん。
【黒雷光虎】とか楽勝で勝てる。
本当に護衛騎士最強は伊達じゃない。
【鑑定偽装】を突破して見た時は何て人を護衛にしてるんだシャルさんと思った。
リフレイアさんは身だしなみを整えた後に私の隣に座った。
何となく空気が重い。
「醜いモノを見せてしまいましたね」
フルフルと首を振る、確かに傷跡にちょっと驚いたけどそれだけだ。
リフレイアさんの美しさを損なうようなモノじゃなかった、【念話】が無いから伝わらないだろうけどそう告げる。
ポフッと頭を撫でられた。
「私の家族は【暴風綿猫】に殺されました」
その言葉にえっ?!と驚く、S級の天災だ、私達、綿猫の進化先の一つである。
それがリフレイアさんの家族を殺した?リフレイアさんの額の傷もそいつの性かと思う。
同族だけど何か許せんなと感じる、リフレイアさんの強さなら仇はもう討ってそうだけどね。
「唯一、運良く生き残った私は仇を誓いました。体の傷は消して貰いましたが額の傷は敢えて残して貰った、怒りと憎しみを忘れない為に」
ただ黙ってリフレイアさんの話を聞く、多分、あまり話したく無い事だろうに言ってくれているのだ。
私は何も言わない。
「そして強くなって仲間も鍛えた、遂に仇をと思った矢先に【暴風綿猫】は他の冒険者の手で倒されてしまった。私は目的を失ってしまった」
何だかまた驚いた、てっきりリフレイアさんが討ったと思ってたが他の冒険者に倒されたのか、何だか凄いやり切れない、私も母狐猫の仇を他の誰かに浚われたら自失する気がある。
「自暴自棄になって無茶をする私から仲間も去って私は一人になった。それでも何をどうすれば良いのか分からずに荒れた。そんな時に聖女――シャル様に会った。『私の様な者を一人も出さないとは言えないが一人でも減らす事は出来る。自分がやって見せる、だから自分の護衛騎士になれ』と」
そんな事を言ってリフレイアさんをスカウトしたのかシャルさん、でも何となく想像が出来るわー、シャルさんだもんね。
「最初は断った、でも聖女様は何度も私の前にやってきた。それである日に私は遂に折れた、ならばやって見せて貰おうと、そして私は只の魔物の殺戮者から誰かを護る剣になった」
このリフレイアさんを粘りに粘って護衛騎士にするとは本当にしつこく頑張ったんだろうな、シャルさん、思い込んだら一直線だ。
何となくヴァン侯爵が浮かんだ、血筋かなぁと思う。
でも何でそんな話を私に?と考える。
「貴方にも暗い復讐の念が見える。それを成した時、成せなかった時、どうするのかを考えておいた方が良い」
言われてドキリとした。
私は何も考えてない、只、母狐猫の仇を討つ事が最優先だ。
セアラも皆も大好きだが、仇を討って爪を血で染めた後に自分がそれまで通りに笑って皆といられるかと思うと自信が無い。
「ゆっくり考えると良い、幸いにも貴方は幼い、まだまだ時間はある。納得の行く答えを見つければいい」
リフレイアさんはそう言ってくれる、でも時間は残り少ない気がする。
そこで「引いてますよ」と言われた、竿がしなっている。
慌てて釣り上げたのは【燔々魚】何だかハリセンボン見たいな魚だ。
毒も持てってるとあるリリースだ。
流石に前世でも河豚の調理師免許は持ってないし、異世界の魚なら尚更だ。
でも復讐を遂げた後の私か…どうなるんだろ、変わらないつもりでいるが何かが変わるのかも知れない、少し不安を感じながら私は出発まで釣り糸を垂らした。
狐猫の小話
料理の時間短縮に使った『時空魔導』はLV8の『時空刻』です。効果範囲は狭いですが内部の時間の流れを自由に出来ます。
『暴風綿猫』を討ったのはS級冒険者ロベルトのPTです。PT名は「星」、仲間はA級2人とS級1人の4人です。




