第067話 五度目の試練、私もパワーアップ?
『LVが一定値に達しました。位階を上げる試練に望めます。試練を望みますか? ・はい ・いいえ』
勿論、はいを選択する。
そして5度目の試練へと私は挑戦する。
目の前に広がるのは2度目の試練と同じく鬱蒼と茂った森。
産まれ故郷のアドラスティア大樹海だと悟った。
まさかまた母狐猫が相手だろうか?と警戒する。
『五度目の試練に挑む者よ。良くぞ来た』
おお、自称:神様(仮)、元気だったか?また挑戦に来てやったぞ!
今回は免除じゃない筈なので気合を入れる。
『この間にLVを上げ良くぞ。五度目の試練に挑む決断をした。汝の決意に改めて敬意を表する』
うん、今回は暗殺者に襲われまくりの数の暴力で上がったからね。
今迄で一番、苦労した気がする。
『第五の試練、汝には己が今の全てを映した現身たる闇と戦ってもらう。これは汝が知識と蓄えた善行の値を持って挑む試練、戦いだ。見事に打ち破って見せるが良い』
私の現身たる闇?
疑問に思っていると黒い靄は目の前に集まって行った、そしてそれは私と全く同じ姿を形作る。
『では試練を乗り越えて見せよ。さすれば汝には更なる力と技能が授けられるであろう。汝に再び光と闇の導きが在らんことを―』
成る程、確かに私の現身、私の闇だ。
互いに「「ミィィィィィィィィィィィィィッ!!!シャーーーーーーーーーーッ!!!」」威嚇し合って戦闘が始まった。
【真爪攻撃】がぶつかり合う。
互角――いや、こっちがちょっと押された?
何故?と思うが【真尻尾攻撃】が来る、此方も迎撃する。
やっぱり僅かに力負けする。
【物理攻撃完全無効】でダメージは無いが、不思議に感じる。
向こうとこっちで何が違うと考える。
【真邪怨視攻撃】が向けられた。
あばばばばばばばば?!
くう、【呪攻撃】は無効じゃない、喰らってしまった。
お返しだと【真邪怨視攻撃】当たるが直ぐに樹の影に隠れられる。
くそっ!速度もアッチが上なのか!変だ『己が今の全てを映した現身たる闇』と自称:神様(仮)は言っていた。
同じで無いのはオカシイ、有り得ない。
ならば次は別の手だと準備。
【亜空間機動】を発動、飛び出す闇の私、私ならばこう動くと予想通りの位置に来てくれた。
瞬間、【物理攻撃完全無効】を封印して【真爪攻撃(纏い)】吹き飛んだ相手に【真尻尾攻撃】で追撃、ダメージが入る。
反撃が来る、【物理攻撃完全無効】を起動。
尻尾や爪で打ち払いながら当たる攻撃は【無効化】する。
予想は当たった【技能】を封印状態にすれば向こうも封印状態になる。
ならばと危ない【真邪怨視攻撃】を封印、隙を見て【物理攻撃完全無効】【魔導攻撃完全無効】を封印、起動して削って行く。
でもこの作戦にも穴がある。
非常に時間が掛かる、相手も流石は私と言うタイミングで封印した瞬間にカウンターを決めてくる。
参った、どうしたものか、実は楽に勝つ方法なら既にある。
【SP】を使えばいい、自称:神様(仮)は言っていた『これは汝が知識と蓄えた善行の値を持って挑む試練、戦いだ。』詰り相手は戦闘開始時の私、【SP】で強化すれば多分、楽に勝てる。
また山の様に【SP】は貯まっている。
でもそれじゃあ面白くない。
もっと考えて何とか他の勝ち方を手にしたい。
さて、何か無いか考える。
闇の私が私よりちょっとだけ強い理由は分かってきた。
シルさんのお陰だ。
『あちらのマスターはずっと限界で動いてるようです』
成る程、ある意味で火事場のバカ力的な状態がずっと続いてる感じか、疲れもない様だ。
長期戦はこっちに不利、チマチマと削るのは不味そうだ。
やっぱり【SP】を消費するしか無いかな?と思った所でアレを思い出した。
まぁ、物は試しだ、やってみようと思った。
【並列思考】の封印されし三番目の汚部屋、其処から流れる―殺せ―壊せ―滅せよ―粉砕せよ―と言う【狂乱】の意思、解放してやる。
【狂乱】した私は元々の目が更に朱く体の毛が逆立ち、尻尾が膨れ、ギリギリと歯が喰いしばられ、爪が地面に食い込む。
ステータスが1.5倍になり、【技能】の物理攻撃以外が封印される。
ついでに【物理攻撃完全無効】を封印、コレでガチの殴り合いだ。
殺せ―殺せ―殺せ―壊せ―壊せ―壊せ―滅せよ―滅せよ―滅せよ―粉砕せよ―粉砕せよ―粉砕せよ―
思考も視界も朱に染まる。
辛うじてまた三番目の汚部屋に封じる事で自我を保つ。
さて闇の私はどうだ?眺める【狂乱】する気配は無い。
ヨシッ!コレで勝つる!
『相変わらずマスターは規格外です』
また言われてしまったが、気にしない。
私は闇の私に襲い掛かった。
【真爪攻撃】【真尻尾攻撃】が荒れ狂う。
吹き飛ぶ闇の私、戦意を失わずにまだ襲い掛かって来るがもう地力が違う。
全て躱し、弾け飛ばし、殴り飛ばして、吹き散らす。
容赦なく【真牙攻撃】が牙を剥く、放たれた【真尻尾攻撃】の一本を食い千切る。
更に【真爪攻撃(纏い)】が尻尾を一本斬る。
残った二本の尻尾を刃に変えて襲い掛かって来る。
こちらも四本の尻尾を刃に、二対四、勝負にならない打ち砕く。
そして尻尾で思い切り闇の私を打ち上げる。
まだ諦めずに【真爪攻撃】、それを【亜空間機動】で躱して闇の私の上空へ。
コレで――――後ろから首に噛み付く。
昔、まだ全然、弱かった頃に角兎に必死で噛み付いたように――――終わりだっ!
【真牙攻撃(砕き)】私の一噛みは闇の私の首を落とした。
『見事』
自称:神様(仮)の声が響いた。
うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!
くぉんの自称:神様(仮)が散々セアラを辛い目に合わせおって我が肉球プニプニの餌食にしてくれるっ!
其処に直れい我が肉球が光って唸って真っ赤に燃えるぅ!お前を倒せと轟き叫ぶぅっ!
『まだ狂乱の影響が残っているか、癒す、暫し待て』
私は正気じゃ!そんな影響は微塵も…、と言うが降り注いだ光に荒れた心が落ち着いていく。
うん?!うーん?!あれ?何か心が晴れるような…マジで影響受けてたのか、癒してくれて感謝するわ、自称:神様(仮)。
『対した手間ではない。あの様な手段で【試練】を超えるとは愉快だった。『特別報酬』を授ける』
おお、有り難いけどこの前、くれると言ってなかったっけ?
アレはどうなるの?
『次回に持ち越しだ。次の機会に与える』
それは有難い。
【SP】を消費で楽に勝たなくて良かったモノだ。
あ、それはそうとして前回の続き、SSS級の終焉の皇帝炎鳥の鳳凰とテレスターレ聖国の初代大聖女の関係って何?
『汝と忌み子の関係と同じだ。彼女等は『真の友』だった』
SSS級の終焉が友達とか敵無さすぎるわ、それに聖女が魔物を従える何て例が無いと言われたわよ?
『遥かな過去だ、当時は鳳凰も弱かった。それを育てたのが『セアス』テレスターレ聖国初代大聖女だ。例が無いと言うのは伝承が途絶えた結果だろう』
成る程、そんなに昔なのか、それが成長してSSS級の終焉の皇帝炎鳥になったと、でも考えてみれば鳳凰とか玉藻の前とか和風な名前ね。
転生者が係わってそう。
『『セアス』は転生者だった。『玉藻の前』もだ。『セアス』は【火鳥】を拾い名を付け育てた。『玉藻の前』は自分で自分にその名を付けた』
マジで転生者だったのか、大先輩だ。
『玉藻の前』さんは存命の筈だから会ったら敬おう、SSS級の終焉は怖いから会わないのが一番だけどね。
でも『セアス』さんってセアラに何だか似てるね。
名前もだけど、鳳凰は『真の友』って事は従属とかもさせなかったんでしょう?
『似ていて当然だ。だが、これ以上は禁忌に触れる。何時か忌み子に教えて貰うのであろう?」
そう言われるとこれ以上は聞けない、気になるけど私はセアラから教えて貰うと決めてる。
これ以上は聞かない。
私は頷いた。
『それよりも忌み子に危機が迫っているようだ。早く戻った方が良いだろ』
そういう事は早く言いなさいよっ!
すぐさまに撤収、帰還、退却、急げや急げだ。
『では次の試練でまた会おう『ファーレンハイトの愛し子』よ』
そして自称:神様(仮)は消えて行った。
まったく、セアラが危ないとか大事な事は最初に言えと思う。
何時の間にか森が消えてタイル張りになった世界、ピコと音が鳴った瞬間見る。
急ぐのだ、緊急事態だ巻きで行く。
兎も角、素早く選ぶ。
『試練の突破おめでとうございます。報酬が授与されます。【位階】が伍になります。【気力】【理力】【霊力】【魔力】【SP】にボーナスが入ります。また以下の中から十の【技能】をお選びください。【技能】が付与されます。また特別報酬として選択した【技能】を一つ最大値迄強化致します。ご選択下さい』
【激毒耐性】【超麻痺耐性】【超睡眠耐性】【超石化耐性】【超睡眠耐性】【大呪耐性】【火炎耐性】【水流耐性】【暴風耐性】【大地耐性】【封印耐性】【猛毒牙攻撃】【大麻痺爪攻撃】【火炎属性纏】【水流属性纏】【氷雪属性纏】【暴風属性纏】【大地属性纏】【雷鳴属性纏】【咬合威力上昇】【斬撃威力上昇】【打撃威力上昇】【刺突威力上昇】【状態異常効果上昇】【負傷回復速度超上昇】【魔導力回復速度上昇】【体力回復速度超上昇】【気力超上昇】【理力超上昇】【霊力超上昇】【魔力超上昇】【火炎息吹】【氷河息吹】【雷鳴息吹】【超気闘法】【超理壁法】【超霊吸法】【超魔発法】【大収納】【気力超操作】【理力超操作】【霊力超操作】【魔力超操作】【生命魔導】【雷鳴魔導】【爆裂魔導】【治癒魔導】【氷雪魔導】【砂塵魔導】【火魔導威力上昇】【風魔導威力上昇】【水魔導威力上昇】【土魔導威力上昇】【妨害念波】【治癒】【大加護】【祝福】【大障壁】【付与】【薬合成】【毒合成】【鼓舞】【勇気】【罰】【浄化】【念話】【限界超突破】【魔力解放】【潜在能力解放】【気力超感知】【理力超感知】【霊力超感知】【魔力超感知】【確率大補正】【必中】【閃き】【不屈】【怒】【空間把握】【高速演算】【予知】【念動】【無音】【無臭】【浮遊】【操毛】【遊泳】【魔眼】【看破】【威圧】【魔物殺し】【人類殺し】【星薙】【智慧】【獣王】【覇者】
多いな、この中から10個を選ばないと、迷ってる時間も惜しい、私は急いで選んだ。
まず【封印耐性】確保、セアラは【状態異常完全無効】を習得していた。
コレがカギだと思う。
【属性纏】と言うのが増えているがコレはパス。
【魔導】で代用できる。
【咬合威力上昇】【斬撃威力上昇】【打撃威力上昇】【刺突威力上昇】は確保しておく。
【魔導】は私も高い方だがセアラが向いてる。
前衛に徹する方向で選ぶ。
【魔導】は色々と増えていて興味を惹かれるがパス、次の機会に回す。
後は【確率大補正】【必中】【閃き】を選択。
地味っぽいが効果は確実に有りそうだ。
最後の二つは【星薙】【智慧】だ。
【獣王】と【覇者】も気になったが【叡智】さんで【獣王】は獣系の魔物を従えて強化するとあった。
これ以上、魔物を増やす予定は無いのでパス。
【覇王】は所有する領地、縄張りの広さと一人で戦う時にステータスが増加とあった。
どちらも私には縁がない、パスだ。
対して【星薙】と【智慧】は凄い。
【星薙】は物理攻撃力を上昇、物理の威力上昇系の能力を内方進化、【LVUP】時に【LV】×10の気力と理力の上昇だ。
破格だ。
【智慧】も同じ、頭脳系の技能の効果上昇、内方進化、【LVUP】時に【LV】×10の霊力と魔力の上昇だ。
本当はもっと吟味したいが時間が惜しい、コレで行く。
では、お願いしまーす。
『確認しました。では【封印耐性LV1】【咬合威力上昇LV1】【斬撃威力上昇LV1】【打撃威力上昇LV1】【刺突威力上昇LV1】【確率大補正LV1】【必中LV1】【閃きLV1】【星薙】【智慧】をお授けします。【猛毒物耐性LV1】【大麻痺耐性LV1】【大石化耐性LV1】【大睡眠耐性LV4】【大呪耐性LV1】【封印耐性LV1】を獲得した事で【技能】【状態異常強耐性LV3】に進化統合されます。【技能】【咬合威力上昇LV1】【斬撃威力上昇LV1】【打撃威力上昇LV1】【刺突威力上昇LV1】が【技能】【星薙】に吸収、進化します。【真咬合威力最大上昇】【真斬撃威力最大上昇】【真打撃威力最大上昇】【真刺突威力最大上昇】になりました。【技能】【超記憶LV7】【予見LV3】【大反応LV3】【並列思考LV8】【思考跳躍】が【技能】【智慧】吸収、進化します。【瞬間完全記憶】【因果律演算】【超反射反応】【魂魄憑依】【思考跳躍】になりました。【技能】【叡智】と【技能】【智慧】が確認されました。【技能】から【恩恵】【神智】に進化、変換されます。次に所持【技能】から最大値迄強化する【技能】をご選択下さい』
何か偉い事になった。
予想を超えた上がり方だ。
兎も角、最大強化だ【状態異常強耐性】は普通に【SP】を消費して上げて良いだろう。
ならば取ったばかりの何か…此処は、【確率大補正】にして置こうと思った。
では、確率大補正をと――
『確認しました。【確率大補正LV1】を【確率大補正LV10】にUPします。【確率超補正LV1】に進化しました。【確率超補正LV1】を【確率超補正LV10】にUPします。【確率極限補正LV1】に進化しました。【確率極限補正LV1】を【確率極限補正LV10】にUPします。【因果律補正】に進化しました。【恩恵】【神智】に【因果律演算】を確認しました。【因果律演算】と【因果律補正】を融合、進化します。【因果律操作】になりました。最大強化を終了します。ご利用ありがとうございました』
………トンデモ無い事になった。
何だよ、【因果律操作】って、滅茶苦茶じゃないか、やり過ぎじゃないかと思う。
でも、まぁ、何とかギャバンを相手に戦えそうかな?というくらいにはなった。
【SP】も過去最高値だ。
使ってしまおうと思いながら私は元の世界に戻った。
「お帰りなさい、ハクア」
「ミィミ、ミィミ」(只今、セアラ)
セアラの膝に戻って来た私は掛けられた言葉に返事を返す。
まだ何も起こって無い様だ。
ホッとした。
あの自称:神様(仮)が言うから不安だったがまだ大丈夫なようだ。
「ハクア、怪我はしていませんか?」
「ミー、ミィ、ミィミミィミミミィミミ」(んー、少し、でもこの程度なら平気)
「そうですか?無理はしないで下さいね?」
少し穏やかな空気が流れた。
セアラが微笑み私も笑う。
そこで背筋を悪寒が走った。
【叡智】さんにも反応。
コレは奴だ、このタイミングで仕掛けてきたと悟る。
何かが投げられた早い!
「ミィミ、ミミィ、ミィミミィミミィミミミ!」(セアラ、【光輝】そして皆を護る【大結界】!)
「は、はい、【光輝】【大結界】」
【結界】が展開され同時に何かがぶつかる。
それは真っ黒な一本の槍だ。
セアラの【大結界】を貫こうと力比べが続く。
「っく、ぐぅぅっ…」
セアラも必死で押し返そうと頑張る。
だが、十数秒、或いは数秒耐えた後に【大結界】は砕けた。
同時に槍も跳ね返り投げただろう当人の手に戻る。
マジか、超パワーアップしてからセアラの【大結界】が砕ける所など初めて見た。
しかも【光輝】が掛かった上でだ、セアラの【霊力】【魔力】は万を超えていた筈だ。
それを破壊する。
改めて恐怖を覚える。
「ミィミミ」(ギャバン)と恐れを込めて私は呟いた。
狐猫の小話
ギャバンの槍は黒魔鋼製です。
この世界の鉱石はG級・銅鉱石、青銅、F級・銀鉱石、鉄鉱石、E級・金鉱石、鋼、D級・白金鉱石、玉鋼、C級・魔法銀、B級・黒魔鋼、A級・深緋鉄、S級・魔白金、SS級・精霊石、SSS級・真鋼、EX級、神極鉄になります。
因みに『アストラーデの聖杖』はSSS級の真鋼です。




