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狐猫と旅する  作者: 風緑
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第073話 大神殿帰還と冬の始まり?


 【殺戮大熊マーダーグリズリー】を倒して少ししてから村への帰路に着いた。

 少女はまだ私を抱きしめたまま離してくれない、説得は諦めた。

 少女の名前はハルだそうだ、歳はセアラと同じ11歳、直ぐに仲良くなった。


 でも背とお胸はセアラよりある、セアラはちっさいし絶壁だからね、ちょっと羨ましそうだ。

 村へ向かって歩き出して少ししたら走って来るリーレンさんとガレスさん達、後は村の若者らしい数人が居た。

 3人の無事を知って思い切り安堵された後に私とセアラはリーレンさんとガレスさんからこっぴどく怒られた。


 何故に私迄?不条理だと思う。

 でも大人しく怒られた、私は言い返せないしね。

 セアラも反省はしたようだ、但し2度とやらないとは言わなかった、同じような事が在ったらまたやるんだろうなぁと思う。


 しかしS級の天災カタストロフへの突撃は本当に心配をかけた様だ。

 何とかなったが実際には危ない場面もあった。

 気を付けようと思う、セアラは止まらないだろうからもっと強くなる方向で行く。


 何か間違ってる気がしなくも無いがしょうがない。

 セアラは止まらない、止められない。

 セアラだからね、私は意地でも付き合うだけだ。


 村に帰り着くとハルの母親が駆け寄って来て抱き締めた。

 父親はセアラにお礼を何度も言う。

 セアラは自分じゃない、殆んどが私のお陰だと説明する。


 だから私はそんな立派な存在じゃないとゆーのに、何で信じてくれないのか?

 父母娘に揃ってまた私がお礼を言われる、背中がムズムズする。

 全くもう、でも今回は諦めた、大人しくして置こう。


 S級の天災カタストロフである【殺戮大熊マーダーグリズリー】の脅威から解放された村は大宴会だ。

 ハーメルであったダンスパーティーみたいな洒落たモノでなく、野外で粗野的で粗暴な感じだがコレはコレで楽しい。

 大人は大人達で子供は子供達で集まる、此処に来るまでの村では聖女様と大人に相手にされて同年代の子供と近付かなかったので久々で新鮮だ。


 最初は緊張してたセアラもハルが間に入って直ぐに仲良くなった。

 一方で私は久々に子供達に撫でまわされアッチの子の手の中、コッチの子の手の中と行ったり来たりだ。

 ちょっとトラウマが刺激される。


 宴会が終わり解放される、今夜は私とセアラ、リーレンさんは村長宅に宿泊だ。

 寝る前に改めてリーレンさんから厳重注意が入る。

 絶対に1人と1匹で無茶をしない事と、徹底して注意を受ける。


 そう言われても無茶が向こうからやって来ると言うか、セアラが突撃すると言うか、私は悪くないと言いたい。

 反省してない気配を察してかジロリとリーレンさんに睨まれる。

 はい、キチンと報連相します、以後気を付けますを佇まいを正す。


 やっと許された、解放される。

 セアラと2人でまた怒られたねと揃って苦笑い、でもそれだけ心配されてると言うのは何だか嬉しい。

 この日は怒られた者同士として久々にセアラと一緒に寝た。


 翌朝は出発、村の皆に見送られる。

 ハルとその家族もいる、改めてまたお礼を言われる。

 只の自分勝手なだけの私がこの村ではすっかりヒーローだ、まぁ、そういう事もあるかと諦めた。


 そして惜しまれながら出発、私達は次の村へ向かう。

 旅は後ホンの少しで終わりだ。

 別れ際にハルからセアラと私に1輪ずつ花を貰った、何だか彼岸花みたいな赤い花だ。


 名はソラティオ、花言葉は独立、思い出、再会で病気の治療に使えるらしい。

 何時かの再会をその花に誓い、私達は別れた。

 きっとまた会える日が来ると信じる。


 次の村も問題なく、最後の街も終わった。

 後は帰るだけだ、アストラリオンへの進路を取る。

 通る道は初めて私がアストラリオンへ向かったのと同じ道だ。


 このまま西に進めばザナドゥ森林、ダアト山脈、アドラスティア大樹海がある。

 仇の為にまた何時か通るかも知れない道だ。

 もしかしたらハーメルからアトランティカ大国へ入るかも知れないが、どうなるかは分からない。


 その時が来たら決めればいい。

 今はアストラリオンへ帰るだけだ。

 懐かしい門が見えて来た、ほぼ3か月ぶりだ。


 セアラは流石に馬車の中に入った。

 私はズィルバーの背の上だ。

 門番さんはとうとう帰って来たよって顔をしてる。


 そんなに私は迷惑を掛けたかなと思う。

 因みに肉ダルマ事デーゲンさんは居ない様だ、お休みかな?

 そのまま検問を終えて馬車は大神殿へ、ガレスさん達とはまた此処でお別れだ。


「中々に波乱の旅でしたが得るモノも多かった。どうかご自愛を聖女様」

「ガレス様、大変にお世話になりました。皆が無事に旅を終えられて何よりです。本当にありがとうございました」

 セアラが頭を下げガレスさんと騎士さん達が礼の姿勢を取る。


 3ヶ月、長い様で短かった、ちょっと名残惜しい。

 まぁ、でもまたきっと直ぐに会えると信じる。

 ガレスさんが私の前に来る。


「ちっこいのも騒動は程々にな」

 そう言って頭をグワングワンと撫でる。

 ええい、それを止めれ、ダメージは無いけど脳が揺さぶられてクラクラする。


「護衛騎士も聖女様がすっかりお転婆になって大変だろうがしっかりな」

「…はい、心しておきます」

 あ、否定しないんだリーレンさん、セアラは羞恥かそんな事無いという思いからか顔が真っ赤だ、でもセアラは立派にお転婆だ、普通の聖女は馬車の屋根の上でくつろいだり、【死呼熊ヘルベアー】の頭を杖の一撃で粉砕したりしないと思う。


 そして改めてセアラが頭を下げてリーレンさんとガレスさん達が騎士の礼を交わす、私は手を振る。

 こうして私達はまたガレスさん達と別れた。

 短い正門への階段を登って門番さんの前に立つ。


「聖女第一位、セアラ・シャリス。秘草採取の旅より帰還しました。開門を願います」

 セアラは堂々と自信を持って言う。

 今のセアラの実力を知れば陰口を叩く者は居ないだろう。


 本当に昔が嘘の様だ。

 今のセアラは本当に強い。

「はっ!開門っ!、開門っ!」


 門が開かれ中庭が見える。

 相変わらず花で一杯だ。

 咲いてる花は違うが、美しいの一言に尽きる。


 香りも良い、此処は何時も落ち着く。

 歩いて行きながら中庭を抜けて礼拝堂に入る。

 出迎えはセリアーナお婆ちゃん大聖女様と守銭奴ユリシーズ神官長だ。


 ガマガエル神殿長の姿は当然ない、今頃どうしているのやら…少しはガクブルしてくれてると良いんだがどうだろう?

 予想以上の馬鹿だし、ハミルトンにまた何か利用されるっぽいからそんな期待は薄い気がする。

 【魂魄憑依】させた【風切燕スライサースワロー】の調査は続けさせているが今だに有益な情報は無い。


 広いしなー、テレスターレ聖国は5号から10号の【魂魄憑依】は文句を言いながらも頑張って探してくれている。

 ステータスと【技能】は私と共有だから【神智】でしっかり調べてくれてるが、時間の少なさと国の広さが問題だ、望みは薄いかも知れない。

 おっと、それより久々のセリアーナお婆ちゃん大聖女様だ、セアラとリーレンさんに続いて正面まで行ってお座り、セアラとリーレンさんは膝をつく。


 セリアーナお婆ちゃん大聖女様は何時も通りに優しそうに微笑んでいる、何か癒されるなー、この笑顔。

「聖女第一位セアラ・シャリス、唯今、秘草採取の旅より帰還致しました。大聖女セリアーナ様、神官長ユリシーズ様」

「お帰りなさい、聖女セアラ、護衛騎士リーレンとハクアちゃんも無事で何よりだわ。今回の旅は厳しいモノだったでしょう?」


 うん、言われるとまぁ、確かにハードだった。

 出発早々にお説教とご飯抜きにガー爺ちゃんのデラックスハイパースペシャルハードコースな修行、暗殺者の集団に襲われるわ、A級やS級の暗殺者が出て来るわ、S級の天災カタストロフの魔物と2度も戦うわとホントに皆が良く無事に切り抜けられたと思う。

 でもお陰で皆が強くなった、特にセアラの成長は著しい、流石は自慢の友人だ。


「はい、ですが皆様のお陰で全員が無事に越えられました。全ては皆の努力と大聖女様の【祝福】、アストラーデ様のご加護のお陰と思います」

 うん、まぁ、【回帰】様は使う機会が無かったが、【強欲】様と【忍耐】様には大変に助けられた。

 多分、授けてくれただろうアストラーデには感謝しなくもない。


「そう、良かったわ。セアラも随分と成長したようだし、安心して何時でも後を託せそうね」

「せ、成人までまだまだあります。それに教えて頂く事はこれからも山のように、どうぞご鞭撻のほどをお願いします」

 セアラがそう言うとセリアーナお婆ちゃん大聖女様は「そう?じゃあ、頑張って色々と教えるわね」と言った、序でに性教育もちょっとしてあげて下さいと思った。


「それで聖女セアラ、各街から集めた寄付金は?」

 これまで黙っていた守銭奴なユリシーズ神官長が口を挟んできた。

 ホントに金、金とウルサイ奴だと思う。


「はい、それは此方にリーレン」

「はい」

 リーレンさんが【魔導袋】からお金の詰まったデッカイ袋を数個取り出す。


 確認する守銭奴神官長。

 満足いく額だったのか文句は言わなかった。

 ホントに何で聖職者やってんだと思う、いや、聖職者って良く考えれば結構、儲かる仕事だったっけ?ならお似合いなのか?でもやっぱ何かムカつく。


 等と紋々してるとセリアーナお婆ちゃん大聖女様がパンパンと手を叩いた。

「じゃあ、報告は以上で終了ね。聖女セアラも護衛騎士リーレン、ハクアちゃんにはまた後日にご褒美を贈るわ。楽しみにして今日はゆっくり休んでね」

 ご褒美かぁ、何をくれるんだろ?前に貰った『遠話の円環』は多変、有り難かったが、リーレンの大きな可愛いぬいぐるみな件もある、ちょっと不安だ。


 兎も角、こうして私達はアストラリオンに帰って来た。

 因みに冬には全員の聖女が神殿に帰っているそうで私は教えて貰った。

 聖女第一位はご存知のセアラ・シャリス、11歳、金髪碧眼美少女だ、シャリス公爵の養女でセリアーナお婆ちゃん大聖女様の娘、現在【LV43】と成長著しい、但しお胸の成長は今後に期待だ、最近はちょっとお転婆でもある、私の性かなー。


 護衛騎士はリーレン・メスラ、17歳、赤い髪と赤い瞳のメスラ子爵家の次女、我が撫で撫でマイスターで隠れ巨乳、可愛いモノ好きと色々だ、現在の【LV】は39セアラに抜かれてしまった、頑張れリーレンさんと思う。


 聖女第二位はシャーロット・ダーリントン、21歳、ガマガエル神殿長の三女だそうだ、本来は神殿に帰っている筈だが神殿長がやらかしたので自宅謹慎、容姿や性格は分からない、只、やはりセアラの事は目の敵にしていたそうだ、【LV】は変わって無ければ28との事。


 護衛騎士はアルベルト・シュナイダー、20歳、聖女の護衛騎士唯一の男性でシャーロットの婚約者らしい、成人してるんだから早く結婚しちゃえば良いのに何かまだしてないらしい、処女性がどうのと言う宗教観が前世ではあったがこの世界では聖女も普通に結婚して子供も産む、しない人も居るらしいが人夫々だ。

 アルベルトもシャーロットに付いているので容姿は不明、変わりなければ【LV40】との事。


 聖女三位はプリア・リスマ、24歳、黒髪黒目で日本人っぽい、旦那さんが居て子供も居るらしい、昼間は神殿に居るが夜には自宅に帰る、夫婦仲は良好、男爵家の長女で旦那さんは領地を持たない元冒険者の名誉男爵、二人の出会いとか気になるちょっとしたラブロマンスとかありそうだ。

 セアラとの仲は良くもなく悪くもない普通の関係、【LV52】でセリアーナお婆ちゃん大聖女様を除けば聖女最強だったらしい、今はセアラが上だと思うけどね。


 護衛騎士はパティ、16歳、前の護衛騎士さんのお弟子さんだそうだ。髪は茶色で瞳は黒、【LV】は26でまだまだこれかららしい、でもお胸は全然だ、プリアさんがリーレンさんを上回る巨乳なので分けて上げれれば良いのにと思う。


 聖女第四位はご存知のシャル・スコート侯爵令嬢、銀髪金眼の超美少女、あの父親からよくこんな美少女が生まれたと思う、年齢は16歳、【LV】は45になってた。

 セアラにとっては厳しく優しいお姉ちゃん的な存在だ、とても仲が良い、神殿に帰って直ぐに会いに来て「怪我は無かった?大丈夫だった?」と聞きに来た、シャルさんもセアラが好きだなーと思う、厳しい部分もあるけどね、お胸は大きくも小さくもないお手々にピッタリなベストなサイズだ、セアラが目指すのはこの大きさだなと思った。


 護衛騎士はリフレイアさん、20歳、改めて会って分かる、この人は半端なく強い、ガー爺ちゃんが自分より強いと言うだけはある。

 【神智】で【鑑定】させてもらったがセアラに【光輝】かけて貰うか【限界天元突破】【忍耐】発動しないと勝ち目がない、護衛騎士最強は伊達じゃない、【LV】は69になってた。

 本当に元S級冒険者だったらしいけど、何で止めてシャルさんの護衛騎士やってるんだろ?そんなリフレイアさん髪の色は紺色、兜で隠してるので目の色は不明だ。


 聖女第五位はホープ・アイランド、19歳で栗毛の髪に青い瞳、子爵家の長女らしいがダーリントン伯爵家の親族らしくセアラをそれはもう嫌ってるらしい、それならこちらも願い下げだと眺めるだけで話す気は無い、【LV】は31らしい。


 護衛騎士はサテラ・サラノア、17歳で彼女も黒髪で黒い瞳、リーレンさんをライバル視しているらしいが、今回の騒動で差を大きく広げられただろう、子爵家の三女で【LV】は32だそうだ。


 最後の聖女六位はシズ、19歳、大らかで優しく誰にも公平、セアラも懐いている、かなり良い人の様だ。

 髪の色はリーレンさんと同じで赤、瞳は碧色、【LV41】でオマケだが超巨乳というか爆乳、ビックリして二度見したコレが母性かと思った。

 ちょっと凄かった。


 護衛騎士はサラ、30歳でちょっとくすんだ金髪と青い瞳、【LV】は52で皆の豪快なお姉さんらしい、おばさんと言うと危険、結婚していて子供も居るそうだ。

 この人の胸は脂肪じゃなくて筋肉だなと見て思った、リフレイアさんが来るまでは彼女が護衛騎士最強だったそうだ。


 オマケでセリアーナお婆ちゃん大聖女様も、セリアーナ・シャリス、70歳、【LV65】紺色の髪と茶色の瞳でここ数代で最強の聖女様だったらしい、旦那さんは病死、息子夫婦も事故で他界、残っているのは養女のセアラだけなので可愛がりたくて仕方が無いが色々と柵が在って思うようにできないのがもどかしいらしい。

 護衛騎士は二人、リリ・ラーグとララ・ラーグ、双子だ、歳は25歳、結婚していて子供も居るそうだ。

 互いに薄茶の髪と瞳、シャリス公爵家に仕える騎士爵の家系らしい。


 そして12月は新年をアストラリオンで過ごし、大神殿へ詣でようと人が増える。

 聖女達はそんな人の相手や神事、行事に都市の中を駆け巡る。

 これは年が明けても1月一杯は続くらしい。


 セアラは忙しいが私は暇になってしまった。

 はてさて、コレからどうしよう?

 とりあえずはこの前【殺戮大熊マーダーグリズリー】を狩って【LV59】になったから【LV】上げだなと思いつつ【空間魔導LV5】【短距離転移ショートジャンプ】と【亜空間機動】で街を飛び出すのだった。

狐猫の小話

現在の聖女紹介です。

仲が良いのはシャルさんとシズさん、残りは普通と仲悪です。

第二位のシャーロットは言わずもがな、父親似の性格です。

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[一言] 厳しいとか言う次元じゃない! 色々と麻痺されておる…
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