第055話 狐猫のモヤモヤとセアラの秘密?
どうにもモヤモヤする。
考えてみれば私はセアラについて殆んど知らない。
知ってるのは元平民で、6歳から大神殿に、10歳で大聖女候補一位、今はセリアーナお婆ちゃん大聖女様の養女な事だ。
どこで生まれたのか?実の両親は?兄弟姉妹は?親族とかは?神殿に入る迄はどうしてたのか?謎は一杯だ。
そもそも今は私に【名付け】で【絆】が付いて強くなったけど超貧弱だった。
【恩恵】は三つあったけど、それだけ、ヴァン侯爵が最初に会った時に言ってた通りだ。
私はセアラ大好きだし、認めてるけど、色々と確かにオカシイ。
セアラには秘密がある。
知りたいけど、知りたくない、知ってしまえば何かが壊れそうな気がする。
アストラーデは言っていた『身命を賭して護り抜け』と、うん、もう神託関係無く護るけど、何があっても味方だけど、それでも、なんかこう…上手く言えない。
考えが纏まらない、ずっと悩みっぱなしだ。
ヒトモドキ、確かに昨夜、セアラは自分をそう言った。
セアラは間違いなく人間なのにどういう意味?と思う。
セアラ、貴方は何者でどんな秘密をその幼い身に抱えているの?
モヤモヤが晴れない私の悩みは尽きない。
◇
それは禁忌で創られた存在だ。
偉大な初代の遺骸から創られた。
莫大な報酬で7人の母体が選ばれ父と母を持たない7つの命が創られた。
血の繋がらない子を育てるのは苦痛なようだ。
2つ流れた、5つが生まれた。
初代の名『セアス』から『セラス』『セララ』『セポラ』『セリス』『セアラ』と名付けた。
創られた存在は脆い。
1人死んで、また1人死んだ。
王宮に何時までも隠せない、市居に放つ。
6歳まで生き残ったのは僅か1つ。
だが、初代と同じ【恩恵】、同じ貧弱。
しかし、【真の友】を得れば初代と同じ巨大な存在になる。
それは希望だった。
創った者達は信じた。
何時かの再来を、初代の再臨を、人々の幸せを、魔物からの救いを、だが、残った1つは【真の友】を得ようとしない。
それでも待った、ひたすら待った。
次期大聖女一位の名誉をシャリス公爵家の地位を与えた。
そして秘草採取として国中を巡らせた、しかしまだ得ない。
性格は従順だ。
御しやすい、全てではないが秘密を教える。
更に扱い易くなる、だが【真の友】は得ない。
知らぬ者達は多い。
不満が募る、時間が無い。
早く、一刻も早くと知る僅かな者は願う。
遂に兆しが見えた。
今ならまだ間に合う。
このまま知られる事無く成長を待つ。
全ては世界の為に、現代に蘇った初代と【真の友】による救済を―――知る者は信じる。
記録は此処で途切れている。
◇
何か悩んだけど、何があっても私はセアラの味方と決意して放り投げた。
セアラが何者か?秘密?こうなったらどんとこいだ。
私はセアラの友達だ、どんな物だろうと断ち切らせない。
私の名前の由来の花言葉は希望、絆、誓いだ。
【希望】を捨てない、セアラとの結ばれた【絆】を信じる。
護る事を【誓う】、絶対だ。
そして目下の目標はセアラの暗殺者排除だ。
うじゃうじゃと沸いて来ている。
どんだけ居るんだ?暗殺者、そしてこの全てに前金で金板1枚も払ったのか?
依頼主は破産しないか?まぁ、処分するついでにお財布を抜いて没収だ。
昨日の三人からも勿論、頂いた。
セアラを殺そうとした罰だ。
殺さないだけ有り難く思え。
ドロボーだけどこれは悪事に使われる筈だった金、有効活用だきっと許される。
私自身もヴァン侯爵のお陰でお金持ちだけど、管理はリーレンさんだ。
【空間収納】を覚えた今、自分でも持って置きたい。
数が数なだけにもうすっかりお金持ちだ。
このまま破産して暗殺依頼消えないかなーと思う。
ハサンの街だけに、なんつって、寒かった。
反省。
因みにセアラとリーレンさん、御者の騎士さんとシルバー、ズィルバーは秘草採取だ。
この辺りの魔物は強いらしいが三人とも強くなったしイザとなったらセアラの【大結界】で護ってシルバーとズィルバーに乗って逃げられる。
ちゃんと安全は考えられてる、大丈夫だ。
此方は此方で暗殺者退治だ。
また来た。
【隠形】で追跡、宿屋に潜んで話を聞く。
暗殺依頼は王都経由で出てるらしい。
聖都テレスターレか、まだ行った事が無い。
アストラリオンから二週間、冬になって2月には1月の間、神事と行事、王宮での会議で聖都テレスターレにあるシャリス公爵邸の別邸に滞在するそうだ。
今は11月途中だからまだ先だけどね。
序でに1月になったら直ぐにセアラの誕生日だ。
盛大に祝ばねば、危険猛牛の出番だ。
是非、危険猛牛にして食べて貰おう。
私からの誕生日プレゼントだ。
美味しいから喜んでもらえると嬉しい。
おっと暗殺者の話は終わったようだ。
動き出そうとする。
させんと【亜空間機動】で転移。
全員の首を【超尻尾攻撃】でこうキュッと、気絶。
終わった。
財布を奪って【空間収納】を詠唱してロープでグルグル、『暗殺者』と書いてペタンと張って終了。
完璧だ。
あ、でもロープが無くなりそう。
補充せねばと市場に向かった。
警備の騎士達の詰所にある牢屋はもうパンパンだろうなと思う。
昨日の3人を含めてもう50人以上を捕まえた。
懐はウハウハである。
また門に来て【探知】さんで調査、気になる奴が居た。
【鑑定】『バーン34歳、LV33、C級冒険者力C速さB防御C知能C魔力F。仕事中』
大丈夫な青点だが、何かオカシイ。
纏う気配と【LV】に違和感がある。
知り合いらしい冒険者と楽しそうに会話してるが雰囲気が違う。
勘だがコイツはハイドと同じで【鑑定偽装】してると思った。
コッソリと後を追う。
宿に入る。
「聖女がもう来てるとはな、しかも護衛も少ない殺るなら今か…」
決定。
コイツは暗殺者だ。
けど強い、恐らくハイドと同じくらいだ。
呟きを聞いて脱出、こんな所で戦えば周囲は大惨事だ。
ハイドに楽に勝てたのは本人が【毒使い】で直接戦闘専門じゃなかったからだ。
あんな如何にも剣を手にした前衛と戦うのに街中は無理だ。
森で戦おうと決めて宿を後にする。
バーンをマークして門に戻る。
また数人の三下暗殺者をグルグルにして閉まった門を後にした。
領主邸に帰ると大喜びなセアラに迎えられた。
「聞いて下さい!ハクア、【LV】が5も上がりました!」
「ミィミ?!」(なんと?!)
驚く。
何でもB級の災禍の魔物を3人で返り討ちにしたらしい、それでも確かに【LV】が低いセアラがそんなに一気に【LV】上がるか?と思う。
「秘密ですよ?この前の【試練】で【獲得経験値上昇LV1】と【獲得SP上昇LV1】を貰って【獲得経験値倍化】【獲得SP上昇倍化】に強化したんです」
「ミィミィ?!」(なんですと?!)
そんな【技能】が在ったとは自分には無かった。
ビックリだ悔しい。
この前の暗殺者襲撃の時にもセアラは【LV】が2上がっていた。
本当に追いつかれるかも知れない。
ちょっと焦る。
兎も角、今は伝える事がある。
「ミィミ、ミミィミミミィミミィミミミィィ」(セアラ、明日は秘草採取に行かないで)
「え?何故ですか?」
首を傾げるセアラ。
「ミィミミィミミミィ、ミィミィミミミィミミミィ」(危ない奴が居るの、私が始末を付けて来るわ)
「…分かりました。でも出る前に声を掛けて下さい。【光輝】と【祝福】を掛けます」
「ミミィミィ」(ありがとう)
セアラの力が借りられるなら100人力だ。
さて、此処でちょっと久々に自分のステータスを見よう。
【名前】ハクア
【種族】綿猫
【位階】参
【LV】30 → 38
【気力】995 → 1313
【理力】992 → 1310
【霊力】1072 → 1454
【魔力】1076 → 1458
【SP】3500 → 4534
【技能】【金綱牙攻撃LV6】【猛烈爪攻撃LV6】【超尻尾攻撃LV7】【呪怨視攻撃LV3】【毒物耐性LV1】【麻痺耐性LV1】【石化耐性LV1】【睡眠耐性LV1】【負傷回復速度上昇LV1】【体力回復速度上昇LV1】【気力上昇LV1】【理力上昇LV1】【霊力上昇LV1】【魔力上昇LV1】【隠形LV10】【超記憶LV6】【探知LV10】【鑑定LV8】【検索LV8】【気力操作LV5】【理力操作LV5】【霊力操作LV5】【魔力操作LV5】【気力探知LV5】【理力探知LV5】【霊力探知LV5】【魔力探知LV5】【暗視LV1】【閃駆】【剛力LV9】【鋼体LV9】【気闘法LV1】【理壁法LV1】【霊吸法LV1】【魔発法LV1】【物理攻撃完全無効】【魔導攻撃完全無効】【亜空間機動】【予見LV1】【反応LV1】【千里眼LV5】【並列思考LV7】【思考跳躍】【五感大強化LV5】【翻訳LV10】【水魔導LV3】【土魔導LV3】【空間魔導LV4】【強欲】【忍耐】【回帰】【絆】
【技能】がガー爺ちゃんとの修行で増えまくった。
【SP】貯め過ぎだ。
流石に使おうと思う。
取り合えず先ずは――
(【金綱牙攻撃LV6】を【LV7】に【LV8】に【LV9】に【LV10】に)
『技能【金綱牙攻撃LV6】を【LV7】にするにはSP27が必要です。使用しました。技能【金綱牙攻撃LV7】を【LV8】にするにはSP28が必要です。使用しました。技能【金綱牙攻撃LV8】を【LV9】にするにはSP29が必要です。使用しました。技能【金綱牙攻撃LV9】を【LV10】にするにはSP30が必要です。使用しました。【金綱牙攻撃LV10】が【真牙攻撃LV1】に進化しました』
続けて更に――
(【猛烈爪攻撃LV6】を【LV7】に【LV8】に【LV9】に【LV10】に)
『技能【猛烈爪攻撃LV6】を【LV7】にするにはSP27が必要です。使用しました。技能【猛烈爪攻撃LV7】を【LV8】にするにはSP28が必要です。使用しました。技能【猛烈爪攻撃LV8】を【LV9】にするにはSP29が必要です。使用しました。技能【猛烈爪攻撃LV9】を【LV10】にするにはSP30が必要です。使用しました。【猛烈爪攻撃LV10】が【真爪攻撃LV1】に進化しました』
加えて――
(【超尻尾攻撃LV7】を【LV8】に【LV9】に【LV10】に)
『技能【超尻尾攻撃LV7】を【LV8】にするにはSP28が必要です。使用しました。技能【超尻尾攻撃LV8】を【LV9】にするにはSP29が必要です。使用しました。技能【超尻尾攻撃LV9】を【LV10】にするにはSP30が必要です。使用しました。【超尻尾攻撃LV10】が【真尻尾攻撃LV1】に進化しました』
まだまだ――
(【呪怨視攻撃LV3】を【LV4】に【LV5】に【LV6】に【LV7】に【LV8】に【LV9】に【LV10】に)
『技能【呪怨視攻撃LV3】を【LV4】にするにはSP14が必要です。使用しました。技能【呪怨視攻撃LV4】を【LV5】にするにはSP15が必要です。使用しました。技能【呪怨視攻撃LV5】を【LV6】にするにはSP16が必要です。使用しました。技能【呪怨視攻撃LV6】を【LV7】にするにはSP17が必要です。使用しました。技能【呪怨視攻撃LV7】を【LV8】にするにはSP18が必要です。使用しました。技能【呪怨視攻撃LV8】を【LV9】にするにはSP19が必要です。使用しました。技能【呪怨視攻撃LV9】を【LV10】にするにはSP20が必要です。使用しました。【呪怨視攻撃LV10】が【邪怨視攻撃LV1】に進化しました』
終わらない。
(【邪怨視攻撃LV1】を【LV2】に【LV3】に【LV4】に【LV5】に【LV6】に【LV7】に【LV8】に【LV9】に【LV10】に)
『技能【邪怨視攻撃LV1】を【LV2】にするにはSP22が必要です。使用しました。技能【邪怨視攻撃LV2】を【LV3】にするにはSP23が必要です。使用しました。技能【邪怨視攻撃LV3】を【LV4】にするにはSP24が必要です。使用しました。技能【邪怨視攻撃LV4】を【LV5】にするにはSP25が必要です。使用しました。技能【邪怨視攻撃LV5】を【LV6】にするにはSP26が必要です。使用しました。技能【邪怨視攻撃LV6】を【LV7】にするにはSP27が必要です。使用しました。技能【邪怨視攻撃LV7】を【LV8】にするにはSP28が必要です。使用しました。技能【邪怨視攻撃LV8】を【LV9】にするにはSP29が必要です。使用しました。技能【邪怨視攻撃LV9】を【LV10】にするにはSP30が必要です。使用しました。【邪怨視攻撃LV10】が【真邪怨視攻撃LV1】に進化しました』
その後も強化を続けて最終的に――
【名前】ハクア
【種族】綿猫
【位階】参
【LV】38 → 38
【気力】1513 → 1513
【理力】1510 → 1510
【霊力】1554 → 1554
【魔力】1558 → 1558
【SP】2251 → 2251
【技能】【真牙攻撃LV1】【真爪攻撃LV1】【真尻尾攻撃LV1】【真邪怨視攻撃LV1】【猛毒物耐性LV1】【大麻痺耐性LV1】【大石化耐性LV1】【大睡眠耐性LV1】【負傷回復速度大上昇LV1】【体力回復速度大上昇LV1】【気力大上昇LV1】【理力大上昇LV1】【霊力大上昇LV1】【魔力大上昇LV1】【隠身】【超記憶LV6】【探知LV10】【鑑定LV10】【検索LV10】【気力大操作LV1】【理力大操作LV1】【霊力大操作LV1】【魔力大操作LV1】【気力大探知LV1】【理力大探知LV1】【霊力大探知LV1】【魔力大探知LV1】【暗視LV1】【閃駆】【金綱力】【金綱体】【大気闘法LV1】【大理壁法LV1】【大霊吸法LV1】【大魔発法LV1】【物理攻撃完全無効】【魔導攻撃完全無効】【亜空間機動】【予見LV1】【大反応LV1】【千里眼LV5】【並列思考LV7】【思考跳躍】【五感大強化LV5】【翻訳LV10】【水魔導LV10】【水流魔導LV1】【土魔導LV10】【大地魔導LV1】【空間魔導LV4】【強欲】【忍耐】【回帰】【絆】
と、成った。
そこでピコーンと音がする。
『【技能】【金綱力】【金剛体】を確認しました。【技能】【金綱力体】に進化、統合されます』
は?!と思った。
また鳴った。
『【技能】【探知LV10】【鑑定LV10】【検索LV10】【翻訳LV10】を確認しました。【技能】【叡智】に進化、統合されます』
………なんか凄い事になった。
でも【SP】は大分、減った。
また貯めよう。
これで準備は万全だ。
明日に備えて今夜は寝ることにした。
狐猫の小話
セアラの秘密をちょっと解放。
結構、よくある類かもですが大体、そういう感じです。
不憫な子です。




