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狐猫と旅する  作者: 風緑
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第060話 聖女再びパワーアップと狐猫の嫉妬?


 やり遂げた、でもちょっと時間が掛かったなとかいた汗を拭い、呼吸を整える。

 もうお義母様は動かない、只、優しく微笑んで私を見ている。

 例え本物のお義母様でなくても認められた様で私も嬉しい。


『…忌み子よ。汝もまたあの綿猫ファトラの幼生体、『ファーレンハイトの愛し子』と同じく有り得ぬ事をしてみせた。位階の上昇を認める』

「ありがとうございます」

 心から感謝する。


 本来ならば試練を受けられないのが普通なくらいなのだ。

 それでも挑戦させて貰えて上昇までさせてくれる。

 恩しか感じられない。


『…だが、忌み子よ。我は汝を認められぬ。それは心に刻んでおけ』

「はい、承知しております」

 否は無い、私を認め許してくれるアストラーデ神が特別なのだ、それは心から理解している。


『…残念だな。汝が忌み子でさえなければあの『ファーレンハイトの愛し子』にももっと色々と汝について話せたであろうに…」

「まさかハクアに喋られたのですか?!」

 震えた、【神】ならば全て知っている。


 全能は封じられているが全知は健在だ。

 ハクアに私の秘密を全て知られる、それはどうしようもない恐怖だ。

 きっと、今迄と同じでは居られないと思う。


『…いや、何時か直接、教えてもらうと断られた。信じられておるな、忌み子よ』

「あ…」

 嬉しかった、涙が溢れそうになる。


 ハクアは私が秘密を抱えている事に気付いても何も変わらずに接していてくれたのだ。

 その事実が胸を締め付ける、許されるなら戻ったら全てを語りたい――でも、今はまだ許されない。

 少なくとも来年の2月の王室会議で許可を得なければならない、それまでは待っていてもらうしかない。


『…少なくとも真実を知ってもあの『ファーレンハイトの愛し子』は態度を変えまい。では我はそろそろ行く。今回の偉業を称え汝には『特別報酬』を授ける。ではな、忌み子よ』

「ありがとうございました。『試練の神』よ」

 消えゆく気配に感謝の念を贈る、私を忌み子と呼ぶが決して悪い神ではない、優しい神なのだ。


 そして世界も消えて行く。

 激しい戦いで壊れた礼拝堂もお義母様も、眺めているとお義母様が両手を開いた。

 誘われるようにその中に納まり、頭を撫でられる。


 もう我慢出来なかった。

 ポロポロと涙が零れる。

 あやす様に抱き締めて頭を撫でてくれるお義母様、消えるまでの短い時間、私はずっとそうしていた。


『試練の突破おめでとうございます。報酬が授与されます。【位階】が弐になります。【気力】【理力】【霊力】【魔力】【SP】にボーナスが入ります。また以下の中から四つの【技能】をお選びください。【技能】が付与されます。また特別報酬として選択した【技能】を一つ最大値迄強化致します。ご選択下さい』


 ピコーンと音がすると同時に見ると直ぐにウィンドウが開いた。

 続いて【技能】が表示される。

 ズラッと表示される、まだちょっと潤んだ赤い目で【技能】を見る。


 【大杖術】【大杖技】【猛毒物耐性】【大麻痺耐性】【大石化耐性】【大睡眠耐性】【呪耐性】【物理耐性】【炎耐性】【水耐性】【風耐性】【土耐性】【魔導耐性】【鑑定】【負傷回復速度上昇】【体力回復速度上昇】【立体機動】【隠密】【剛力】【剛体】【収納】【気力大操作】【理力大操作】【霊力大操作】【魔力大操作】【水魔導】【土魔導】【詠唱短縮】【念話】【限界突破】【魔力解放】【大運】【治癒】【大加護】【望遠】【気力大感知】【理力大感知】【霊力大感知】【魔力大感知】【確率補正】【念動】【無音】【無臭】【浮遊】【遊泳】【検索】【魔眼】【本】【智慧】


 覚えている【技能】は後で良いなと思う。

 【呪耐性】は危ないので取っておけと言われた、獲る。

 全部の【状態異常耐性】を覚えればその内に統合されるそうだ。


 他に必要そうなのは間違いなく【詠唱短縮】だ、後衛な私には必須だ。

 後は…ちょっと【浮遊】が欲しい、空を飛びたい、風を感じたい。

 残りは一つ、何にしようと悩んでいて見つけた。


 【本】と【智慧】って何?

 習った【技能】一覧に無い、前回取った【獲得経験値上昇】【獲得SP上昇】も無かったけど…

 どちらにするか悩んだ末に【本】を私は選んだ。


『確認しました。では【呪耐性LV1】【詠唱短縮LV1】【浮遊LV1】【本LV1】をお授けします。次に所持【技能】から最大値迄強化する【技能】をご選択下さい』


 コレは迷うことなく【詠唱短縮LV1】だ、最大値迄強化すれば【無詠唱】になる。

 迷う事は無い筈……なの、だが、何かが激しく【本】を強化しろと囁く、悩む、悩んだがその声に私は乗った。

 【本】の強化をお願いしますと――。


『確認しました。【本LV1】を【本LV10】にUPします。【教本LV1】に進化しました。【教本LV1】を【教本LV10】にUPします。【魔本LV1】に進化しました。【魔本LV1】を【魔本LV10】にUPします。【魔導教本LV1】に進化しました。【魔導教本LV1】を【魔導教本LV10】にUPします。【魔導書LV1】に進化しました。【魔導書LV1】を【魔導書LV10】にUPします。【魔導奥義書】に進化しました。【魔導奥義書】を最終進化します。【魔導秘奥本】に進化しました。[【技能】【魔導力回復速度大上昇LV1】が【魔導秘奥本】に吸収、進化します。【魔導力回復速度極限上昇】になりました。【技能】【詠唱短縮LV1】が【魔導秘奥本】に吸収、進化します。【無詠唱】になりました。【技能】【霊力上昇LV5】【魔力上昇LV5】が【技能】【魔導秘奥本】に吸収、進化します。【霊力限界上昇】【魔力限界上昇】になりました。【霊吸法LV5】【魔発法LV5】が【魔導秘奥本】に吸収、進化します。【霊吸神法】【魔発神法】になりました。【技能】【霊力操作LV8】【魔力操作LV8】【霊力探知LV8】【魔力探知LV8】が【魔導秘奥本】に吸収、進化します。【霊力操作極】【魔力操作極】【霊力探知極】【魔力探知極】になりました。最大強化を終了します。ご利用ありがとうございました』


 え?!ええ?!えええ?!ええええ?!えええええ?!

 大混乱した、ビックリし過ぎて驚きまくりで、慌てて騒いでパニックになった。

 とんでもないことになってしまった。


 【本】一つを強化しただけでこれである。

 何でこんな凄まじい【技能】が今迄、誰にも知られずにいたんだろうか?

 超疑問だ。


 何にしてもなったモノは有難い。

 超パワーアップだ。

 これでハクアに追いつけ、追い越せだ。


 獲得したこの【技能】【魔導秘奥本】に負けない様に私は頑張ろうと思った。







 セアラがまた遅い。

 また何か辛い思いをさせたか?

 あの自称:神様(仮)めっ!と思いながら帰りを待つ。


 やっと光が溢れてセアラが帰って来る。

 セアラーッ!と飛びつく。

 しかし、リーレンさんも同時に飛びつく。


「聖女様っ!お怪我は御座いませんかっ!」

 おおう、セアラとリーレンさんの間でサンドイッチ、私は潰れちゃう、ギブ、ギブです。

 ジタバタするがピッタリ嵌って抜け出せない。


「だ、大丈夫です。リーレン、怪我一つありませんから」

 セアラは凄く嬉しそうな笑顔だ。

 嘘は無い様だ。


 自称:神様(仮)もちゃんとしたようだ。

 安堵した。

 セアラがリーレンさんを離した事で私もサンドイッチから脱出、助かった。


「それよりも聞いて下さい。私は凄く強くなりました。これからはリーレンやハクアに護って貰うだけじゃなく、私が皆を護ります!」

 おお、何だか知らんが凄い自信だ。

 でも今日は試練の後だ、無理をせずに部屋でゆっくりね。


 そしてセアラはお部屋でゆっくり、リーレンさんは護る対象だったセアラが自分より強くなっていそうで頑張って特訓だ。

 でも【絆】で送られた私からのステータスと今日の試練で得たステータスで確実にリーレンさんは越えてしまったと思う。

 それでもセアラの護衛騎士は何があってもリーレンさんなのだ。


 弱かった頃からセアラを支えてきた二人の繋がりと絆は絶対だ。

 頑張れリーレンさん。

 一方で私は昨日と同じで壁修理の手伝い。


 あれ?オカシイ?昨日一日だけじゃなかったの?


「おーい、白っこいの」

 呼ばれてはい、はーいと行く。

 まぁ、いいやと諦めて今日も手伝った。


 結果として修理は二日でほぼ終わった。

 早いなー、流石はファンタジー。

 後はガレスさん達の合流を待って次の街を目指すだけだ。


 暗殺者は今日は来なかった。

 流石に打ち止めかな?

 良い事だ、お財布的にはちょっと残念だが平和が一番だ。


 翌日の朝、何時ものセアラとリーレンさんの訓練風景を【技能】の特訓をしながら見る。

 やっぱり、セアラが強くなってる。

 と、言うよりステータスを封印して訓練してる。


 そうでないとリーレンさんに勝っちゃうからだ。

 技術ではリーレンさんの方がまだまだ上だ。

 でもステータスで力押ししちゃうと勝つ、本当にセアラの成長スピードは凄い。


 私もうかうかしてられんなとまだ甘く考えてた。

 朝食後は【LV】上げにセアラとリーレンさん、騎士さんと私で狩りに行った。

 この辺りの魔物は強い、C級の災厄カラミティ、B級の災禍ルインが多い、A級の破滅ディザスターも偶に出る。


 S級の天災カタストロフとSS級の絶望ディスピアが出ないのが救い、そんな中で早速、発見、B級の災禍ルイン悪魔蜘蛛デビルスパイダーだ。

 A級の破滅ディザスターは私が狩る、他はセアラとリーレンさん、騎士さんだ。

 セアラが先制の【魔導】を撃つ。


「【火弾ファイアショット】」

 お、詠唱をしない、【無詠唱】を手に入れたのかな?と思った。


 チュドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!!!!


 大爆発が起きた。

 何?今の??

 B級、災禍ルイン悪魔蜘蛛デビルスパイダー影も形も残ってない所か周囲もかなり吹き飛んでる。


 私は唖然。

 リーレンさんと騎士さん呆然。

 セアラもちょっとだけ驚いてる、ちょっとだけね。


「………ミィミ、ミ?ミィ?ミィミミィミ?」(………セアラ、何?今の?【超大爆裂エクスプロージョン】?)

「いえ、只の【火弾ファイアショット】です」

 何か『それはメラ〇ーマでは無い、メ〇だ』的な返しが来た、オカシイ、セアラを【叡智】さんで【鑑定】だ。


 って、ぶっ?!なんじゃ、こりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ?!


【名前】セアラ


【種族】人族ヒューマン・聖女


【年齢】11歳


【位階】弐


【LV】20 → 20


【気力】594 → 1164


【理力】594 → 1164


【霊力】665 → 4185


【魔力】666 → 4186


【SP】1063 → 1645


【技能】【杖術LV7】【杖技LV7】【毒物耐性LV1】【麻痺耐性LV1】【石化耐性LV1】【睡眠耐性LV1】【呪耐性LV1】【予測LV4】【記憶LV5】【気力上昇LV5】【理力上昇LV5】【気力操作LV8】【理力操作LV8】【気力探知LV8】【理力探知LV8】【五感強化LV5】【浮遊LV1】【火魔導LV8】【風魔導LV8】【思考加速LV5】【並列意思LV5】【祝福LV8】【治療LV5】【加護LV5】【大結界】【獲得経験値倍化】【獲得SP倍化】【魔導秘奥本】【絆】


【恩恵】【神眼】【光輝】【月光】


 【霊力】と【魔力】が凄い数値になってる!

 私を超えてるぞ!

 何がどーなってる?!


 ん?【技能】が何か減ってスッキリしてる?

 【魔導秘奥本】??知らんな、コレの性か?【鑑定】。


【魔導秘奥本】『魔導の【LVUP】速度上昇。内に【魔導力回復速度極限上昇】【無詠唱】【霊力限界上昇】(霊力+3000)【魔力限界上昇】(魔力+3000)、【霊吸神法】(発動時霊力+5000所有者の【LV】によって更に効果上昇)【魔発神法】(発動時魔力+5000所有者の【LV】によって更に効果上昇)【霊力操作極】【魔力操作極】【霊力探知極】【魔力探知極】を秘める。【技能】【本】の【最終進化】である』


 やっぱ、コレが原因か、チートだ、チートスキルだ。

 私の【強欲】【忍耐】【回帰】何て反動が在るのにそれすら無いとか酷い!


 因みに【強欲】様は敵を倒すと【気力】【理力】【霊力】【魔力】【SP】を吸収、反動は自分の財産、大事なモノを無償で与える、奪われるとステータスが七日間低下だ。

 【忍耐】様は知っての通り、敵の攻撃を喰らえば喰らう程にステータスが上昇、限界まで使うと七日間のステータスと【技能】の封印だ。

 【回帰】様は一時間、時間を巻き戻す、但し使うと一年間のクールタイムが発生、反動は激しく消耗しながら七日間眠るそうだ。


 どれも凄い【技能】だけど、【魔導秘奥本】はもっと凄い気がする。

 セアラってば恐ろしい子だ、ホンの数ヶ月前まではG級の下位レッサーにすら勝てないステータスだったと誰が信じるだろう。

 とても【LV20】の数値じゃない、ちくせうっ!


 私なんて【魔導攻撃完全無効】持ってるからセアラがどれ程、【魔導】を使えても負けないもん。

 負け惜しみじゃない、無いったらない。

 しかし、本当に凄いわ、セアラ、努力は報われるんだね。


 改めて私も友人として負けられないと思った。

 あ、【LV】上がったっぽい、セアラってばジャンプして喜んでる。

 可愛い。

狐猫の小話

セアラが超パワーアップです。

【魔導】は狐猫を超えちゃいました。

【魔導無効】や【封印】されるとダメですけどね。

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[一言] 神様が大盤振る舞いすぎる! 誰も取らなかったのか、誰も取れなかったのか…
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